バラムツってどんな魚?販売禁止?市場では売られていない全身大トロと言われる深海魚

バラムツは身体が大きく、その釣りごたえから一部の釣り好きに人気がある深海魚です。その身には有害性があるので厚生労働省が販売を禁止していて市場には出回っていません。しかし食べること自体は禁止されていないので、自分で釣ったバラムツは食べることが可能です。

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バラムツは美味しい

バラムツは大トロの味!?

バラムツは深海魚なので、見た目はあまり美味しそうとは言えずあまり食欲をそそる見た目とは言えません。しかし食べると非常に脂が乗っていて大トロようで美味しいという体験談が多くあります。

実際に、バラムツの身には脂が多く含まれています。しかし全身マグロの大トロのようで美味しいと評される一方で、“脂が多すぎて食べるのは辛い”と言った方もいるようなので好みは別れるようです。

バラムツの有害性

有害の原因はその脂

しかしバラムツの脂はほとんどがワックスエステルと言って、いわゆる「蝋(ろう)」であるため人体では消化できません。消化吸収できなかった脂が原因となり様々な症状を引き起こす原因になるのです。

食べたらどうなるの?

下痢や腹痛に始まり、皮膚から油が漏れる病気(皮脂漏症)になったり、有名なのは消化されなかった油脂が肛門からそのまま漏れ出してしまうこともあります。しかもその脂、機械油のようで非常に臭いようです。

さらに大量に摂取すれば昏睡状態になったりという例もありますので本当に注意が必要です。その有害性から、1970年から厚生労働省で食品衛生法により販売禁止の指定を受けており、市場には流通していません。

どれくらいなら食べても大丈夫?

どれくらいなら大丈夫という明確な量はわかりません。個人差がかなりあるようです。お刺身を2切れ食べただけで症状が出た人もいれば、10切れ食べても平気だったという人もいます。食べるのであれば1切れだとしても覚悟が必要です。

バラムツの生息地・分布

一番最初にその話題性からバラムツの危険性から紹介しましたが、ここからは基本情報を紹介していきたいと思います。バラムツは福島県南沖~土佐湾の太平洋側。兵庫県浜坂~東シナ海や北海道沖にも生息しています。その他にも、世界中の温帯~熱帯域にも広く分布しています。水深450~800メートルの中深層に生息する深海魚です。

バラムツの生態・特徴

バラムツの生態と生息水域

バラムツは昼間は中深層にいますが、夜になると水深100~200メートル付近の水域にエサを求めて上がってきます。バラムツは肉食性で主に小魚やイカ、甲殻類を捕食します。そして朝になると中深層に戻っていきます。エサの遊泳層が変わるため、月が明るいほど浅くまで上がってきます。

産卵は秋の終わりから春にかけて沿岸域で、分離浮性卵といって海中をバラバラになって流れに身をまかせて漂う卵を産みます。稚魚の初期は動物性プランクトン、後期はイワシなどの小魚を捕食しながら成長します。体長20センチを超えると深海に生息するようになります。

バラムツの特徴

体長1,5メートル前後にまでなり、大きいものだと3メートルを超えるものもいます。3メートル級のものだと体重50キロにもまるので、かなりの大物です。体の表面のトゲトゲしていて硬い鱗に覆われているので、うっかり触ると怪我をしますので要注意です。触るときは手袋をしましょう。

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