サッパってどんな魚?
日本全国の沿岸に生息する、成魚でも手のひらに収まるような小さな魚です。背中が青く、腹の方は銀白色。体は平たく細長いのが特徴です。アングラーの間では、サッパしか釣れないとがっかりされたり、無言でリリースされがちな地味な魚ですが、実はとても美味しい魚です。
サッパとは
体長は12センチ程まで成長します。生息地は内湾で、群れを作って生活しています。背中はまっすぐ、腹が下に出ていて平たく木の葉のような形をしています。小魚である割に、鱗がかたくて数が多いのが特徴です。大きく回遊はせず、一生を通じて同じ場所に留まると言われています。
釣れる時期は?
晩夏から秋にかけて、また地域によっては春まで釣れるところもあります。産卵期は4月頃から始まり初秋の9月頃まで、地域ごとに異なります。冬は湾内の深い場所に潜るので、あえて釣ろうとするのでない限り釣り上げるのは難しいかもしれませんが、どんな魚も越冬魚と言ってとても美味しいことで知られています。
コノシロとの違い
形が似ていることから間違えられやすいのがコノシロです。見分け方としては、コノシロには斑点があるということ、そして背びれからスーッと長いヒレが一本出ていることが挙げられます。またコノシロの成魚は15センチ以上まで成長します。出世魚としても知られており、7、8センチの頃はコハダと呼ばれます。
地方によって呼び名が違う?
サッパは関東地方で呼ばれている名前で、地域により様々な呼び名があります。ちなみにサッパという名前の由来は諸説あり、味がさっぱりしているからとか、漁師が小舟をサッパと呼ぶことからきている、笹の葉のような形をしているからといった話があります。サッパは全国に生息している、日本人に馴染みの深い魚なのです。
ママカリ
岡山や広島、瀬戸内海沿岸地域では、ママカリと呼ばれます。これは漢字では飯借と書き、あまりの美味しさに近所からご飯を借りてくるほどだという意味があります。スーパーで販売されている酢漬けなどの加工品には、ママカリの酢漬けと名付けられているもをよく見かけます。ママカリは他地域でも広く知られる呼び方です。
ハラカタ
ハラカタもしくはカワゴワと呼ぶ地域もあり、これは皮が硬いこと、特に胸ビレ付近の腹の部分が硬いということが名前の由来になっているようです。他にもハダラやキンカワなど20以上の呼び名があります。その土地それぞれの呼び方があるということは、昔から地元でよく食べられている魚ということでしょう。