世界最強海洋生物「ダンクルオステウス」とは?
脊髄動物の中では最初に顎骨を持ちはじめた種類とも言われています。板皮魚類の中の1種でカンブリア紀以後の顕生代の中頃に恐れられ海中で猛威をふるっていた巨大キング魚類です。頭部から肩部は、鎧兜の武装のような骨板に覆われていたと推測されていて、蝶番状のような関節で結合されていました。
ダンクルオステウスの大きさ
総重量は1㌧トラック4台弱分ほどもあったのではと言われています。古生キングともいわれ生態系のトップでもあたことから、頭胸部の大きさからの推測では体調8m~10m以上あったとされ、これは日本での陸上で最も大きい動物でもあるヒグマの2.5m程の大きさの4倍もの大型魚種でした。
ダンクルオステウスの生息地域
大きな図体で装甲状の頭胸部分を持っていたので、泳ぐ能力は低くく、海底を移動していました。暖かい頃の海で生息していました。現在の北アフリカ・モロッコ・ベルギー・ポーランド・北アメリカ・ヨーロッパ周辺で発見されていることから生息地域とされています。
ダンクルオステウスの生息時代
本格的に陸地に動物が進出した約4億2千年程前のシルル紀後半からとされる魚類の時代に大繁栄していました。しかし2800万年程続いたデヴォン紀末には姿を消したとの説があります。このデボン紀は無顎魚ばかりだった魚類から顎のあった魚類が生まれたようです。
ダンクルオステウスの化石と謎
全身の化石は見つかっていなく、頭部分から胴前半部分のものしかありません。骨の柔らかい魚類は、肉と共に骨も腐敗分解してしまうため、形として残ることはありません。発見されている部分から考えると、謎の扉は開いていません。
”ダンクルオステウス”の化石
現代では、デボン紀(魚類の時代)の地層から4つ発見されています。しかし発見された全てのものに胴部分がなく頭から胴前部分しか発見されていません。そのため頭・胴前半部分が異常に発達してできた鎧のような硬く丈夫な骨であった魚類だったとされています。
頭部しか発見されないダンクルオステウスの謎
イメージでは鎧兜の武装のような頑固な骨で覆われていたことから、頭と胴前半部分の化石しか発見されていません。そのため、発見されていない胴後ろ部分は、腐敗分解されてしまう軟骨で形成されていたのではないかと考えられているため謎とされています。
未だ解明されないダンクルオステウスの浪漫
未確認の生態と発見されているものも未到の部分が多いため、真のダンクルの姿を知るものはいません。現在の描かれているものは頭部の化石部分から推測する姿で、もしかしたら、実際には足があったり棘があったりとイメージすることは、想像力を広げ浪漫をかき立ててくれます。
まだまだある!ダンクルオステウスの謎の扉
姿形を誰も知らないことも興味深い事ですが、まだまだ謎は深まります。生活拠点は海水とされていますが、海水濃度が低い場所を好むダンクルオステウス種がいたのではないか?との説もあり、河川でも実際に生息していたことが明らかになっています。もし事実であればダンクルの支配域も想像がふくらみます。
人間の祖先との関係
ダンクルは人間の原点ではないかとの説があります。ダンクルと同類魚が体内受精に成功したことから、受精方法も人間のように体内で行われていた可能性が高いことと、中国科学院で板皮魚類は硬骨魚類の先祖だとの発表があったことから脊椎動物である人間は硬骨魚類が先祖となるため、もしかしたらの可能性も有り得ることとなります。
人類が存在していなかった時代に生存していたものたちは、現生でも過去でも様々な生物の先祖を辿って行けば、最終地点は共通の先祖に行き着くのかもしれません。
恐るべし!ダンクルオステウスの顎パワー!
古代生物の初期時代は、顎の無い魚が主流でしたが、デボン期に入り顎のある魚が誕生したことから今まで捕食される側から捕食する側に立場逆転してしまうようになりました。その中でも最もパワーのある顎を持つ魚として、当時代の海低の巨大キングだったのではないでしょうか。
最強クラス!ダンクルオステウスの噛む力
ダンクルが最強と言われたのには、大きな強烈な顎にもありました。実際口のなかには歯は無く骨のような鋭利な形のものがありました。顎は蝶番のような特殊な作りになっていて、その噛む打撃は450kgf以上と言われています。これはオオジロザメの約2倍も噛む力が強いことがわかります。
歯の形成を持たないことから、噛み砕くのではなくすり潰すように顎を動かしていたようです。そのため、嚙みもせずすり潰すわけでもなく、捕食物をそのまま丸呑みする場合もありました。その証拠に、ダンクルの化石周辺から消化不足の骨や皮などを出した痕跡があります。
ダンクルオステウスと噛む力が同等の古代生物
そんな海中キングと対をはる噛む力があったとされている陸動物で最強の噛む打撃があったのが、ティラノサウルスです。その噛む力は8~10t以上だったと考えられ骨なども簡単に噛み砕くことができました。1円玉くらいの大きさに対し3万キロの噛む力があり、少なくとも小型車3台分程は簡単に噛み砕けたと考えられます。
ダンクルオステウスVSメガロドン|強いのはどっちだ!?
1800万~150万年以前の陸海ともに温暖の時代に生きていたメガロドンは、骨の柔らかい魚種のため歯の化石部分し残っていません。ダンクルの現在の姿・形は空想の世界から描かれています。同じ時代に生きてはいなかったとはいえ、それぞれの時代の巨大キング達の謎に入っていきます。
ダンクルオステウスに負けない魅力:メガロドン
1本の歯の大きさは最大で17cmもありました。発見されている化石の歯部分から推定される大きさは、全長10~20m程あったとされています。ダンクルが2匹分ほどのサイズであったことから、当時の海では顎と歯をそなえる巨大魚としておそれられていたと考えられています。
ダンクルオステウスVSメガロドン:顎対決!
メガロドンの顎と噛む打撃は、ダンクルオステウスの約35倍ほどで全く比べ物にならない事がわかります。しかしメガロドンは捕食魚に好き嫌いがありましたが、ダンクルはえり好みせず噛み砕き丸呑みも得意であったので最強海のギャングとして警戒されていたかもしれません。