イナダはどんな魚?
「食べたことはあるけど、ハマチの方が好きかな」「ブリと似てなるよね?」など身近な魚でありながらも混同されがちな一面もあります。詳しく分からないという方、まずは頭の中の整理から始めましょう。
イナダは出世魚!名前の変化をチェック
稚魚から成魚になる過程で大きさを基準にして呼び分けられている出世魚です。さらにややこしいことに水揚げ地域によっても呼び名が違ってきます。以下に主な水揚げ場所ごとによる名称をまとめてみました。
20cm未満 | 30cm未満 | 40cm未満 | 60cm未満 | 70cm未満 | 80cm未満 | 80cm以上 | |
関東 | ワカシ | ワカシorイナダ | イナダ | ワラサ | ワラサ | ブリ | |
関西 | ワカナ | ワカナorツバス | ツバス | ハマチ | メジロ | メジロ | ブリ |
高知 | モジャコorワカナゴ | ハマチ | メジロ | オオイオ | ブリ | ブリ |
イナダは関東と関西では呼び名が違う?
成長過程での最終的な呼び名は「ブリ」なのですが、そこに至るまでで呼称の違いが顕著です。よく勘違いされるのは「イナダ」なのか「ハマチ」なのかという点。これは東日本と西日本で呼び方が違うだけで実質的には同じ魚なのです。
イナダはスーパーでも安く手に入る!
「こんな値段で買えちゃうの?」と思える値段で並んでいます。おおよそ300円/kg前後から600円/kg前後です。大衆魚のアジが年間平均500〜600円/kgほどでなのでサイズを含めて考えるとお得感この上ない食材です。店頭では初夏から晩秋によく見かけるようになります。
イナダの生態、生息域はどこ?
当たり前のように鮮魚店や飲食店、家庭でも調理されている一般的な魚ですが、では海ではどのように生活しているのでしょうか。生息場所や生態について、さくっとわかりやすく要点だけをまとめてみました。
イナダの生態!何を食べている?
主に肉食で稚魚のうちはプランクトンやエビなどの小さな甲殻類を食べています。成長に伴い小魚が捕食のメインとなり、イワシなどを食べながら成長します。「ブリ」になる頃には約4年の歳月を要します。
イナダの生息域はどこ?
北海道から南は九州で広い範囲に分布しています。季節で移動する回遊魚に分類されており、群れを成しながら春夏は沿岸に沿うようにして北上、寒さが本格的になる頃から春は沖に出て南下する特徴があります。
イナダの見分け方!おいしい魚を選ぼう!
最終形態であるブリが冬に旬を迎えることは有名ですが、イナダは一体いつが食べごろなのでしょうか?「しょっ中売られているのを見かけるけど…」という声も多いので最適なタイミングをご紹介します。併せて鮮度の良さを見分けるポイントも知っておきましょう!
イナダの旬はいつ?
釣りだと海水温の上昇が落ち着く晩夏から冬前が狙い目ですが、市場には初夏から初秋にかけて出回る量が多く、食材としても最適といえます。一説には「旬がない」とも言われていますが、漢字で「鰍」とあてられるように秋の魚であることも表しています。
イナダの見分け方!鮮度、品質はどう選ぶ?
張りのある澄んだ目、先までしっかり伸びた尾びれ、赤色が鮮やかなエラ、背びれ付近の青と横に伸びた黄色の模様がはっきりしている個体を選びましょう。さらに腹の丸みは脂ののりがいいことを表してみます。「切り身」は血合い部分が鮮やかで、皮や身が光沢を帯びたツヤがあることをチェックしましょう。
イナダを釣ったら持って帰ろう
釣った直後から鮮度の劣化は始まります。適切な処理を施さないと、どんどん質が悪くなってしまい、血生くさくてとてもじゃないけど食べられないなんてことも。正しい締め方を学んで最高の状態で持ち帰りましょう。
イナダの締め方!血抜きの方法
釣り上げたらまずはナイフでエラと尻尾に切れ込みを入れ、神経を断つとともに外に血を出すための通り道を作ってあげます。その後、ストリンガーという輪っか状道具を口に通し海に落としましょう。海水と入れ替わるように血管から血が抜けていきます。動画だとさらにイメージしやすいと思います。
ストリンガーって?
基本的には魚を生きたままの状態にしておくための釣り道具の1つです。クリップの形をしたフックを口やエラを経由して引っ掛け海へ投げ込みむことで生かしておくことができます。また今回のように海中で血抜きを行う際に使えるので用途に幅がある道具です。
魚の締め方をまとめたわかりやすい記事もあるので、さらに詳しく知りたい方は参考までにご覧になってみてください。今回紹介している血抜きの他にも便利なグッズも載っているので道具選びの際にも参考になります。