マンチニールは世界で最も危険な木?死に至る?謎の木マンチニールに迫る!

怖いイメージばかりできてしまうこの木ですがは利用価値がちゃんとあり、現地住民たちには何世紀にもわたってまさに毒にも薬にもなる植物としてともに生きてきた歴史があります。砂浜のマングローブの中で成育し、人々の防風林となる大きな役割も果たしてきました。

カリブ海地域では建材として利用

カリブ地域の住民たちは長い歴史と経験からこの木の毒を無毒化する方法を知っています。例えば大工たちはこの木を建材として何世紀も使用してきました。木を切り倒した後、天日干しして樹液を完全に乾かし切ってしまうのです。

浮腫の治療や利尿薬としても利用されている?

また、木の皮を加工すれば浮腫の治療に用いることもできると伝えられています。建材にする加工方法と同様に、毒の果実も乾燥させれば薬となることがわかっており、利尿薬として使われてきた歴史があります。

毒を操っていたタイノ族を絶滅に追い込んだのは?

マンチニールが成育しているイスパニョーラ島に昔から暮らしていた民族にはタイノ族がいました。豊富な自分たちの経験からこの猛毒を使いこなし、たくましく生きていた彼らも18世紀には絶滅してしまったと言われています。原因は植物の毒なんかではなく、人によって持ち込まれた微生物でした。

海に囲まれ隔離された環境で独自の風習・文化とともに暮らしていた彼らにとってスペイン人とともにやってきた未知の微生物は最大の脅威だったのです。ドミニカ共和国の地下洞窟「奇跡の洞窟」には当時の彼らが残した壁画があります。人が人を滅ぼしてしまったという悲しい歴史を忘れないように今は大切に保存されています。

人と毒を持つ植物との歴史

人にとって有害な物質であるアルカロイド類(窒素を原子を含む有機化合物の総称。)を持つ植物は時に薬用植物として使われてきた歴史もあります。古くはなんと紀元前2000年ごろのメソポタミアで既に用いられた記述が残されており、エジプト女王から「無意識の状態に導く薬剤」として贈られたなんていうことまで記されています。

マンチニールに関する声は?

毒にも薬にもなり、命を脅かす存在でありながらも古くから現地の人の生活に溶け込み、実に様々な方法で利用されているとても不思議で危険な存在を世の中の人はどう受け止めているのでしょうか。

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