イワナの特徴や生態をチェック!実はこんなに種類がいた!

イワナの産卵時期は9月~11月です。この時期、オスは体側面にピンク色の婚姻色が見られるようになり、口吻は変形した「鼻曲がり」の状態になっています。産卵に先立って、イワナの雌雄はまず産卵場所の近くの集団お見合い場といわれる領域に集まりペアを組みます。ペアとなるオスを見つけたメスは産卵場所へ移動し、場所を決めて産卵床を掘ります。産卵場所として選ばれるのは生息地の川の支流で川幅の狭い場所の、砂礫地の流れの緩やかな水底です。産卵場所を決めたメスはペアのオスが腹部をつつくのに呼応して卵を産み、オスはその直後に放精します。産卵の前にペアであることを確認するためにオスとメスが腹部をこすり合わせるような行動をすることが知られています。卵は直径5mmほどの黄色い沈性卵で水底に沈み、一ヶ所に100粒足らずが産み付けられます。メスは数回にわたって場所を変えて産卵を繰り返すので、全ての卵が産み落とされるまでオスはメスの周辺にいます。他のオスに体当たりをしたり噛み付いたり、攻撃的になる時期です。産卵時期は地域ごとに水温の変化に従って行われるものと思われ、北方になるほど産卵が早くなる傾向があります。イワナの繁殖の最盛期はその地方のブナやミズナラなどの紅葉の時期に重なることが知られています。卵は0~50日ほどで孵化しますが、仔魚はそのまま砂礫の間にとどまって冬を越し春の融雪を待って仔魚は水中に泳ぎ出します。稚魚となったイワナは、岩の下の隠れ場所や流れのないよどみなどに移動します。

イワナの特長

イワナの食性

イワナは肉食性の淡水魚で、ほとんどなんでも食べる悪食。動物プランクトン、水生昆虫や他の種類の魚、カエルや蛇、樹上から水中に落ちた虫やねずみなど、およそ動物性のものであればかまわず口にします。主な餌は昆虫類でカワゲラ、トビケラなどの水生昆虫、及び空中を飛ぶトンボ、カゲロウなどで、産卵などのために着水する瞬間をとらえて水中から捕食する習性があります。春には水性生物を餌とする割合が高く、夏、秋には陸生生物の比率が高まると言われています。空中イワナは共食いをすることも知られています。

イワナの行動

イワナは非常に用心深い生物で、外的の存在を感知すると岩陰などに隠れて数時間は出てきません。間が頭部の真横についており、視野が広い上、嗅覚も鋭く濁った水中でも餌となる生物を探知できます。生息地では複数のイワナがそれぞれ縄張りを構えて生息しており、大型の個体ほど餌がとりやすい場所を縄張りとしています。水際にいる動物を水中から飛び出して捕食する習性があり、空中を飛ぶ昆虫や水辺で餌や水をとる動物もイワナの餌となります。陸上でも短時間であれば活動でき、水から上がってしまった場合には体を跳ねさせて移動し水中へもどることができます。

イワナの生活史と旬

イワナ類は世界的に寒冷な水域を好み、日本のイワナはそのうちで最も温暖な地域に生息することから水温の低い山地の上流水域に分布するものと考えられています。サケ科の魚類は一生のある時期に海に下る生活を送るものが多いのですが、わが国のイワナは一生を陸水で過ごすものが多いのもこのためでしょう。氷河期に生息していたイワナは全て降海型の生活を送っていたと考えられています。その後、氷河時代が終わり、気候が温暖化した結果、内陸の山地の寒冷水に残された岩魚は一生を陸水で送ることになったのでしょう。現在、本州で見られるイワナはほとんど河川で一生を送りましが、北海道のイワナは陸封型と降海型の両方が見られ、千島や樺太のイワナはほとんど全て海へ降りることが知られています。イワナは初夏が脂の乗った美味しい季節、5~6月が旬です。

イワナの釣り方

生き餌を使った餌釣り、ルアーを使ったルアー釣り、および毛ばりを使ったテンカラ釣りなどがある。餌釣りの場合、餌はミミズ、ブドウ虫、カワゲラやイクラなどが使われます。目のいい魚なのでミノーなどを使ったルアー釣りもできます。流れの状態に合わせてシンキングミノー、フローティングミノーを使いますがスプーンやスピナーも有効です。テンカラつりはイワナが小型昆虫を餌とする食性を利用するつり方で、カゲロウに似せた毛ばり(ドライフライ)を使ってキャストを繰り返すことで水中のイワナを釣り上げる方法。ニンフなどのフライを使って水中に毛ばりを浮き流して釣ることもできます。

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