はじめに
エギングはエギというは魚やエビの形をしたルアーを使った釣りです。エギは特にイカ釣りを釣るルアーとして使うもので、イカの好物の形をとったものでさまざまな色や形があります。エギングは他の釣りに比べてあまり道具がいらないのも魅力。ロッドとリール、そしてエギがあれば、近くの海でも楽しむことができます。今回はエギングに関する基礎的な知識と、エギの選び方、そしてその中からおすすめのエギをピックアップして紹介します。
エギングって何
エギングは、そもそもは日本で昔から行われていた木で作った疑似餌(餌木=えぎ)を使った釣りの技法です。とくにアオリイカを釣るのに適した釣り方で、いろいろなメーカーからアイデアをこらしたエギがたくさん発売されています。海岸から釣ることができるのも魅力の一つですが、イカの生活サイクルや状況は季節や時間帯によって変化します。このため、それぞれの状況や環境を考慮して最適のエギを選ぶ必要があるのです。今回は初心者の方にも分かっていただけるように、エギを使った釣りを説明します。
エギングで何を釣る、エギの選び方
上でエギはアオリイカに最適のルアーといいましたが、もちろん他のイカを釣るときにも使えます。エギには大きさ、カラー、形などいろいろなものがありますが基本的には海の中でエギを動かしてイカに餌と見誤らせ、エギをバイトさせるように工夫されています。以下の種類だけではなく、季節や時期によってイカの食いつきが違う(「活性」という言葉を使います)ので、状況にあわせて最適なエギを選びましょう。
エギングのターゲット、どんなイカを狙えるか
エギングで釣れるターゲットは、海岸に近いところで生活しているイカたちです。エギングのターゲットとなるイカのうち、代表的な種類とそれぞれのイカについてエギングに適した季節について知っておきましょう。
アオリイカ
近海を泳ぐイカでエギングのメインターゲット。ほぼ日本全土の沿岸にいるイカでひらひらしたひれ(えんぺら)が胴の周りをぐるりと囲んでいます。釣りのベストシーズンは春と秋ですが、地域によっては一年中釣ることができる場所も。アオリイカは春に海岸近くに産卵のために群れでやってきます。生んだ卵は秋には孵ってたくさんの子イカとなります。秋はエギに食いつきのよい釣りやすい季節です。
ヤリイカ
こちらも日本全土の沿岸に生息するイカ。全身が細長く、胴の先端側半分のところに細い菱型のえんぺらがついています。どちらかというと岸から遠くで生活していますが、寒くなると接岸し、春に産卵します。冬から春にかけては岸からのエギングのターゲットです。
スルメイカ
北太平洋全域に分布するイカでヤリイカよりも細くてやや小さい種類。胴の周りのえんぺらは菱形というより三角形で、胴の先のところ1/3くらいまでで終わっています。普通に家で食べるイカで、煮付けにしたり焼いたりして食卓に乗るなじみの深いイカです。
ケンサキイカ
本州中部地方より南で見られることが多いイカで、どちらかというと南方系の種類。近畿地方で春から夏、北陸では秋から冬がエギングのシーズンです。えんぺらがヤリイカよりも幅広い菱形で、胴体の先まで伸びています。
ヒイカ
ジンドウイカとも言われる小型のイカで、冬に接岸します。北海道から東北では一年中見られる種類で、非常にアグレッシブ。餌をとることにも貪欲なイカです。
エギの使い方、イカにはどう見えているのか
エギはイカにとっては餌に見えるように作られています、イカは視力がよく、特にアオリイカは視覚が鋭いといわれますが、実はイカの目はものの輪郭をあまりはっきりとらえることができません。動かないものは気がつきにくい一方で、水中でチョコチョコ動くものは目に付きやすいのです。海の中でものの姿を見る場合、水中から水面を見上げる形で見るときは逆光に、水中に浮かんだ状態から海底を見るときは順光になります。イカから見て逆光になるときはシルエットになりやすいエギを、順光のときは目を引きやすい色のエギを選ぶとよいでしょう。
エギの選び方のポイント
アオリイカの場合、季節によって成長の度合いが違い、大きさが違います。春は産卵間近で成長のピークにある大きいイカが多く、秋には子イカの数釣りを楽しむことになります。イカのサイズに合わせて使い分けるため、エギには4号までのサイズが用意されています。狙うイカのサイズに合わせてエギの大きさを決めるとよいでしょう。秋には2.5~3.5号のエギを、冬から春には3.5号以上のものを選びます。
エギの選び方、カラーの違い
サイズと同様に色についてもはさまざまなエギがあります。色彩は多くのエギで二層になっていて、下地(ベースカラー)の上に布張りのボディカラーが重ねられており、布の目の隙間から下地の色が見えるようになっています。ところでイカには色が分かるのでしょうか。最近の研究ではイカは人間とは違う方法で色を見分けていることが分かってきています。水の中では赤い光が吸収されて暗い色になってしまうのですが、青や黄色はイカの目にもかなりはっきり見えているようです。
エギのカラーはアピール度という基準で分けられています。以下に対する亜ピル度が高いものをアピール系エギ、低いものをダーク系エギと呼んでいます。ベースカラーでは金がアピール、赤がダーク系エギです。ボディカラーは派手なものほどアピール系、落ち着いた色のものほどダーク系。イカの活性が高く捕食が盛んな状態ではアピール系のエギを、逆に活性が低い状態ではダーク系のエギを使うのが基本です。朝夕のまずめの時間帯は活性が高く、晴れの日より曇りの方が活性が高くなります。
エギの選び方、水中での動きの違い
イカの気を引くために、水中でエギを動かしてバイトを誘ってやる必要があります。代表的な動きがフォールとジャーク(しゃくり)です。フォールはエギが下へ(海底へ)向かって動くこと。ジャークはフォールしたエギを引き上げて水面に近いほうへ動かす動きになります。イカがエギをバイトするのは、エギがフォールして止まった状態にあるときなので、フォールの動きがスムーズなほうが使いやすいエギです。
エギを環境で使い分ける
時期によってはイカたちが水面に近いところまで上がってきている場所でエギングができることがあります。こういう時は、イカがエギにバイトする瞬間を目で見てあわせることができます。このようなサイトエギングの場合は、通常のエギングよりも視認性のよいエギを選びましょう。狙っているイカが産卵期にあるときや、孵った子イカが餌を大量にとる時期など、季節と場所によって変化するイカの活性を考慮してエギのタイプを決定します。
エギの動きを調節する、水中での姿勢
エギはフォールするときの姿勢でタイプが分かれています。エギの号数の後ろに”D”や”deep”と書かれているのはこのフォールの時の姿勢が前に大きく傾くものです。Dのものは水中で45度近い角度で下向きになるように設計されています。通常のタイプはもっと浅い角度で20度~30度くらいです。水中でジャークさせる際のエギへの抵抗のかかり方でエギがしゃくりあがるときの動きが変化します。この動きの中でエギがイカの目を引いて餌だと思いこませるので、水中でのエギの姿勢と動きのバランスはとても重要な要素なのです。
エギの動きを調節する、水中でのバランス
フォールのときのエギの姿勢にも関係しますが、エギは前側(アイという)に重心が傾けて作られています。オモリが重すぎると沈む速度が速くなりすぎて水中でコントロールしにくい、バイトのタイミングがとりにくい、といった問題があります。重すぎるようであればシンカーを削り取る、逆に軽いようであればエギにオモリを足すことでアジャストします。
エギおすすめ①
YO-ZURI アオリーQ RS
まずは釣れるエギの代名詞といえるアオリーQ RS。イカが回転して抵抗することによるラインのねじれを防ぐためにローリングシャフトを採用したヨーヅリのエギ。幅広い種類のイカに対応し、岸からでも船かれのエギングでも使える万能のエギです。イカの好みに合わせた色合いで全てのイカのバイトを引き寄せます。
エギおすすめ②
Daiwa エメラルダス ラトル
フォール時のバランスとキビキビした動きのよいエギでイカをひきつけるDaiwaのエメラルダス。6つのガラスボールから発生するラトル音で広範囲のイカにアピールします。フリーフォールの姿勢が頭下がりでややゆっくりと沈み、イカのバイトを誘う。カンナにつけられた段差が微かな接触でも確実なフッキングにつなげます。
エギおすすめ③
HARIMITSU 墨族 サクヤピンク