仕掛けが流されない重さのオモリを選択して、エサが多く生息していそうな岩場や地形の変化を狙っていきます。良さそうな場所があったら、まずは付近の土手などに棒を打ち込みます。エサを付けた仕掛けを投げ入れて、糸を棒に結びつければセット完了です。後は、翌朝になってから獲物が掛かっていることを期待して回収します。
ワンポイントアドバイス
河口や下流部などでは、潮の満干で水位が大きく変動するので、そのことを踏まえた上で仕掛けを投入しましょう。水位の影響が少なそうな、小規模河川や用水路などのポイントを狙っていくのも有効な立ち回りです。場所に余裕があれば、ぶっこみ釣りと同じように数か所に仕掛けを投入することで、捕獲できる確率が上がります。
うなぎ釣りの仕掛け④ペットボトル釣法
竿の代わりに、飲料が入っている容器としておなじみのペットボトルを使って釣りをすることができます。面白い釣り方なので、一見ネタとして思われるかもしれません。しかし、実際は、効率よくウナギを捕獲するために生み出された非常に理に適っている釣り方です。安値で仕掛けを揃えることができるので、初心者の方におすすめです。
仕掛け
500mlサイズのラベル付きペットボトルと、糸、オモリ、針を用意します。糸の長さは約30m欲しいので、目安として150~200回転くらいを上側~中心に巻きつけていきます。糸の種類は、投げやすくて糸ヨレが起こりにくいナイロン2,3号くらいを選択します。糸の始まりの部分は、ペットボトルの首部分にしっかりと結び付けて下さい。
糸を巻いた後は、オモリと針を付けるだけです。ナス型オモリを使用しますが、重すぎると反応があったときにペットボトルに変化が出にくくなってしまいます。6号を目安にして、あとは流れや水深に合わせて微調整して下さい。ハリスの長さは、20cm前後あれば大丈夫です。
釣り方
まず、ペットボトルの中に水を半分以上入れます。空気が入っていることによって、万が一落下しても浮き上がるので安心です。投げるときには、片方の手でキャップが投げる方を向くようにペットボトルを持ち、もう片方の手ではオモリから糸が50cmくらい出ている状態にしておきます。あとは、下投げで斜め上に向かって仕掛けを投げます。
投げた後はペットボトルを立てた状態で、水辺から30cm以上離します。アタリがあると、ペットボトルがパタンと倒れます。引っ張られても、水が入っている仕掛けはその場に留まるので、巻き付けた糸が先に上手く放出されていきます。穴に潜られる前に取り込みたいので、ペットボトルへの巻き付けは後回しにして、糸を素早く手繰り寄せます。
ワンポイントアドバイス
釣りをする場所は、ぶっこみ釣りと同じようなポイントが狙い目となります。ペットボトル釣法の強味は量産のしやすさと機動力です。竿、リールを何セットも持つ労力を掛けずに何個もの仕掛けを手軽に投入できます。底を狙うので根がかりが付き物ですが、予備を持っておけば作り直すことなく釣りに復帰できるので、時合いを有効に活かせます。
その他のうなぎ捕獲方法
色々な釣り方をご紹介しましたが、他にも様々なウナギを狙うための捕獲方法が存在します。昔からある方法として、漁師のみが許可されている漁法や、日中の暗い穴の中に潜む習性を利用した罠があります。今に至るまで使用されている歴史を感じさせる捕獲の仕組みは、個人で釣りをする上でも非常に参考になります。
土筆(つくし)漁
川の中に竹竿を指して、そこに同じ仕掛けを無数につける釣り方を土筆漁と言います。竹竿に糸を結び付けた時の状態がつくしに見えることが名前の由来です。一本の糸に複数の針がついた仕掛けを石などのオモリで固定する置きばり漁とよく似ています。現在、川に仕掛けを設置する漁は禁止の場合が多く、許可を得た漁師のみが行える漁法です。
うなぎ筒
日中は暗い穴の中に潜むので、竹などで出来た筒状の仕掛けを置いておくと、中に入り込んできます。内部にエサを取り付けることができて、その匂いが水の流れに乗ることによって、うまくおびき寄せることができます。返しが付いているので、一度入ると抜け出せません。地域によって、色々なタイプの筒状の仕掛けが存在します。
うなぎの釣り方に関する記事はこちら
うなぎ釣りの注意点
非常に人気がある対象魚ですが、釣りを始める前に必ず確認しなくてはいけないことがあります。遊漁券が販売されている時は、支払わずに釣りを行うと違反者として取り締まりの対象となる場合があるので注意が必要です。また、小さいサイズが釣れた場合は、むやみに持って帰らずに、大きくなることに期待して逃がすようにしましょう。
漁業権の確認を
漁業権とは、漁業に携わる人を保護する為の権利で、不必要な乱獲がされないようにする秩序を守る為の抑止力ともなります。また、生態のことを考慮して、規制サイズ未満はリリースする決まりが設けられている場合もあります。遊漁料金が必要な場合には、支払いをしてから釣りを始めましょう。現地の方の見回りによる販売は、割高価格になります。
小さなものはリリース
いざ釣ることができるとうれしい気持ちになりますが、小型サイズの場合はより大きくなることに期待して逃がしてあげましょう。近年では、絶滅危惧種と言われているので、美味な食材であると同時に大切に守るべき資源でもあります。必要分だけを持ち帰ることを意識することで、将来の個体数増加につながります。
ウナギの生態に関する記事はこちら
うなぎの泥抜き方法
釣った後には、泥や消化器官内のものを出させることでより美味しく食べることができます。水の中でエサは一切与えずに、一週間程の時間をかけて泥抜きします。途中で水が汚れていたら、水を入れ替えて綺麗な状態を保ってください。水槽やクーラーボックス等の容器の他に、酸欠防止のためのエアレーションや脱走対策のふたが必要となります。
簡単に高級魚うなぎをゲットしよう!
意外と身近な河川に潜んでいるウナギを、ぜひ一度狙ってみて下さい。日中と夕方では、居場所や動き方が変わるので、時間帯に合った釣り方を選択する必要があります。状況に合った最適な仕掛けで釣りをすることで、出会える確率がぐんと上がります。また、お手軽、低価格で実用的な釣法としてはペットボトル釣法がおすすめです。
高級食材として扱われていて、食べた時は格別の味わいがするウナギですが、現在は絶滅危惧種に指定されています。小さいサイズの場合はリリースするなどして、大切な資源であることを意識することが重要です。簡単に釣ることができる魅力溢れるこの魚を、将来も変わらずに出会えるように大切にしましょう。