数々の不幸話がついて回りますが、全員が不幸に見舞われたわけではありません。桃天三人娘のうち、「大谷みつほ」と「三津谷葉子」、その後に出演した「デヴォン青木」の三名は今のところ無事です。呪いがあったとしても、製造販売会社も変わり、原料も変わりましたので大丈夫だと信じましょう。
桃の天然水に関する一連の出来事は都市伝説?
出演したタレントに降りかかった不幸な出来事は桃の天然水の呪いは都市伝説でしょうか?たしかに9人中6人が不幸にあっています。しかも6人中、神戸みゆき以外は全員がCMに出演したその年か、翌年に不幸にあっています。タイミングが不自然なほど良すぎます。これが呪いや都市伝説といわれる理由です。
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桃の天然水は発売中止になった!
次々とCM出演タレントが不幸に見舞われている桃の天然水ですが、桃の天然水自体も不幸な事件に見舞われています。1998年10月に自主回収をしているという報道が厚生労働省から発表されました。
桃の天然水が発売中止になった理由は?
1998年8月に製造された500mlペットボトル入りの製品にカビが混入していて、9月下旬に複数の販売店から「ペットボトルの中にカビのようなものが浮いている」とクレームがあり判明しました。約8万6,700ケースを9月29日から回収を始めました。
実際には、目視検査で一部にカビの混入を見つけていましたが、それ以外は問題なしとして出荷していました。しかし、問題なしとして出荷した商品からもカビ混入が見つかったため、あわてて回収したというのが現状です。
桃の天然水が販売休止へ JTが飲料事業を撤退
2015年9月末を目途に、JTが飲料製品の製造・販売を終了すると発表されました。桃の天然水はサントリー食品インターナショナルに譲渡されました。理由としては飲料業界全体が成熟し、拡大するには体力勝負が必要と判断したからです。
ブランドは譲渡しましたが、実際にはすぐに販売されるわけではありませんでした。2016年に復活するまで約1年間販売休止となりました。これにより事実上、呪いに終止符を打つことになりました。
桃の天然水は買ってはいけないの真相
呪いや都市伝説とは若干外れますが、桃の天然水にはもう一つ疑惑があります。「買ってはいけない」という本で取り上げられました。そのことも少なからず桃の天然水の呪いや都市伝説に影響しています。
桃の天然水は買ってはいけない?
「買ってはいけない」という理由は、糖分がたくさん入った飲み物にもかかわらず、天然水という誤解を与える名前だという事です。「天然水」だからと言って水がわりたくさん飲めば、ペットボトル症候群になります。ペットボトル症候群とは、清涼飲料水の過剰摂取による急性の糖尿病のことです。
もちろん、言いがかりに近いところはありますが、砂糖などの糖類が入っているのは確かです。ただし、ポイントは「過剰摂取」です。どんな食べ物、飲み物でも過剰摂取して良いものはありません。もっとも、過剰摂取となるラインはそれぞれだと思います。
桃の天然水は実際に大人気商品だった!
呪われているイメージのある桃の天然水ですが、タレントや商品自体の不幸で、一般の消費者に対して不幸が降りかかっているわけではありません。全盛期はもちろん大人気でしたし、現在もリニューアルして人気がある商品に間違いありません。
JT飲料内で年間販売数の記録を樹立!
1998年に華原朋美をCMに起用すると、年間1600万ケースの売上げを記録しました。その年に食品界でもっともヒットした商品に贈られる「食品ヒット大賞」も受賞しました。この記録は、JTの飲料商品における最高記録で、2015年にJTが飲料事業から撤退するまで破られることはありませんでした。
今では年間5000万ケースを販売している午後の紅茶も、桃の天然水と同じく1996年に発売されましたが、1998年にはおよそ500万ケースでしたので、いかに桃の天然水が爆発的ヒットだったかがわかります。現在もスパークリングやヨーグリーナの白桃など種類を増やしています。
現在まで続く新ジャンル確立
桃の天然水が爆発的なヒットを記録すると、各飲料メーカーがこぞって新商品を発売しました。キリンビバレッジの「サプリ」、「力水」やサントリーの「ビタミンウォーター」などが有名で、これによりニアウォーターと呼ばれる市場が確立されました。
その後、緑茶などに押されて一時衰退しましたが、2014年発売の「南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ」を皮切りに、2015年発売の「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」が大ヒットし、フレーバーウォーターとして再びブームとなりました。
人気の飲料は何!?みんなは何を飲んでいる?
桃の天然水とそのカテゴリーのフレーバーウォーターが人気商品であるのは理解していただいたでしょう。では、他のカテゴリーの飲み物はどのくらい売れているのでしょう。それぞれの飲料市場の状況を少し解説しましょう。
清涼飲料メーカーランキング
国内の飲料市場は成熟していて、飽和状態といえます。しかし、知名度は高く、身近なことから就職活動では人気です。そこで各メーカーは新しいジャンルの商品を開発したり、競合を買収したり統合したりして売上を伸ばしています。
コカ・コーラ
シェア27.6%で堂々の1位はコカ・コーラです。いわずと知れた炭酸飲料の「コカ・コーラ」を中心に、年間1億ケース以上を販売して長年トップを守ってきた「ジョージア」を主力にもつブランドです。ジョージアは2018年にサントリーの南アルプスの天然水にトップの座を奪われるまで1990年から28年間トップに君臨していました。
サントリー
シェア20.5%の2位です。 ジョージアからトップブランドの座を奪い取った「南アルプス」の天然水は2016年から1億ケース以上販売していました。水道事情が安心できる日本で一番飲まれている飲料が水だというのは驚きです。
サントリーは他にもコーヒーブランドの「BOSS」も1億ケース以上、お茶ブランドで「伊右衛門」が5000万ケース販売しています。1位のコカ・コーラは自動販売機のシェアが多いので2位に甘んじていますが2015年に桃の天然水をはじめJTから自動販売機事業も買収したので今後の動向に期待できます。
アサヒ
シェア12.9%の3位です。特別目立ったブランドはありませんが、コーヒーブランドの「ワンダ」、炭酸飲料の「三ツ矢サイダー」、「ウィルキンソン」、お茶ブランドの「十六茶」など堅調な販売実績があります。カルピスと連携して「カルピス」も4000万ケース以上の実績があります。
伊藤園
お茶市場に強い伊藤園がシェア11.0% で4位に入りました。緑茶市場のシェアは30%以上を誇ります。「おーいお茶」をはじめ、「ミネラル麦茶」などお茶飲料でシェアを稼いでいます。コーヒーではTULLY’Sブランドが売れています。
キリン
意外にもキリンはシェア10.5%で5位です。紅茶ブランドの「午後の紅茶」が5000万ケースと好調ですが、緑茶ブランドの「生茶」、コーヒーブランドの「ファイア」、「トロピカーナ」などの果実野菜飲料が2000万から3000万ケースと少し物足りない販売数となっています。
もっとも、キリンは飲料以外にビールのシェアがアサヒに次いで2位です。また、近年は医療・ケミカル事業に力を入れていますのでグループ全体でみれば他のメーカーとそん色ないほどのトップブランドです。
最近のトレンド
南アルプスの天然水がトップブランドになったとはいえ、コーヒー市場は堅調です。コンビニエンスストアで本格的なコーヒーが低価格で購入できるようになり、一時は危ぶまれました。実際、缶コーヒーは下降気味ですが、クラフトBOSSのようにボトルコーヒーが上昇しています。
緑茶をはじめとする茶系飲料も堅調です。各メーカーとも緑茶をリニューアルするなど、テコ入れして拡大を図っています。コーヒーにしても、お茶にしても一昔前より気軽に飲む機会が増えたということでしょう。
桃の天然水には有名な都市伝説が存在していた!
桃の天然水には数々の都市伝説がありますが、よく考えてみれば人間だれしも生きている中で、何らかのトラブルや不幸が起こっています。自主回収にしてもほかの飲み物や食品でもよく聞きますし、車のリコールなんて毎年のように報道されています。製造販売会社が手放すのもよくある話で、カルピスは会社ごとアサヒ飲料の子会社になっています。
桃の天然水の場合は、自主回収がヒットしている真っ最中だった点や、CM放送のタイミングと、タレントの不幸が見事にマッチしている点、さらには一人が時期はずれているものの亡くなっていることが都市伝説に拍車をかけています。しかし、三人は無事ですので、偶然のいたずらだと思いたいものです。