太刀魚のテンヤ釣りってどんな釣り?
重りとハリが一体化した仕掛けにイワシやアジ、サンマなどを付けて釣る釣り方です。普通の釣りのイメージですと餌を食わせて釣り上げるますがタチウオのテンヤ釣りは餌に喰い付いて来た魚を引っ掛けて釣り上げる釣り方です。
テンヤ釣りとは
太刀魚を釣る時に良く使われる仕掛けの事をテンヤと言います。鯛やタコなどもテンヤを良く使います。鯛は鯛テンヤ、タコはタコテンヤ、太刀魚は太刀魚テンヤとそれぞれ狙う魚の名前をつけて呼ぶ事が多いです。
テンヤ釣りの出来る場所
タチウオは昼間深場にいて日が落ちる頃、小魚を追って岸近くにやって来ます。乗合船など深場を狙える船でしたら昼間でも釣れるポイントは沢山あります。陸っぱりから狙うのであれば、外洋に面した港が狙い目になります。
テンヤ釣りの時期と時間
梅雨明け頃から12月くらいまでが良く釣れる時期ですが、冬から春にかけては数は釣れませんが船釣りで釣れます。夏頃から店頭で良く見掛ける様になりますが、9月10月が本当の旬と言える時期で魚屋さんには新鮮なタチウオがズラッと並びます。
立って泳ぐぜタチウオさん
タチウオさん達の棲み家は水深50mから100m前後の結構深い海です。日中でも光はかなり少ない所で小魚の群れを集団で待ち構えています。驚くのはこの人達(失礼魚でした)全員立って泳ぐのです。常に立って上ばかり見ているタチウオさん達です。
真珠の基だぜタチウオさん
日本刀のようなまばゆい輝きはグアニンと言う色素で覆われているからなんです。鱗は有りません。グアニンはなんと模造真珠や銀箔、マネキュアやアイシャドーなどに入っているラメの原料になっているんです。知らない人が多いので知ってると何処かで役に立つかもしれませんよ。
女が大きいタチウオさん
水族館では新しいタチウオを入れると前から居る方がナーバスになって死んじゃうほど神経質な魚なんだそうです。寿命は5から7年程で120cmくらい成長するのに5年は掛かると水産試験場が発表してます。産卵期は春先から初冬の11月までと長くメスの方が大きくなるんです。
太刀魚テンヤ釣りのテンヤとは何?
漢字で店家と書きます。一説には江戸の頃にこう呼ぶようになったそうです。江戸の頃の商家は住まいと店がひとつになっていました、この仕掛も重りとハリがひとつなのでいつの頃からかテンヤと呼ぶようになったと言う話が現代に伝わっています。
重りとハリが一体化した仕掛けですので魚のアタリもダイレクトに伝わって来ます。ジグヘッドをご存知でしょうか?ルアー釣りではポピュラーなアイテムですが、仕組みは全く同じです。テンヤは日本古来から伝わる漁師の智慧の結晶などです。
太刀魚のテンヤ仕掛けを紹介
タチウオは歯が鋭いので一般的な重りがあってその先にハリと餌が有るという仕掛けでは糸を切られてしまいます。そこで智慧を絞って考案されたのがテンヤ仕掛けです。タチウオテンヤを初めて見るとそのハリが大きいので驚きます。
太刀魚テンヤ仕掛け①:テンヤ仕掛け
一般的な釣り方では魚が餌と一緒にハリも飲み込もうとします。この時アタリが出るわけですが、タチウオは餌を飲み込むのでは無く噛み付いて来るので小さいハリでは掛からないので、ハリを大きくして噛み付いて来た瞬間に引っ掛けてしまうのです。
噛み付いて来たら瞬時に引っ掛ける。アタッたと同時に合わせないと殆んど掛かりません。この為に仕掛は出来るだけシンプルに、そして鋭い歯で噛み切られないようワイヤーを使っています。2種類ほど詳しくご紹介しましょう。
テンヤ仕掛けの詳細構造
リールからのライン(道糸)にスナップサルカンを付けます。その先にリーダーワイヤーを付けてワイヤーの先にテンヤを装着します。このようにとてもシンプルです。可能な限りトラブルを防ぐ構造になっています。画像をご参照下さい。
テンヤ仕掛けの特徴
フックが下向きについている事と餌を固定させる為の突起が付いている事が大きな特徴です。タチウオは獲物を見つけると下から獲物の腹辺りに噛み付いて弱らせてから捕食します。この捕食行動に合わせた形状になっています。
テンヤ仕掛けの釣り方
仕掛けをまず一旦底まで落とししてから1mくらい巻き上げ止めてまた巻き上げて止めるこの動作を繰り返します。アタリが有っても巻き続けると竿をグッと持っていく本アタリが有りますのでそこで大きく合わせます。
太刀魚テンヤ仕掛け②:胴突きテンヤ仕掛け
代表的な仕掛けにはもう一つ有りましてそれを胴突きテンヤと言います。人が多い乗合船などでは他の人の仕掛けと絡んでしまう事が良く有りますので使用禁止の所も有ります。仕掛けの事は必ず事前に確認して置く事が大事です。
胴突きテンヤ仕掛けの詳細構造
基本的な構造は変わりません。基本のテンヤ仕掛けの、ライン(道糸)とリーダーワイヤーの間にもう一つテンヤ仕掛けを付けてタコベイトと呼ばれる疑似餌を付けアピール力を高めて魚を誘う仕掛けです。画像を参照して下さい。
胴突きテンヤ仕掛けの特徴
単純にハリが2本になるので掛かる確率を上げるのが目的の仕掛けです。鋭い歯からもわかると思いますがタチウオはとても獰猛な魚です、しかも群れで行動していますので強烈にアピールして群れを寄せる力を発揮するのがこの仕掛の特徴です。
胴突きテンヤ仕掛けの釣り方
仕掛けの操作はテンヤ仕掛けと同じです。一度底まで落としてから1mくらい巻いては止めて巻いては止めてを繰り返します。巻き上げるスピードはその日の天候や潮流に影響されますのでスピードを調整しながらアタリ易い速さを探ります。
太刀魚のテンヤ仕掛けで使用する餌とその付け方を紹介
釣り船の現役船長さんが餌の付け方から順を追って詳しく解説してくれる動画です。餌の特徴とその餌のテンヤへの付け方も解説してくれていますので初心者にはかなり参考になると思います。じっくりご視聴下さい。
太刀魚テンヤ釣り餌①アジ
テンヤ釣りの餌は青物などのキラキラ光る魚ならなんでも良いです。それこそ塩サバの切り身でも良いですが、スーパーなどで売っている安くて新鮮なアジが手に入りやすくて便利です。テンヤの大きさにに合ったサイズの物が良いでしょう。
太刀魚テンヤ釣り餌②:イワシ
近年イワシが少なくなったと良く聞きますが、テンヤ釣りにはイワシもとても良い餌になります。冷凍物でも全く問題有りませんので、安い冷凍物を見掛けたら手に入れて置くと良いでしょう。また釣具店でも販売されている事が多いです。
太刀魚テンヤ釣り餌③:サンマ
サンマも同じく良い餌になります。特にサンマは独特の匂いがタチウオには良いようで好んで使う人も多い餌です。冷凍物でも生でも使えますので季節によってお手頃な価格の方を購入すれば良いでしょう。