もっともポピュラーである刺身の切り方である平造り。工程自体は、とても簡単です。包丁を入れたら、まっすぐに引き下ろします。包丁の根元から切り込んで、一回で切り終わるようにします。まぐろやかつおのような、柔らかい魚の弾力を残すことができる切り方です。
カンパチの刺身の切り方:そぎ造り
そぎ造りは、斜めに切っていくので、平造りよりも切った部分の面積が大きくなります。魚の旨味を味わいやすく、弾力や繊維が多い魚をおいしく食べる切り方でもあります。斜めに包丁を入れてから、そぐように引きながら切ります。包丁の刃元から刃先まで、刃を長く使って引いて切るのがコツです。
カンパチの刺身の切り方を動画で!
色々な方法をこの動画から、学ぶことができます。引き方は、一般的である平造りとそぎ造りの他に、薄造り、糸造り、松皮造りの五種類です。カンパチは平造り、そぎ造りが一般的ですが、身が新しくて弾力が強すぎる時には、薄造りや糸造りにすると丁度よい食感で味わうことができます。
Contents
カンパチのレシピを見てみよう!
わさび醤油をつけたカンパチを口に含めば、弾力のある身から旨味が弾けるように広がり、その瞬間はなんともいえない幸せな気持ちになります。そのままで食べても最高の味なのですが、アレンジをすることで、いつもとは違うおいしさを味わうことができます。定番の和食から韓国風、洋食まで、幅広くでご紹介します。
カンパチの刺身おすすめレシピ①刺し身
まずは、そのままの状態でシンプルに味わってみましょう。醤油とわさびがあればそれだけで十分に楽しめますが、ここでは一味違う食べ方を紹介します。醤油の代わりにポン酢、わさびの代わりにかんずりという唐辛子ベースの調味料を使うことで、いつもと違ったカンパチの刺身を味わうことができます。
材料
- カンパチ:適量
- 小葱:一束
- かんずり
- ポン酢
料理レシピ
- 刺し身は、薄く身を切っていく。
- 10cm幅くらいに、小葱を切る。切った後、シャキッとさせるために水にさらしておく。
- 皿に、刺身と小葱とかんずりを盛り付ける。
- 刺し身で小葱とかんずりを包んで、ポン酢をつけて召し上がる。
調理のポイント
かんずりは、新潟県妙高市に昔からある調味料です。塩漬けした唐辛子を雪さらしした後に、麹や柚子、食塩と一緒に3年間熟成させて作られています。辛さの中に、深い旨味が含まれているので、様々な料理にも合う薬味として活躍します。
カンパチの刺身おすすめレシピ②昆布締め
富山県の郷土料理である昆布締めは、身の水分を昆布が吸い込んで、さらに旨味が身に移るという二重でおいしくなる効果がある調理法です。しっかりと、両面を昆布で包み込んで、冷蔵後で寝かせましょう。刺身の量が多いときには、日本酒、塩、昆布で締めることによって、少し日持ちするようになります。
材料
- カンパチ(柵):適量
- 昆布:刺し身を両面で挟むことができる位の量
- 塩:適量
- 日本酒:適量
- 醤油(お好み)
- わさび(お好み)
料理レシピ
- カンパチの柵に、両面塩を振って10分くらい置く。
- 昆布を丁度いい大きさに切っておく。
- 10分後に、柵両面を昆布ではさみ込む。
- ラップで空気が入り込まないようにきつく巻く。
- 冷蔵庫に入れて、半日から一日置く。
調理のポイント
少し厚みがある6~7mm位で切ると、昆布の風味を程よく感じながら美味しく食べることができます。塩を振ってあるので、加減によってはそのままでも美味しいく食べることができます。鮮度にもよりますが、昆布締めすることによって、刺し身の賞味プラス1日~2日は持つようになります。
カンパチの刺身おすすめレシピ③なめろう
漁師料理として有名ななめろうは、味噌と薬味を加えて、細かく叩きながら混ぜ合わせる料理です。粘りを持った食感と、味噌と薬味の合わさった風味がなんとも言えません。この料理でよく使われる魚はアジですが、適度な脂と歯ごたえがあるカンパチとも相性がいい調理法です。
材料(2人分)
- カンパチ:1/2柵ほど
- 味噌:約大さじ1
- 青じそ:2枚
- ねぎ:1/2本
- しょうが:10~20グラム
料理レシピ
- 青じそ、ねぎ、しょうがを細かくみじん切りにする。
- カンパチは、一度細切りにしてから、向きを変えて切って粗みじんの状態にする。
- 粗みじんの状態になったら、叩くように包丁を動かして細かくしていく。ある程度細かくなったら、味噌、刻んだ薬味を加えて混ぜこむ。
- 時々混ぜ合わせながら、粘りがでるまで叩いて完成。
調理のポイント
味噌を入れる時には、一度に全部入れずに、2,3回に分けて入れて塩加減を上手く調整しましょう。薬味は、2,3種類使うことで風味豊かになります。万能ねぎやみょうが、にんにくなどの薬味でお好みのなめろうを作ってみて下さい。味噌自体にも、色々な種類があるので、そこでアレンジをするのもまた一興です。
カンパチの刺身おすすめレシピ④キムチ和え
韓国風にアレンジすることで、旨味と辛味が合わさったご飯やお酒が進む一品となります。ピリッとした辛さが加わることによって、刺身で食べるカンパチとはまた違った味を楽しむことができます。キムチがあれば、簡単に作ることができる料理なので、ぜひ一度お試し下さい。
材料(2人分)
- カンパチ:約100グラム
- キムチ:100グラム
- 醤油:小さじ1
- ごま油:小さじ1
- 万能ねぎ:適量
- 炒りごま:適量
- 刻みのり:適量
料理レシピ
- 万能ねぎを細かく刻んでおく。
- カンパチを一口で食べれるくらいの大きさにする。
- ボウルに、切り身、キムチ、醤油、ごま油を入れてよく混ぜる。
- 器に移して、万能ねぎ、炒りごま、刻みのりで盛り付けをする。
調理のポイント
キムチと和えるだけで簡単にできてしまう料理ですが、唐辛子による辛さと魚が持っている旨味のハーモーニーが、やみつきになります。万能ねぎ、ごま、刻みのりでトッピングすることで、韓国料理の雰囲気に近づいて見栄えがよくなるのに加えて、味のアクセントにもなります。
カンパチの刺身おすすめレシピ⑤カルパッチョ
イタリア料理のカルパッチョは、もともと生の牛ヒレ肉を薄く切ったものにチーズ、ソース、調味料を合わせた料理です。実は魚を使ったカルパッチョは、日本のレストランから生まれました。生の牛ヒレ肉の代わりに刺し身を用いたカルパッチョは、手軽で美味しく作れるので、あっという間に日本人になじみがある料理となりました。
材料
- カンパチ:適量
- ミョウガ:1個
- 万能ねぎ:適量
- ポン酢:適量
- オリーブオイル:適量
- 塩、こしょう:適量
料理レシピ
- カンパチを刺し身を薄く切る。
- 切り身を器に盛って、軽く塩、こしょうを振る。
- 刻んだミョウガ、万能ねぎを切り身の上に載せる。
- オリーブオイルとポン酢をよく混ぜ合わせてから、全体にかける。
調理のポイント
カンパチの身は薄い方が野菜と一緒に食べやすいので、目安として刺身の1/3位の厚さに切ります。野菜は、見栄えがよくなる薬味をチョイスして下さい。水菜、カイワレ大根、ルッコラなどの他に、トマトを添えると彩りがより一層豊かになります。野菜を一緒に美味しく食べることができる健康に優しいレシピです。
余ったカンパチの刺身はリメイクを!
食べきることができずに余ってしまった場合は、加熱して手を加えることで、生の状態とは違う新しい料理へと変化します。鮮度がいい生で食べれる素材なので、加熱調理しても絶品なのは言うまでもありません。色々な調理法を知っておくことで、より一層カンパチという魚を味わうことができます。
カンパチの刺身おすすめリメイクレシピ3選
ここでは、和食レシピ3選を紹介します。簡単に作ることができるものをピックアップしたので、気軽に食事のメニューに取り入れることができます。軽い朝食のお供から夕食のメインまで、出番は豊富にあります。
カンパチリメイクレシピ①照り焼き
まずは、主菜として活躍できる照り焼きを紹介します。カンパチの脂と、醤油ベースの甘辛い味付けは、相性が非常にいいです。大量に作っても、ご飯がすすむおかずなので、あっという間になくなってしまうかもしれません。
材料(2人分)
- カンパチ(柵):120グラム
- サラダ油:適量
- 塩、こしょう:適量
- ★醤油:小さじ1
- ★みりん:小さじ1
- ★調理酒:小さじ1
- ★砂糖:小さじ2
- ★しょうが:適量
料理レシピ
- 柵を、1cmくらいの厚みに切り分ける。
- 塩、こしょうをして下味をつける。
- フライパンにサラダ油を入れて、熱くなるまで待つ。
- 切り身を並べて置いて、こんがりと焼き色がつくようにする。
- ★を混ぜ合わせてからフライパンに投入して、身としっかり絡める。
調理のポイント
焼いている時に、すぐに動かしてしまうときれいな焼き色がつかないので、フライパンに置いたら一定時間そのままにしましょう。砂糖を含んでいるたれはとても焦げやすいので、水分が少なくなったら弱火に調整して均等に加熱するようにします。
カンパチリメイクレシピ②しゃぶしゃぶ
冬の時期の脂が乗ったぶりの身を薄く切って、しゃぶしゃぶのようにして食べる料理があります。通称、ぶりしゃぶです。程よく脂が乗ったカンパチでしゃぶしゃぶをしても、本家に負けず劣らず美味しく頂けます。加熱することによって、とろける脂の旨味が、やみつきになります。
材料(4人分)
- かんぱち(柵):500g
- にんじん、しいたけ、長ねぎ、白菜などの野菜:適量
- だし昆布:5cm
- 水:4~5カップ
- 酒:1/4カップ
- 塩:小さじ1
- ポン酢:適量
- 薬味:適量
料理レシピ
- 野菜を食べやすい大きさに切る。
- かんぱちを薄く切る。4mmくらいの厚さにする。
- 鍋に、だし昆布、水を入れて、沸騰したら酒と塩を加える。
- 野菜を加えて火がある程度通ってから、身をしゃぶしゃぶする。
- ポン酢につけて、頂く。お好みで薬味を入れる。
調理のポイント
柵には背身と腹身がありますが、脂が多い腹身が断然おすすめです。中心部に丁度火が入った所でお湯から上げると、柔らかい状態で美味しく食べれます。火を入れすぎると、固くなるので注意しましょう。ポン酢の薬味には、しょうが、万能ねぎ、唐辛子などを合わせて下さい。
カンパチリメイクレシピ③味噌汁
身を入れることで、普段よりもリッチな汁物になります。アラ汁の骨付きの身よりも食べやすいので、小さなお子様がいるご家庭でも取り入れやすいレシピです。野菜と薬味を一品ずつ入れると、彩りがよくなります。ご飯と一緒に食卓に並べれるので、あらゆるタイミングで活躍します。
材料(2人分)
- カンパチの刺身:10~20切れ位まで
- 水:400ml
- 味噌;大さじ1
- ほんだし:小さじ1
- えのき:40グラム位
- しょうが;適量
- 三つ葉:適量
料理レシピ
- えのき、三つ葉を丁度いい大きさに刻んで、しょうがは細く切る。
- 水を沸騰させたら、ほんだしとえのきを入れる。
- えのきが加熱されたら、次に刺身を入れて軽く白っぽくなるのを待つ。
- 味噌を溶きながら入れてから、沸騰させる。
- 器に盛って、三つ葉、しょうがを入れれば完成。
調理のポイント
元々、生で食べることができる身です。なので、丁度中心まで火が通ったくらいにして、柔らかくてふっくらした身に仕上げましょう。ほんだしを使ったレシピですが、あらがある場合は、それでだしを取るとカンパチの味を堪能することができます。他の、カンパチのレシピが気になる方は、こちらをどうぞ。
カンパチの最大サイズは?
関東では80cm以上になって初めて、カンパチと呼ばれます。1m以上のサイズも珍しくないこの大型魚は、一体どれくらい成長するのでしょうか。国内で、いままでに全長190cm、重量70kg以上の良型が確認されています。数字だけ聞いても想像がつかない、モンスタークラスです。この先、更に大きなカンパチが出てくるかもしれません。
カンパチに詳しくなって刺身を楽しく食べよう!
歯ごたえ抜群で、程よく脂がのった身は、生の状態で非常に美味しく食べることができます。もし、余った場合には、加熱することで別の美味しい料理へと変化します。紹介したメニューを参考に、思う存分カンパチの刺身を堪能して下さい。