ウェア内で発生した汗が蒸発して水蒸気となることで、ゴアテックス・メンブレンの穴を抜けることができるサイズになると、自動的にウェア内から排出され、内部の湿度が上昇することを防いでくれます。
防風性
ゴアテックス製品といえば、高い防風性もその特徴の一つとして挙げることができますが、この高い防風性を支えているのもゴアテックス・メンブレンなのです。無数の穴が開いているゴアテックス・メンブレンに高い防風性があるといってもピンと来ないかもしれませんが、実はこの微細な穴が空気の流れをコントロールしているのです。
そもそも風というのは一つの「空気の塊」として体にあたることによって風として感じられます。ゴアテックス・メンブレンにあたった風は、無数の穴によって、空気の塊ではなく、「微細な空気の流れ」となるため、風として人間に認知されなくなるのです。
ゴアテックス製品の種類は?
ゴアテックスの製品は、アウターの場合3つに分類することができます。最も一般的なゴアテックス製品に加えて、より各々のシーンに特化した製品となっているので、アイテム選びの際の参考にしましょう。
ゴアテックス・プロダクト
ゴアテックスの製品の中でも最もベーシックで汎用性が高いものです。「ゴアテックス」という名前の付くアウトドアウェアの中でも特に一般的なラインナップを指しています。高い機能性があり、多様なアウトドアシーンで活躍させることができるので、一般的なアウトドアでの使用を考えているのならこちらがおすすめです。
ゴアテックス・プロ・プロダクト
上記の一般的なゴアテックス・プロダクトよりもさらに耐久性を高めることによって、よりハードなアウトドアシーンを想定して開発されている製品です。耐久性だけではなく透湿性も向上しており、より本格的なアウトドアに取り組みたい方にはこちらの方が向いています。
ゴアテックス・アクティブ・プロダクト
プロとは異なり、スポーツなどでの使用を想定して開発されている製品です。3種の中で最も優れた透湿性脳を持っており、激しい運動の後でウェア内が蒸れても、内部の蒸気を効果的に排出してくれます。また、スポーツシーンを想定しているということもあり、軽量化も図られている製品でもあります。
ゴアテックスの手入れ方法
ゴアテックスは他のレインウェアと比べると高価な部類のウェアに入ります。そのため、なるべく長く大切に使いたいところですね。ゴアテックスの製品とは言えど、使用しているうちに諸性能のパフォーマンスが低下することは当然あり得ますので、お手入れを徹底することが大切です。
普通に洗濯機で回して大丈夫
多くのアウターやアウトドアウェアなどは洗濯機で洗うことができます。ゴアテックス製品も同様。皮脂や大気中の汚れが付着している状態で長期間使用していると、撥水性能や透湿性などといった性能のパフォーマンスが落ちてくる場合があります。そのようなパフォーマンス低下の原因となる汚れは、定期的に洗濯することで取り除きましょう。
アイロンをかけるのが重要
ゴアテックスの撥水性能を回復させるために重要なポイントは、生地をしっかり乾燥させることです。乾燥機を使うなどして温風乾燥させるのがベストですが、乾燥機が使用できないときなどは、ウェアに当て布を当てた状態で、「低温・スチーム無し」のアイロンをじっくりと時間をかけながら当ててあげましょう。
撥水剤の使用もおすすめ
なお、洗濯による汚れの除去、乾燥器・アイロンがけによる乾燥によっても撥水性が回復できなかったという場合には、市販されている撥水剤を使用した撥水加工処理も奨励されています(GORE-TEX SHAKEDRY™ガーメントは対象から外されていますので注意)。撥水剤の使用については製品の使用方法を遵守しましょう。
ゴアテックス以外のレインウェアの素材とは?
ゴアテックスは非常に優れているレインウェアですが、やはり価格の高さはネックですね。アウトドアウェアは様々なメーカーから出ていますので、ゴアテックスがほしくても値段が高いからちょっと手が出せないと悩んでいる方にはこちらを選ぶという選択肢もありますよ。
パタゴニア H2Noパフォーマンス・スタンダード・シェル
パタゴニアで独自開発されている透湿防水素材です。生地は2層、2.5層、3層のものがあります。いずれも高い防水性、透湿性を兼ね備えており、3層構造のものになると、表面の撥水シェル素材と防水透湿性のメンブレンに加えて、肌触りの良いニット生地を組み合わせて快適に着こなすことができるようになっています。
ポーラテック ネオシェル
ソフトシェルのように優れた通気性と伸縮性がありながらもハードシェルの防水性能を兼ね備えている、ポーラテック社の高機能素材です。ネオシェルは二方向の通気性を持っており、水蒸気を直接外部に放出することができるので、通常のウェアよりも、内部を快適に保つことができます。