保護後、兵士達と共に暮らすようになったヴォイテクは周りの人間を真似するように育っていきました。普通の熊とはちがって二足歩行で生活したり、兵士と同じように敬礼をすることもありました。そして、テントの中で人間と共に眠っていたりとまるで人間かのように振る舞うシーンも多く見られたと言われています。
レスリングやボクシングで遊んだりもした
兵士仲間と一緒に遊ぶことが大好きで、レスリング・ボクシングのように体と体をぶつけ合うような遊びも力を加減しながら楽しんでいました。クマのパワーで本気をだすと人間はかなわないのが本来の姿ですが、実際にはわざと兵士に勝たせるように力を抜いて遊んだこともあったのです。
お酒やたばこを好んだ
人間に育てられた子熊は兵士達のまねをしていたのか、趣向品のアルコール飲料やたばこなども嗜んでいたといわれます。ビールはご褒美として与えられていたようですが、タバコは吸うのではなくそのものを食べて楽しんでいたようです。いつしかそのタバコは彼のご褒美となり与えられるととても喜んだのでした。
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「伍長」にヴォイテクが任命
戦時中(1944)に所属していた陸軍部隊がイタリアへと配置されます。その際に共に育った子熊を一緒にイタリアへ連れていくには「兵士」として軍へ登録しなければいけませんでした。軍隊は彼と常に一緒にいられるように部隊の一員として正式に「伍長」として兵士登録するという機転を働かせたのでした。
伍長となったヴォイテクの仕事内容
伍長として任命された兵士と共に成長してきたクマは、人間では運ぶのが大変だったとても思い追撃砲の弾丸が入っているクレートを運ぶように教えてられました。彼が、熊なりに軍隊に貢献できるようにと考えられてのことでした。
ヴォイテクの働きぶりはとても役立った
実際に、人間よりも力持ちの熊がいたことで兵士たちの作業も軽減され助かっていたと言われています。それ以外にも、子熊の頃から育てている彼の存在が人々の唯一の心の癒しであったとも言い伝えられています。
実はヴォイテクは怠け者だった?
そんな戦争中でも可愛らしくとても力持ちだったマスコットのような存在だったのですが実は人間味あふれるところも沢山あったと言われています。普通の人間と同じような行動が見える瞬間が彼の愛くるしさを感じさせる時でもあったのです。