原作の内容についてを簡潔な形ではありますがご紹介しました。もし自分が同じように何か別の形で金が欲しいと願っていたならば、どんなことになってしまっていたかなど考えたくもないかもしれません。願いに大小が必要であるということはここまででお分かりいただけたでしょうが、まだお話には続きがあります。
息子をよみがえらせようとして…
思わぬ形で望んだ金が手に入り、そして大きな代償を支払ってしまった老夫婦は、悲しみの中で息子を生き返らせてほしいと手に願います。そしてその願いは聞き届けられ深夜に家の戸を叩く音が響き、2人は息子がよみがえったのだと喜びます。
しかし、ここで片方が冷静になりました。息子はすでに亡くなって墓の中。もしそれがそのままでよみがえったというのであれば、今戸を叩いているのは死体、所謂ゾンビではないかと。結末が恐ろしくなった旦那が息子を元に戻してくれと願うと、戸を叩く音はぴたりとやみました。
対価が描かれていない
1つ目の望みの中では対価がしっかりと描かれており、それがもとで2つ目と3つ目の願いを実現させてはいましたが、2つ目と3つ目の望みを実現させた時にはどんな代償を支払ったのかが描かれていません。もし描かれていたならば、どれほど大きな対価だったのかは想像できません。
原作には少し無理があったかも?
このように原作の中では、普通に暮らしていた人たちが少し高望みをしたところ、息子を失うという大きな対価を払うことでまた平穏な日常に戻ったわけです。しかし、このお話の中ではちょっと無理に繋げたところがあるのではないかという読者の方もいるようです。
何故手を持ってきた?
それが、なぜこの家に軍人がそのアイテムを持ってやってきたのかということです。渡す相手であれば古い知り合いでなくとも他にいたはずです。まあそんなことを言い出してしまえばきりがありませんので、完璧な作品というのもありませんからそれはそれでよいのではないかという声もあるようですが。
嫌な読後感が癖になる!イヤミスについてはこちらをご覧ください
猿の手は願いが叶うアイテムの暗いパロディ
登場する原作の中でどんな風に描かれているか、あらすじを簡単にではありますがご紹介しました。最初の概要でもご紹介しましたが、この手が万能の願望器などではないということは自分の望まない形で望みを実現させるという点からお分かりいただけたかと思われます。