クリスタルスカルの伝説を検証!謎に包まれたオーパーツ、その全貌に迫る!

オーパーツなのではないかと話題になったクリスタルスカル。しかし2008年に入り、謎は急展開を迎えます。髑髏が古代文明の遺跡で出土したという今までの話を覆す調査結果が発表され、髑髏は偽物ではないかという疑惑が浮上したのです。検査は技術力の優れたスミソニアン研究所で行われました。

ヘッジスのクリスタルスカル

発見された水晶髑髏の中で最も知名度の高いヘッジス・スカル。しかしスミソニアン研究所で電子顕微鏡検査を用いた精密検査が行われた結果、なんとそれまで一切ないと言われていた近代の機械加工の跡が見つかりました。さらに立て続けに新事実が発覚していきます。

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ヘッジス氏の探検に同行したはずの人物が、水晶髑髏発見の話が初耳だったこと、発掘の証拠となる写真も一枚も残されておらず、そもそもスカルが発見された時期にヘッジスたちは全員イギリスに帰っていて遺跡に行けるはずがなかったこと、また彼が1944年に美術商から髑髏を購入していたことが分かりました。

つまり、アンナ氏が遺跡で水晶の髑髏を発掘したことを裏付ける証拠が何もなかったのです。後に、ヘッジス氏が美術商から水晶髑髏を購入したという話について尋ねられた彼女が否定の言葉を口にしなかったので、髑髏がマヤの遺跡で見つかったものではないことがほぼ決定的になりました。

大英博物館とケ・ブランリー美術館のクリスタルスカル

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ヘッジス・スカルの他に有名なものとして「ブリティッシュ・スカル」、「パリス・スカル」があります。どちらも古物商のユージン・ボバン氏が所有していたもので、彼が「アステカの遺跡で出土したものだ」と主張していました。しかしこれらも調査の結果ヘッジスの髑髏と同様に遺跡から発掘されたものではありませんでした。

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ブリティッシュ・スカルは現在イギリスにある大英美術館に展示されています。回転するカッターのようなものやドリルによる加工跡が見つかり、19世紀後半にドイツで制作されたものだと判明しました。さらに含有物の調査も行われ、使われた水晶がマダガスカル産であることも分かりました。

パリス・スカルは現在フランスのケ・ブランリー美術館が所蔵しているものがあり、頭蓋骨の頭頂部から底まで穴が垂直に空いているのが特徴です。こちらも調査の結果、表面に機械のかすかな加工跡が発見され、上記のブリティッシュと同様に19世紀後半に制作されたものだと判明しました。

クリスタルスカルは映画・アトラクションにもなっている

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水晶の髑髏はその話題性と神秘性から、現代で映画や有名施設のアトラクションにもなっています。その中で代表的なものをご紹介します。気になった方は、水晶髑髏の世界をより深く知ることができるのでぜひともチェックしてみてはいかがでしょうか。

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