リョコウバトが絶滅してしまった悲しすぎる理由とは?復活の鍵はDNAに

「大群の影響で空が暗くなった」とか「リョコウバトが埋め尽くした重みで木が折れた」といった逸話もあるほどで、おそらくは動物特有の臭いも相当なものだったに違いありません。現に大量の糞による悪影響はリョコウバトが駆除に値する害鳥として捉えらるきっかけにもなっています。

リョコウバトの絶滅理由②肉が美味しい

鳥肉の中でも独特の臭いがあり、クセが強いとされるのがハトの肉です。その一方でアメリカの先住民族たちにとっては貴重な食料で、さまざまな方法で美味しく調理されていたこともリョコウバトの絶滅理由のひとつと考えられています。

リョコウバトは美味しかった

数が豊富で身近に入手できる存在であったリョコウバトは、筋肉が程よく発達し旨味を持つ食材であったとも言われます。生食はもちろん燻製や臭みを抜くためのスパイスを駆使するなどして食されましたが、やがてはその肉も余るようになり最終的には家畜のエサとして始末されるほどになりました。

意外と知らない?現代に通じるハト食の文化

人間がハトを食用としていた歴史は古く、古代エジプト文明にまで遡ることができます。味の良さで人々の舌をうならせたリョコウバトの絶滅以降もハト食の文化は世界中に残っており、現代の日本でもハトをおいしく食すための料理法は紹介されています。

ハトの美味しいレシピ①エジプト編

ハトを最も古くから食していたであろうエジプトでは、伝統料理のひとつとして現在もハトの料理が作られています。中にはハトの肉を高級食材として扱う店もあり、1羽丸ごと使うなどダイナミックな料理も有名です。

ハトの美味しいレシピ②フランス編

フランスではウサギなどと並び好まれているのがハトの肉です。ピジョン(=鳩)料理として人気のメニューは、ソテーや煮込みを中心にハーブなどを効かせているのがポイントで美食家たちの舌を満足させています。

ハトの美味しいレシピ③アジア編

アジアの中でもハトを好んで用いているのが中国の広東料理です。広東料理はゲテモノを美味しい一品に仕立てることでも定評があり、ハトはから揚げやスープなどによく使われています。また、日本でも注目されているジビエ料理ではハトの肉を和風にアレンジした食べやすいメニューに人気があります。

リョコウバトの絶滅理由③繁殖力の低さ

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リョコウバトが絶滅してしまった理由の中で唯一人間と関りのない部分が、この種が持っていた繁殖の特徴です。その実態を知れば知るほど、数十億羽にまで増えたことすら奇跡に近いと感じることでしょう。

リョコウバトの産卵は1年に1度

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ハトは1回の産卵で複数の卵を産むことが一般的です。しかしリョコウバトは1年のうち1回しか産卵せず、卵の数もわずか1個しか産むことができない鳥でした。乱獲による数の減少が加速する中で個体数の回復がいかに困難であったかおわかりでしょう。

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