フィラデルフィア実験は本当にあったのか?おぞましい結果と米政府がひた隠しにする実験内容

科学者の一生を見てみると晩年は目に見えないものに没頭する傾向があります。彼らは人類の誰も知らない・解らないから出発し、仮設を立て、それを証明するために実験器具を作って実証する、というのがライフワークですから一般人から見ればオカルト的なことでも彼らから見れば未知=研究対象なのです。

国家機密「フィラデルフィア実験」がなぜ漏洩したのか?

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さて、話を戻しこのブロックではなぜ国家秘密だった消磁実験が漏洩してしまったのかを掘り下げていきます。本来であれば国家機密は漏洩しないように、厳重に周りを固めるはずです。しかし一通の手紙からこの情報が漏れてしまったのです。

「カルロス・マイケル・アレンデ」からの手紙

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この実験の情報源をたどっていくとモーリス・ジェサップという天文学博士(兼小説家)のもとにカルロス・マイケル・アレンデと名乗る人物から手紙が届いた事が発端です。そこにはフィラデルフィアの実験についてもほぼ全てが暴露されていました。それを本として出版したのが初出です。

ジェサップ博士の謎の自殺

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この実験の書物を出し、広く世に広めたジェサップ博士は自殺してしまいます。車のマフラーとホースを連結させ、密室にした車内に排気ガスを入れて一酸化炭素中毒死を起こしてしまいました。これは他殺であっても簡単に自殺に見せかけることが出来るため、多くの陰謀論者が殺されたのだと主張しました。

ムーアとフランクリン・リノ博士

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フランクリン・リノ博士とはアレンデの告発の手紙に登場した人物で、アレンデの実の友人でもあります。リノ博士は今回の争点であるフィラデルフィアでの消磁実験に参加していました。そこで彼の大捜索が始まりましたが、一向に見つかりませんでした。

しかし一人だけ彼と会い、真実を聞いたと主張する人物がいます。それがウィリアム・ムーアです。ムーアによれば、フランクリン・リノとは偽名であって本名は絶対に明かせないというのです。リノ博士が見つからなかった理由がここで明白になりました。

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ムーアはリノ博士と実の友人であったこと、また、消磁実験に参加していた科学者はその殆どが偽名も使いこなし手がかりは残さない人物たちばかりだ、と述べています。ムーアはその後書籍を出版しました。他にもアレンデと実際に合うなど消磁実験の情報公開に貢献しました。

アレンデは稀代の詐欺師か真実の告白者か?

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また、手紙の差出人であるアレンデの周辺情報はコロコロと変わって矛盾が多いという調査があります。消磁(フィラデルフィア)実験の書物の中では、告発者であるアレンデは自身の手がかりを何も残さない謎の人物であり追跡や特定は困難とありました。しかも実際に差出人の住所を訪ねたが、全く手がかりがつかめなかったとさえ書いています。

しかし後の調査で判明したのですが、手紙の差出人の住所は実際に実在しており、そこにはアレンデの家族が住んでいました。そこでアレンデの弟に事の顛末を話すと、不思議そうに最近引っ越してきたわけでもなく、近所の人は自分の家を知っているので簡単にたどり着けたはずだ、と話しています。

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フィラデルフィア実験はアレンデの告発の手紙から、それを書籍にしたことで漏洩しました。この書籍にするステップで作家がアレンデのことを脚色しているのが明らかになっています。よってこの書籍をどこまで信用して良いのか、という根本をゆるがす問題が発生してしまいました。

また、アレンデ自身も当時名の売れていたUFO研究団体に詳細情報を販売しようとしていました。そして別の人からインタビューを受けるのですが、話をごまかしたり、コロコロと発言内容を変えてしまっていました。その場にいた人がざわつけばやっと話に具体性を持たせるという感じでした。

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しまいには、フィラデルフィア実験の事を否定してしまいます。その後数分で否定を否定。コロコロと変わる証言も彼の印象を悪くしてしまい、アレンデの信用は失墜しました。全てが嘘だったのでしょうか。世間を賑わせた実験とあって、しばらくして違う証言者も出てきます。それが次のブロックで取り上げるエドワード・ダッジョンです。

エルドリッチ乗組員「エドワード・ダッジョン」の告白

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ここまで情報を整理してみて、単なる告発の手紙から書かれた初出の書籍を盲信してはいけないという状況まで説明しました。しかしながら、全てが嘘だったのかと言われればそうではないのです。実際にフィラデルフィア実験に参加したと証言する元海軍の乗組員が現れます。彼の名は「エドワード・ダッジョン」と言います。

彼は技術者であったため、話の具体性を検証するとすぐに信頼できる人物だということがわかりました。 瞬間移動があったとされる実験の告発では計器は全て故障したとあります。しかし軍の公式記録でも計器の故障などはなく実験のあった1943年の後も戦艦「エルドリッジ」は活躍しており、こういった事で彼の信憑性があがっていきます。

フィラデルフィア実験は「消磁実験」だった

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ダッジョンによると、フィラデルフィア実験は消磁実験として実際に行われていたというのです。そこにはテレポーテーションは起こっておらず、人体の消失や自然発火などの怪奇現象も起きていいませんでした。この記事の話が二転三転しましたが、ここで「レインボープロジェクト」は実在した、という内容にに戻っきました。

少しだけまとめます。この実験の発端はレーダーに捕われないようにする研究「レインボープロジェクト」でした。その実験の一つで予想外の結果が起きてテレポーテーションが起きたというのがこの話の流れです。テレポーテーションや消失ではなくレーダーからの”見えない”だけがレインボープロジェクトの目的でした。

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当時の話として、海軍の関係者の間では休憩時間さえあれば、この実験が成功すればレーダーや磁気機雷から見えなくなるという話題でもちきりでした。つまりレーダーや磁気機雷から認識できないという意味の”見えない”だったものに尾ひれが付き、話が広まって行ったのがこのテレポーテーションが起きたフィラデルフィア実験なのです。

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