アオバアリガタハネカクシの体液は毒!やけどに似た症状や処置方法もご紹介

「アオバアリガタハネカクシ」を誤って潰して触ってしまうと、やけどに似たミミズ腫れの症状を起こします。別名「やけど虫」といい、日本中を生息地にしています。この記事ではアオバアリガタハネカクシの画像、生態・特徴、対処法、侵入対策など解説しています!

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アオバアリガタハネカクシの画像

まずは、画像を見てみましょう。この特徴的な色彩の虫が、アオバアリガタハネカクシです。「アオバ」は青緑色の前翅に由来します。また、「アリガタ」とあるようにあくまで姿形がアリに似ているだけであって、アリ科に属する昆虫ではありません。

アオバアリガタハネカクシってどんな虫?

「アオバアリガタハネカクシ」という何だか早口言葉みたいな名前を、この記事で初めて目にしたという方も多いのではないでしょうか。硬い前翅の下に後翅を隠しているため、“翅隠し”という名前がつけられました。

別名「やけど虫」

体液に有害な物質を有しており、接触すると発疹や水ぶくれ等の症状を引き起こします。その症状が火傷を負ったときのそれと似ていることから、「やけど虫」という別名がつけられました。地方によってはこの発疹を「ヤモリの尿によるものだ」とした俗信があり、そのためこの症状は俗に「ヤモリのしょんべん」と呼ばれていました。

生態・特徴

オレンジ色と黒色の体に、青緑色の前翅を持ったよく目立つ姿をしています。大きさは5~20ミリ程度で、ぱっと見には甲虫に見えません。「ハネカクシ」という名前通り翅をコンパクトに畳んでいますが、こうすることで狭い所を通り抜けられるメリットがあります。

「体液に毒を持っている」という情報から、エサを求めてヒトに近付いたり、家屋に浸入して来るのではないかと懸念される方もいるかもしれません。ただ、この昆虫は雑食性であり、ウンカやヨコバイなどの虫を捕食しているため、エサを目的としてヒトに近付く、家屋に入って来ることは通常ありません。

発生する時期

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成虫は5月~10月にかけて見られますが、最も数が増えるのは梅雨~夏にかけてです。卵は主に土中、キノコ、落ち葉などに産み落とされ、3~19日程度で孵化し、幼虫となります。幼虫はを小さな昆虫などをエサとし、成虫と同じ場所に棲息します。幼虫から10~50日程度でサナギになった後は、3~12日後に羽化して成虫となります。

アオバアリガタハネカクシの生息地

アオバアリガタハネカクシの生息地は、南北アメリカ大陸を除く世界各地に及ぶと考えられています。では、具体的にはどういった環境を好みとして、生息・繁殖しているのでしょうか。以下に解説していきます。

世界中に存在する

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ハネカクシ科はとても種類が豊富で、確認されているだけでも2万種類以上が存在しています。これは昆虫の中でも最大の科の一つとして挙げられています。科に属するものの多くは身体に凹凸があり、鮮やかな色合いのものから、明るい色の体毛に覆われたものもいます。これらはすべて前翅が短く、腹部が露出しています。

食性としては、肉食もいれば菌食もいる多様な生態です。花に群がるものからを海岸の岩場を棲み処とするもの、アリやシロアリと共生するものまでおり、いまだ詳しく解明されていない点も多くあります。

湿った場所に多い

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生息地は日本全国に渡ります。平野部の池や河川、水田など湿度の高い環境を好む他、土中、キノコ、落ち葉、腐った植物、動物の死体などあらゆる所に生息しています。また、多くの昆虫同様光に集まる習性があるため、家の電灯や街灯などに引かれて飛来することもあります。

アオバアリガタハネカクシの毒の症状

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アオバアリガタハネカクシの体液に接触後、処置をしないまま数時間~1日が経過すると、痛みを伴う発赤が現われます。これは、通常皮膚に止まったこの昆虫を払いのける際に体を潰すことで生じるため、皮疹が線状を形成することが多く、「線状皮膚炎」と呼ばれています。そのまま数日が経過すると水疱など火傷に似た症状が形成されます。

アオバアリガタハネカクシは刺さない!

「体液に毒のある虫」と聞くと、毒針をもったハチなどのイメージが強いことから「刺される」と誤解している方も少なからずいるようですが、この昆虫がヒトを刺すことはありません。危険を感じた時に分泌される体液が毒を含むのであって、ハチのように針を直接刺して毒を注入するわけではないのです。

アオバアリガタハネカクシの毒「ペデリン」

昆虫はオス・メスによって針や毒の有無がありますが、アオバアリガタハネカクシはオス・メスを問わずペデリンを持っています。ペデリンの生成機能はメスだけが持っているものですが、オスでも卵の段階でペデリンを受け継いでいると言われています。

つまり、この昆虫は、卵や幼虫、さなぎまでもがペデリンを持っているのです。死体であっても、体液が残っている限り、毒性が失われることはありません。生死を問わず素手で接触することは避けてください。

アオバアリガタハネカクシの体液がついた時の処置

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アオバアリガタハネカクシの体液に触れることの危険性を解説してきました。では、そもそも体液に触れてしまったら、具体的にどう処置すればよいのでしょう。設備のない野外でできる処置も含めて以下に解説していきます。

体液がついたかわからないことも

ここで思い出していただきたいのが、この昆虫のおおよその大きさです。全長5ミリ~20ミリの虫が分泌する微量の体液がついたかどうか、すぐに認識できる人の方が少数派だと思われます。恐らくは、気付かないうちに払い除ける、あるいは潰したことで被害を受けたというケースが多いと考えられます。

すぐに洗い流そう!

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体液に接触したと認識できる場合は、すぐに水で洗い流しましょう。その際、可能ならば石鹸の使用を推奨します。野外でそういった環境下にいない場合は、水筒やペットボトルの水を使うか、もしくはウェットティッシュや清潔な布で拭き取るだけでもかまいません。潰した覚えがなくとも接触したと思われる部位は、まず洗うことが大切です。

アオバアリガタハネカクシの二次被害

服やその他に付着したアオバアリガタハネカクシの体液に接触した場合にも、皮膚炎などの症状は現れます。前述した通り、体液には気付かないうちに接触しているケースが多く、発見・対処が遅れがちです。

触った手で目や顔に触れてしまうことが

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ずっと家にいたにもかかわらず、火傷や水疱が形成されている場合は、寝ている間に侵入したこの昆虫に触ってしまったというケースも考えられます。目に違和感や充血などの症状があれば、体液が目に入った可能性もあるため、必ず眼科を受診しましょう。適切な治療を受けなければ、失明の危険性もあります。

アオバアリガタハネカクシの治療

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アオバアリガタハネカクシの体液と接触したことで、形成された火傷や水疱。ここで気になるのは、「やけど虫」という別名があるとはいえ、実際の火傷を負ったときと同様の治療で問題ないのかということです。

やけどと同じような処置を

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結果的に水疱やミミズ腫れなどの症状が生じた場合、原因の詮索はあまり意味がありません。治療法としては、通常の火傷に対して有効な軟膏を塗ることが適切です。火傷の腫れ・炎症を抑える上では、ステロイド配合の軟膏が有効ですが、使用法を誤れば皮膚の萎縮、赤みを帯びるなどの副作用も現れるため、基本は皮膚科の受診をおすすめします。

虫刺され薬は効くものと効かないものが

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体液の付着時、虫刺されに有効な薬を使ってよいかは成分によります。たとえば、アンモニア成分が強いものは刺激も強く、かえって皮膚が爛れる可能性もあるため、控えましょう。虫刺されの場合も抗炎症効果の強いステロイド薬が効きますが、やはりむやみな使用は避けた方が賢明です。まずは抗ヒスタミン薬の塗布で経過を見ることを推奨します。

アオバアリガタハネカクシの対策

アオバアリガタハネカクシに接触することの危険性を解説してきましたが、最も重要なのは被害を未然に防止することです。蚊のようにヒトの持つ血液を求める性質などはないため、工夫することによって遭遇を極力回避することはできます。

アオバアリガタハネカクシを避ける

生息・繁殖しやすい時期・土地の特徴についてはこれまで解説した通りです。一方でこの昆虫は光に引き寄せられる特質があります。庭で発見されたり、家屋に浸入して来るのは明かりにつられているからです。夜間は、照明の光を直接外に漏らさないようにし、虫の集まる街灯にはむやみに近付かないようにしましょう。

虫除けスプレーを使う

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アオバアリガタハネカクシへの対策は他の害虫と特に変わりません。野外では虫除けスプレーを使いましょう。特に肌の露出しがちな首回りや手首・足首は入念に噴霧しておきましょう。以下におすすめの虫除けスプレーを記載しているので、参考にしてください。

肌の露出を少なくする

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