アオバアリガタハネカクシの体液は毒!やけどに似た症状や処置方法もご紹介

生息地は日本全国に渡ります。平野部の池や河川、水田など湿度の高い環境を好む他、土中、キノコ、落ち葉、腐った植物、動物の死体などあらゆる所に生息しています。また、多くの昆虫同様光に集まる習性があるため、家の電灯や街灯などに引かれて飛来することもあります。

アオバアリガタハネカクシの毒の症状

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アオバアリガタハネカクシの体液に接触後、処置をしないまま数時間~1日が経過すると、痛みを伴う発赤が現われます。これは、通常皮膚に止まったこの昆虫を払いのける際に体を潰すことで生じるため、皮疹が線状を形成することが多く、「線状皮膚炎」と呼ばれています。そのまま数日が経過すると水疱など火傷に似た症状が形成されます。

アオバアリガタハネカクシは刺さない!

「体液に毒のある虫」と聞くと、毒針をもったハチなどのイメージが強いことから「刺される」と誤解している方も少なからずいるようですが、この昆虫がヒトを刺すことはありません。危険を感じた時に分泌される体液が毒を含むのであって、ハチのように針を直接刺して毒を注入するわけではないのです。

アオバアリガタハネカクシの毒「ペデリン」

昆虫はオス・メスによって針や毒の有無がありますが、アオバアリガタハネカクシはオス・メスを問わずペデリンを持っています。ペデリンの生成機能はメスだけが持っているものですが、オスでも卵の段階でペデリンを受け継いでいると言われています。

つまり、この昆虫は、卵や幼虫、さなぎまでもがペデリンを持っているのです。死体であっても、体液が残っている限り、毒性が失われることはありません。生死を問わず素手で接触することは避けてください。

アオバアリガタハネカクシの体液がついた時の処置

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アオバアリガタハネカクシの体液に触れることの危険性を解説してきました。では、そもそも体液に触れてしまったら、具体的にどう処置すればよいのでしょう。設備のない野外でできる処置も含めて以下に解説していきます。

体液がついたかわからないことも

ここで思い出していただきたいのが、この昆虫のおおよその大きさです。全長5ミリ~20ミリの虫が分泌する微量の体液がついたかどうか、すぐに認識できる人の方が少数派だと思われます。恐らくは、気付かないうちに払い除ける、あるいは潰したことで被害を受けたというケースが多いと考えられます。

すぐに洗い流そう!

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体液に接触したと認識できる場合は、すぐに水で洗い流しましょう。その際、可能ならば石鹸の使用を推奨します。野外でそういった環境下にいない場合は、水筒やペットボトルの水を使うか、もしくはウェットティッシュや清潔な布で拭き取るだけでもかまいません。潰した覚えがなくとも接触したと思われる部位は、まず洗うことが大切です。

アオバアリガタハネカクシの二次被害

服やその他に付着したアオバアリガタハネカクシの体液に接触した場合にも、皮膚炎などの症状は現れます。前述した通り、体液には気付かないうちに接触しているケースが多く、発見・対処が遅れがちです。

触った手で目や顔に触れてしまうことが

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ずっと家にいたにもかかわらず、火傷や水疱が形成されている場合は、寝ている間に侵入したこの昆虫に触ってしまったというケースも考えられます。目に違和感や充血などの症状があれば、体液が目に入った可能性もあるため、必ず眼科を受診しましょう。適切な治療を受けなければ、失明の危険性もあります。

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