秋刀魚がどんな魚か知ろう
「秋の味覚」と言われて、秋刀魚が思い浮かぶ人も多いと思います。日本人に愛される美味しい魚の一つである秋刀魚の特徴について紹介していきます。秋刀魚は魚の中でもとてもメジャーですが、もっと秋刀魚のことを知っていきましょう!
秋の味覚である秋刀魚
秋になるとよく見かける秋刀魚は、銀白色で細長い形をしています。口は尖っていて、下顎が上顎よりも前に出ているのが特徴です。背びれと腹びれが体の後方に付いていて、それぞれの後方に6~7個の小さい離鰭があります。
秋刀魚の名前の由来
漢字の「秋刀魚」は字のごとく、「刀のような形をした秋の魚」から来ています。読み方の「さんま」にはいくつか説があり、「細長い魚」を意味する「さまな(狭真魚)」が変化したという説と、群れで泳ぐ習性から「大きな群れ」を意味する「さわ(沢)」と「魚」を意味する「ま」をつなげた「さわんま」が変化したという説があります。
秋刀魚の種類は用途によって異なる
秋刀魚は主に北海道から紀伊半島あたりまでの太平洋側で獲ることができます。水揚げの時期は8月から始まり、北から南へ移っていきます。この水揚げの時期と場所によって、秋刀魚の味が変わってくるのです。
秋刀魚の用途は2種類ある
秋刀魚は簡単に「生食用」と「加工用」に分けられます。これは、秋刀魚自体の種類が違うのではなく、秋刀魚が南下していくにつれて変わっていく味に合わせて、「生食用」に合う秋刀魚、「加工用」に合う秋刀魚、としています。
秋刀魚の用途①生食用
北海道から三陸沖あたりまでで獲れるのが、生食用の秋刀魚です。三陸沖では、光で秋刀魚の群れを集めて一気に獲る棒受け網漁が採用されています。それに対し、北海道では刺網漁で獲られるため、鱗がはがれにくく、鮮度が長持ちします。
秋刀魚の用途②加工用
三陸沖からさらに南下すると、千葉や神奈川、静岡、三重で秋刀魚が獲れます。特に伊豆半島から南側で獲れる秋刀魚が、加工用に向いています。伊豆半島では、棒受け網漁以外にも定置網漁も採用されています。
秋刀魚の旬をご紹介
秋刀魚には「生食用」と「加工用」があることをお伝えしましたが、それぞれ旬の時期が異なります。「秋の味覚」と言われている秋刀魚ですが、それぞれでどのように旬の時期が変わってくるのかご紹介します。
秋刀魚の旬を知ろう①生食用の秋刀魚の旬
まずは「生食用」の秋刀魚の旬について知っていきましょう!旬の時期を知ることで「加工用」の秋刀魚と何が違うのかがわかってきます。新鮮な秋刀魚を生で召し上がるために、参考にしてみてください。また、生で食べる際はアニサキスに注意してください。こちらの記事を読んでみてください。
生食用のさんまの旬は夏
「秋の味覚」の秋刀魚ですが、実は生食用の旬は「夏」から始まります。先ほどご紹介した通り、生食用の秋刀魚が獲れる北海道から三陸沖までを南下する時期が8月~10月中旬頃です。これが生食用の秋刀魚の旬となります。
生食用の秋刀魚の味
三陸沖には親潮と黒潮がぶつかる潮目があり、プランクトンが多くいるため、秋刀魚も大きく育つうえ、脂がよく乗っています。おすすめの食べ方はお刺身です。さらに北海道ではうろこがはがれにくい刺網漁のおかげで鮮度が高いお刺身が味わえます。また、生食用と言っても、三陸沖で獲れる大きくて脂が多い秋刀魚は塩焼きとの相性もばっちりです!
秋刀魚の旬を知ろう②加工用の秋刀魚の旬
続いて、「加工用」の秋刀魚の旬についてです。「生食用」の旬は夏から始まることがわかりましたが、「加工用」の秋刀魚の旬はいつ頃でしょうか。また、どのような特徴のある秋刀魚となっているのか、ご紹介していきます。
加工用のさんまの旬は秋
三陸沖を出た秋刀魚はさらに南下し、伊豆半島から最終的には紀伊半島まで行きつきます。この伊豆半島~紀伊半島あたりで加工用の秋刀魚が獲れるのが10月中旬~11月頃までです。これが加工用の秋刀魚の旬となります。
加工用の秋刀魚の味
三陸沖を出た後は、南下すればするほど脂が抜けると言われています。大きさも少し小さくなりますが、身が引き締まっています。脂が減るため、干物や丸干しが美味しく味わえる、加工品に向いた秋刀魚になるのです。
日本以外で秋刀魚が獲れる国は?
秋刀魚は日本人の味覚にあった魚であるため、「日本の魚」というイメージが強いと思いますが、実は漁獲量1位は日本ではありません。どんな国で秋刀魚が獲れているのか、日本の秋刀魚と何が違うのかについてご紹介します。