最初のペンギン「オオウミガラス」とは?絶滅理由は人間?生態も

年に1度、6月頃の繁殖期になると断崖の岩肌に、1つの卵を産んでいました。卵は大きく、直径は13㎝で重さは400gとかなり大きなものでした。断崖から落ちにくいように、洋ナシ型をしていました。

1年に1羽しか子供が産まれないということは、減ってしまった数を回復するのが難しい、ということです。つまり、繁殖力の低さを意味します。

元々の数が多すぎて、研究対象として学者に興味を持たれなかったため、数が減少していることに気づくのが遅れたのも、絶滅してしまった要因です。

オオウミガラスの絶滅理由⑥繁殖地の減少

運の悪いことに、長い時間をかけて繁殖地も減少していきました。人間に乱獲される以前も、気候の変化で数が減ったと考えられています。

それに加え、人間の手によって数が減り、その後また自然災害により繁殖地が減少する出来事がありました。

小氷期でオオウミガラスの個体数が減少

Goumbik / Pixabay

最初の個体数の減少として、小氷期があげられます。小氷期とは、14世紀半ばから19世紀半ばにかけて、気温低下が1℃未満に留まった時期のことを指します。氷河が河川に押し寄せたり、農村を飲み込んだりと、人間にも打撃を与えました。

海底火山の噴火で繁殖地を追われる

1820年頃には、ウミガラス岩礁だけがオオウミガラスの唯一の繁殖地になっていました。この場所は崖に守られており、人間が近づくことができず、オオウミガラスの生活が脅かされることはありませんでした。

ところが1830年、海底火山の噴火で、この安住の地が海に沈んでしまいます。災害から生き延び、近くのエルデイ岩礁に移住できたのは、約50羽のみでした。

こちらは人間に侵入されてしまい、希少価値がついて高値で売れるようになっていたオオウミガラスは、容赦なく狩られていきました。

最後のオオウミガラスの悲劇

人間は最後のオオウミガラスを狩り、とうとう絶滅させてしまいます。時代が違うとはいえ、現代では考えられないほどあっけなく、雑に命を奪われたのは、オオウミガラスのつがいとその卵でした。

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