鮎の友釣りとは
鮎は言わずと知れた川魚ですが、その釣り方は数通りあります。中でも友釣りと呼ばれる釣り方は古くから釣り手法として確立されてきたもので、奥が深く一度始めると面白くて夢中になってしまう方も多いのです。この記事ではそんな鮎の友釣りについてご紹介します。
鮎の友釣りは代表的な釣り方
鮎の友釣りとは、生きたオトリ鮎に掛針をつけて泳がせ、野アユをおびき寄せて釣るという手法のものです。友釣りは古くから鮎を狙う釣り人たちに使われてきた手法で、今なお親しまれた伝統的かつ鮎の代表的な釣り方です。
鮎の縄張り本能を利用して釣る
野アユの習性として、餌場となる縄張り内に別の鮎が現れたら、体当たりで追い払おうとします。そこで友釣りでは、オトリとなる鮎に掛針をつけて泳がせ、縄張りを荒らされた野アユが近づき針にかかるという仕組みです。
アユの友釣りの方法をご紹介
それでは、ここからは具体的にアユの友釣りに適した時期や道具、仕掛けの作り方などをご紹介します。初めての方は少し難しく感じる部分もあるかもしれませんが、それゆえ名人と呼ばれる人がいる鮎の友釣り。ぜひこれを機に鮎の友釣りに挑戦してみて、そのおもしろさ、奥深さを体感してみましょう。
鮎の友釣り:時期
鮎釣りは一年中できるというわけではなく、適したシーズンがあります。これは鮎の行動パターンによるもので、鮎の習性を知ることで釣れやすい時期が分かります。また多くの漁場では鮎釣りの解禁シーズンが設定されているため、それらを確認することも重要です。まずは友釣りのできる時期をしっかりと押さえましょう。
鮎の友釣りの時期は夏
鮎の友釣りは、若い鮎が縄張りを作りはじめる5月下旬頃から、産卵直前に縄張りを解くといわれる11月頃までとなります。中でも7〜8月が最盛期といわれますので、基本的にはまずこの時期を狙いましょう。
秋は子持ちの鮎が狙える
夏が終わり、9〜10月の秋口になると雌鮎は河口付近で産卵するため、川を下ります。このころの鮎は特に「落ちアユ」と呼ばれ、この頃だけ味わえる子持ちの鮎の味は毎年貴重なものとして釣り人を誘います。
鮎の友釣り:必要な道具
次に、鮎の友釣りを始めるのに必要な釣り道具についてご紹介致します。どれもシンプルな道具ばかりですので、ポイントを抑えれば道具を一式揃えて簡単に始めることができます。それぞれの道具について具体的にご紹介します。
鮎の友釣りに必要な道具①タックル
鮎の友釣りに必要な基本的な釣り具はロッド(釣竿)とライン(釣り糸)です。鮎の友釣りの特徴は、リールを使用せず長めの竿のみを使用するところです。ここでは鮎の友釣りに必要なロッドとラインについてご紹介します。
友釣りのロッド
鮎の友釣りで使うロッド(釣竿)は8〜10mほどの長めのものが良いでしょう。オトリの鮎を自然に泳がせることや、針に掛かった鮎をリールなしに釣り上げるのには何より軽量で長い友釣り専用の竿を用意するのがおすすめです。
おすすめの釣竿ロッドのポイント
- 長さは8〜10m程度
- 重量は1日中片手で操作できるかどうかを基準に選びます。
- 素材は現在はカーボンロッドが主流になっています。
友釣りのライン
友釣りで使うライン(釣り糸)は、竿の先端から掛け針につながるハリスまで、同じ糸でも場所によって呼び名も役割も異なります。竿の先につながり長さ調整を担う部分を天井糸、水中に垂らしオトリと接続する水中糸、糸の先端の掛針につながるハリスなどの部分があります。
おすすめの釣り糸のポイント
友釣りで使うラインの種類は、下記のように数種類あり、それぞれ特徴があります。オトリの動きや引きに直接関係するラインは道具選びの中でも重要です。ラインの特徴をよみ、自分に適したものを見つけることで釣果がアップするでしょう。
- 複合メタルラインは、最近では最も使っている人が多く、人気があります。
- ナイロンラインは、オトリ鮎が活発によく泳ぐ特徴があります。
- フロロラインは、オトリ鮎に抵抗を押さえて泳がせたい場合におすすめです。
- その他、PEライン、メタルラインなどもあります。
鮎の友釣りに必要な道具②仕掛け
仕掛けは、生きた鮎を針にかけ自由に泳がせる装置です。仕掛けは主に、オトリ鮎をつなぐハナカンと呼ばれる金輪と、針のついたハリスと呼ばれる糸を垂らしたものから構成されます。初めは作るのが難しいと感じることもあるかもしれませんが、慣れていくと上手に作ることができます。
友釣りはおとりを使用する
友釣りはおとりとなる鮎で野鮎を引き寄せる釣り方法ですので、まずはオトリ鮎が必要です。オトリ鮎の鼻にハナカンという金輪を取り付け、仕掛け糸につなぎます。生きた鮎にハナカンを通すのは少し難しいですが、慣れると簡単にできます。
またハナカンをつけたオトリ鮎の尾びれには逆バリをつけます。逆バリは、野鮎がかかったときに外れてほしいので、皮一枚の所に浅く引っ掛けておくのがポイントです。なおハナカンと逆バリは糸がピンと張った状態ではオトリ鮎の自由な泳ぎを妨げるので、少し余裕をみてたるませるのが重要です。
オトリ缶は必ず用意しよう
オトリ缶とは、釣りの前や最中にオトリ鮎を入れておく缶です。オトリ鮎を元気な状態に保つことが重要ですので、オトリ缶にも必要な性能があります。通常は電池式のエアーをいれて水を新鮮な状態に保ちます。川についたら、オトリ缶は川の中に入れ川の水が入れ替わるようにします。川石などを重りにしてオトリ缶が流されないようにします。
友釣りの仕掛けの作り方
仕掛けは、竿の先から①天井糸(空中部分の糸)、②目印のついた水中糸、③ハナカン・逆バリをつける中ハリス、④掛け針をつけるハリスの4セクションから構成されます。それぞれの糸を結び合せ、投げ縄結びという方法で竿に接続します。
水中糸の目印は、川の深さや鮎のかかり具合に応じて位置を調整します。例えば根掛かりが多い場合は目印は短くし、鮎の掛かりが悪い場合は長めにします。またハリスに掛け針をセットし、最後にオトリ鮎をハナカンに通します。
仕掛けについての参考記事はこちら
鮎の友釣りに必要な道具③その他
竿、釣り糸、仕掛けの他に、必要な道具やあったら便利なアイテムがあります。鮎の友釣りが上手な人ほど、自分にあった使いやすい道具をみつけて愛用しているものです。ここではそんな道具についてご紹介します。
タモは必須アイテム!
タモは鮎がかかった時の最終的につり上げる際に使います。またオトリ鮎をセットするときや鮎を数えるときなど、さまざまな場面であると便利なアイテムですので必ず用意することをおすすめします。活きの良い鮎をすくい上げるため、形のしっかり保てるタモが使いやすいです。柄の長さは50センチほどあれば十分でしょう。
鮎タビと引き船について
鮎タビは、川の中で履いておくタビです。川底は苔のついた石などで大変滑りやすく、しっかりと足場をとり動きやすくしておくため必須です。引き舟は川の中で釣りを行っている最中に、一時的に鮎を入れておく小舟です。ベルトなどで体についないでおき、川の水が入れ替わるような仕組みになっています。
オトリ鮎の入手方法・取扱いについて
鮎の友釣りで最も重要な要素のオトリ鮎について、その入手方法と取扱方法についてご紹介します。新鮮で元気なオトリ鮎を入手し、出番まで活き活きとした状態を保つことは鮎の友釣りにおいて最も気を使うべきポイントです。
オトリ鮎の購入場所
オトリ鮎は釣具店やオトリ屋と呼ばれるオトリ鮎を売っている店で購入できます。購入前にあらかじめ釣りをするポイントを想定しておき、できるだけその近くの店で購入すると移動距離が少なくオトリ鮎が弱りにくいのでおすすめです。