魂の重さが21gは本当なのか?2人の実験内容とその真実を考える

最初の実験で患者の死の直後の体重は、実験開始の時よりも21グラム減っていました。後の5人については必ずしも21グラムではありませんでした。最初の実験の後、友人のリチャード・ホジソン博士に次のような手紙を送っています。

「私は重さを量る機械で魂の実態を発見したのでしょうか?私はそうだと思いますし、もし十分に長生きできれば証明し、再証明し、再々証明するつもりです」(引用:魂の重さを図った人/近畿大学リエゾンセンター長 宗像恵)

魂の重さ計測実験【トワイニングのケース】

医師ではなかった彼は「死にゆく人」で実験することは勿論できませんでした。しかしそれが幸いだったのかも知れません。この実験の先駆者であるマクドゥーガルとは違う結果を得ることになりました。

マウスを使用して実験

天秤のそれぞれの皿の上にガラスのビーカーを置き、中には生きたマウス。その脇には青酸カリを置きました。2匹のうち1匹には青酸カリが与えられ、もう1匹には青酸カリの代わりにガラスチューブで密閉され窒息するという哀れな運命が待っていました。

マウスでも体重の減少が見られた

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青酸カリを与えられたマウスは体重が減ったのでした。しかし実験は必ず異なる方法で試してみる必要があります。もう一方は青酸カリの代わりに密閉空間での窒息死の道を与えたのでした。その結果、窒息したマウスでは体重の変化は無かったのです。彼は、死にゆくマウスは「急速に湿気を失う」と結論しました。

彼らの時代には、ここまでが精一杯だったのかも知れません。後の科学者たちが色々と明らかにして行くのですが、死の瞬間の湿気の消失について彼ら2人の実験は何ら証明していないのでした。人間の場合もマウスの場合も、急速に冷えていく死体の中で空気の流れが起きていた可能性を先に引用した宗像氏が指摘しています。

動物を使った実験と聞くとホルマリン漬けを連想する人もいるかも知れませんね。大学の標本室などにホルマリン漬けの標本がズラズラと並んでいたりします。興味がある方は読んでみて下さい。

魂の重さが21g説はなぜ有名になったか?

現代まで語り継がれるほど、なぜ有名になったのでしょう。スピ系と言われる分野の人や心理学を学んでいる人などは、一度くらいは聞いたことがあると思います。当時としては精密な計測実験であったこと、「人の魂」には少なからず興味関心を持つ人が少なくなかったのでしょう。

NEXT 1907年のニューヨーク・タイムズに掲載された