「アオウオ」の生態・特徴
「アオウオ」の生態
「アオウオ」は、ソウギョ・ハクレン・コクレンと並ぶ中国四大家魚の仲間で、中国原産の淡水魚です。戦時中に起こった食糧問題の解決策として、中国よりハクレンの稚魚が持ち込まれましたが、その中にアオウオが混ざっていたとされています。その比率は1%も満たない事から、希少性が高く「幻の魚」とされているのです。
「アオウオ」の習性
「アオウオ」はまだ解明されていない部分が多いとされていますが、何匹で群れを成しており、河川の岩盤や石積みの下流近くを回遊しています。産卵期は中流へ移動します。大きな魚なので襲われるという心配が無い為、好きな餌を簡単に食べられるルートを選んでいます。
「アオウオ」の特徴
「アオウオ」は見た目はコイに似ていますが、口元の髭が無く、お腹の膨らみも無く細長くなっています。全体的に黒色で青や緑の色が強いものが多く、野生的な印象を与えているのが特徴です。中国では最大2m、100kgを超えるアオウオが見つかっています。大きなものでは、ウロコがポテトチップス大もあります。
「アオウオ」の生息地・分布
「アオウオ」の生息地
「アオウオ」は、温水帯の広い河川や湖沼を好みます。国内では、利根川の中流域、江戸川の中流域、霞ヶ浦水系で繁殖が確認されています。北海道:石狩川、群馬県:榛名湖、岡山県河川では放流されたアオウオが生息しています。このように生息地も限られている為、1部の熱狂的ファンに支持されているのです。
「アオウオ」の分布
「アオウオ」は大陸中国の淡水魚で、黒竜江流域の東部の各河川、湖沼に広く分布しています。北部では、中国とロシアの国境にあるアムール川、南部ではベトナムや台湾にも分布しています。アメリカでは、カタツムリの防除の目的で移入され、ミシシッピ川水系で繁殖が確認されています。
「アオウオ」の移入後の繁殖
「アオウオ」は東北では北上川、九州では筑後川へ何百万尾の数が日本の各地に移入され、繁殖を期待されていました。ですが、失敗が続いてしまい、成功したのが現在の生息地である利根川水系だったのです。現在では、アオウオが自然繁殖を成功させているのは、利根川、そこに繋がっている江戸川のみとされています。