「すいっちょん」という鳴き声をもつ虫ウマオイ!その正体は獰猛な肉食系

ちゃんと「馬おい、おいついて」と、韻を踏むと同時に本来の名前「ウマオイ」と絡めた歌詞になっているのが、子供が自然を学ぶ教材としても作られた歌なのだと感じさせます。この童謡「虫の声」にトリとして登場した事も、方言だった「すいっちょん」の名前を全国区に広げるのに一役買った可能性は有りそうです。

「すいっちょん」の飼育方法

「すいっちょん」は棲息している林の草むらなら比較的簡単に見付けられる虫で、夜間で有れば草の上で鳴いているのを、昼間なら若干難易度が上がりますが葉に隠れた裏側を探せば採集は然程難しく有りません。他の秋の虫と同じく飼育は可能ですが、肉食性の昆虫ならではの注意点などが有りますので幾つか大事な点を挙げておきましょう。

前述した通り用意した餌の食い付き具合次第で簡単に共食いを始めてしまいますので、基本的に一匹ごとにケースを用意してあげた方が無難です。「すいっちょん」は小さい虫ですから飼育も産卵まで含めて小ケースで可能ですので経済的にも然程負担は無いでしょう。

ケースには土を敷き詰める

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クツワムシやキリギリスと同様にケースに赤玉土を敷き詰めて置けば、繁殖を考えている場合もそのまま産卵床としても使ってくれるでしょう。ただ「すいっちょん」のつがいを一つのケースで飼育してしまうと2~3日でオスがメスに食べられてしまいますので、餌をタップリ与えて共食いを抑えなくてはなりません。

ですが9月以降に捕まえたメスは大抵交尾済みで、つがいで捕まえて来なくても産卵する可能性が高かったりしますので、こちらを狙うのも手です。産卵後の土は年内の内は多少乾燥気味でも問題なく、年が明けた後くらいから卵に水分を与えると孵化が始まります。

他の虫を餌に与える

ここまで記事でご紹介した通り「すいっちょん」は完全な肉食性の昆虫ですので、当然餌はナスやキュウリなどの野菜ではなく昆虫となります。死骸でも生体でもお構いなしに飛び付いてくれますので、近所に採集場所が有る様なちょっとした田舎なら餌には先ず困らないでしょう。

孵化した幼虫の場合は金魚の餌を細かく砕いた物や市販の鈴虫用の餌をケースの底に置いたり、串に刺した輪切りのナスなどの野菜に振り掛けたりして与えますが、幼虫も共食いしますので出来るだけケースは個別にして飼育しましょう。

「すいっちょん」は案外手間がかかる?

ウッカリすると共食いを始めてしまうし、餌は昆虫で一見手間がかかる印象の「すいっちょん」ですが決してそんな事は有りません。昆虫飼育で一番の難敵は適切な餌を用意出来るか、そして用意した餌をちゃんと食べてくれるかですので、悪食とも言える強い肉食性は比較的丈夫な証拠です。

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