田舎の風景に欠かせないザリガニ
都市化が進んだせいか、最近ではだいぶ見かけなくなってしまったザリガニですが、田舎はもちろんのこと少し郊外に足を運べばまだまだ出会うことができます。日本人にとってザリガニは犬や猫に次いでとても身近な生き物なのです。
田んぼ・用水路によくいる
ザリガニは淡水に住み、山里の小川や田んぼには欠かせない生き物でそこを探せば簡単に出会えます。また、住宅地でも用水路が残っている地域ではたくさんのザリガニが住んでおり、5月~11月の暖かい時期に多く見られます。
ザリガニ釣りは人気の遊び
ザリガニと言えば、子供の頃に夢中になったザリガニ釣りを真っ先に思い浮かべる方が多いです。ザリガニはするめをよく好み、するめを巻き付けたタコ糸を割り箸にくっつけて遊ぶのは昔も今も子供たちに大人気の遊びです。
ザリガニの種類は?
ザリガニと言っても、たくさん種類があるのをご存知でしょうか。ここでは日本にいるザリガニとして、元から日本に生息していた二ホンザリガニや、外来種として日本に入ってきて広く生息するようになったものをご紹介します。
ニホンザリガニ
日本の固有種として、昔からニホンザリガニは北海道や、岩手県、青森県、秋田県の東北3県にのみ生息しています。体の大きさは5cm前後と小ぶりで、体色は暗い褐色をしています。ハサミが丸っこくてずんぐりとしています。
アメリカザリガニ
鮮やかな赤い体が特徴のアメリカザリガニは日本全国に広く分布しており、いわゆる「ザリガニ」と呼ばれて思い浮かべるものはこれでしょう。もともと食用ウシガエルのエサとして昭和初期に持ち込まれた20匹が増えて日本中に広まりました。
ウチダザリガニ
体長15cmと日本の中で最大級であり、捕食能力が高いため環境省により特定外来生物と指定されています。1930年代前半に食用として持ち込まれとても美味なため、日本の大都市のレストランで料理に使われて外国人客からも好評です。
ザリガニの生態
外来種は日本では全国どこでも見られますが、なぜでしょうか。また、野生で暮らしているものはするめやジャコのような釣って遊ぶときに使うエサ以外で何を好んで食べるのか、その生態をまとめてみました。
あらゆる環境に適応
先に比較的暖かい時期によく見られるとご紹介しましたが、本来ザリガニは年間通じて生息していて環境適応能力が非常に高く、攻撃的でたくましくどこでも生きられます。おまけに繁殖力も高いため他の生態系を脅かすほどです。
魚類・昆虫など雑食性
雑食なためお米やパン、野菜から生死を問わず他の生き物まで何でも食べます。飼育するときもするめや専用のペットフードだけでなくハムやソーセージ、ちくわといった加工食品も好んで食すので家庭でも飼育が簡単だといえます。
ロブスターはザリガニの一種って本当?
ザリガニの種類や生態について触れてきましたが、エビの仲間と思われているロブスターもどこかザリガニに似ていませんか?ロブスターはザリガニの仲間という噂が本当なのかどうか、少し詳しく見てみましょう。
海ザリガニと呼ばれることも
ロブスターはオマール海老または海ザリガニとも呼ばれ、海水で暮らす生き物なためもちろんザリガニとは生態が異なります。しかし大きく分けると両者はザリガニ下目となり、ザリガニの一種であると考えて間違いはありません。
伊勢エビとザリガニは違う?
結論から言うと、伊勢エビはザリガニやロブスターとは違いその名前の表すとおり「エビの仲間」となります。わかりやすい違いをあげるとするならば、ロブスターやザリガニにはハサミがありますが伊勢エビにはありません。
伊勢エビに関する記事はこちらもご覧ください。
ザリガニは食用になる!
ザリガニは日本人にはとても身近で親しみやすい生き物であるとわかりましたが、実は食用としても用いられていることをご存知でしょうか。気になるその味や実際に食べられている場所を見ていきましょう。
カニのような味で美味しい
調理して食べると聞いて、どんな味が想像できるでしょう。味わってみるとカニの味にとても似ていて、少し弾力性があって噛みごたえがあり、カニと同じようにどんな料理でも相性が良くとても美味しくいただけます。
海外では普通に食べる
食用の生き物として海外では普通に各家庭やレストランで調理され、メニューとしてポピュラーなものとされています。一方で全国に生息しているにも関わらず、食用として普及していないのは日本くらいなのです。
ザリガニを食べる時の注意点
世界的に見て、たいへん一般的な食糧として知られているザリガニはカニやエビの味と似ていてとても美味しいと評判です。では個人でザリガニを捕らえて、家庭で気軽に調理できるのか注意点としてまとめました。
寄生虫がいる可能性も
エビやカニといった他の甲殻類と同じように、ザリガニにも肺吸虫(はいきゅうちゅう)という名前の寄生虫がいます。熱処理をせずに食べた場合、肺などがやられると熱や下痢、かゆみといった強い症状に悩まされます。
しっかり火を通せば大丈夫
田んぼや、沼、用水路などで暮らしていたものは淡水に入れて泥抜きをしたうえで、しっかりと加熱処理を行いましょう。加熱処理をする時の目安として、沸騰したお湯の中で15分ほどゆでれば大丈夫でしょう。