次第に集団内の実態が明るみに出てくると、被害者たちからは集団に属する人たちを救済するように要望が国に寄せられるようになってきます。ついに国も動き出し、調査に乗り出すことになるのです。
ライアン議員の視察
1978年11月に、マスコミや被害者の会などによる要望に基づき、アメリカ下院議員であったレオ・ライアン氏がマスコミ関係者を複数引き連れて、ジョーンズタウンを訪れて実態調査に乗り出すことになりました。訪問当初は、事前の想定に反し、牧歌的な雰囲気が広がるジョーンズタウンに驚きもあったようです。
不意打ちの射殺…
しかし、ジョーンズタウンに押し込められていた脱会希望者が一行に救出を願い出る行動に出たことで、裏に隠れていた異常さがライアン議員などに知られることになり、事態は急変します。視察を終えて帰国しようとした一行をジム・ジョーンズの命を受けた信者が襲撃、ライアン議員は射殺されてしまったのです。
人民寺院終わりの始まり!勇断自殺決行へ…
ライアン議員一行に対する不意打ちをきっかけとして、ジム・ジョーンズが設立した人民寺院は狂気の沙汰に突き進んでいき始めます。設立当初の善行が大きく音を立てて崩れていってしまうのです。
最後の夜を命じたジム・ジョーンズ
ライアン議員や報道関係者、脱会希望者を自動小銃で襲撃したジム・ジョーンズですが、その騒ぎのあとで集団内の信者に対して、集団自殺を決行するように呼び掛ける演説を行っています。ジョーンズタウン内ではけたたましいサイレンともに信者が宿舎から出てきたとのことです。
信者に配られたのはシアン化合物
信者にはバリウムを用いて薄められたシアン化合物が配布されました。シアン化合物は猛毒で知られ、内服後、数秒から数分以内に失神や痙攣、呼吸麻痺を引き起こし、死に至るものです。多くの信者はこのシアン化合物によって命を絶つ道をたどったのです。
最悪の結末
集団自殺で亡くなった人たちの中には子供もいましたが、子供たちはシアン化合物を含んだ液体を注射器で注入されることで自殺が図られ、拒否する大人もこの注射を打たれたり、銃殺されました。結局、この自殺行為によって、914名(うち267名が子供)が亡くなったと言われています。
人民寺院集団自殺の様子が記録されていた!?
実はこの人民寺院の集団自殺の様子をうかがい知れるテープが残っていることが分かりました。そのテープにはどのような状況のなかで、このようなショッキングな出来事が起こっていったのかが、臨場感とともに記録されていたのです。
存在した自殺真っ只中の音源テープ
この狂気の様子を伺いしている音源テープが残っていました。ジム・ジョーンズが信者に語った内容やその後の信者たちの様子などが分かる証拠となっています。カルト的な集団、宗教がいかに恐ろしいかが分かるものでした。
その内容とは…
ジム・ジョーンズは信者たちに向かって、「我々はじきに皆殺しにされる」という恐怖を煽り、革命的自殺を決行するように呼びかけを行いました。また、これは別世界への旅立ちであると声を張り上げ、子供たちを先に送り出そうと語り掛けます。その後、順次に歓声や泣き声が静まり、亡くなっていったのです。