「パンをふんだ娘」がトラウマになる恐怖!あらすじやメッセージを考察!

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インゲルへ一筋の光が差し込み石の体は消え一羽の小鳥が人の世界に向かって飛んで行きます。久しぶりに見た自然の美しさに感動し、小鳥へ実がついた籾をあげる人を見て良い行いをする事を決意、鳥たちが冬を乗り切る餌を自分より優先して与え続け、餌がふみつけたパンと同じ量に達した時インゲルはパンをふんだ罪から許され天に召されたのです。

パンをふんだ娘の原作

詩人で童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンはデンマークの代表的な童話作家で詩人で生涯独身です。パンをふんだ娘は1860年55歳の時に出版された「童話と物語1」に収録されました。

アンデルセンの童話

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1805年4月2日生まれのアンデルセン、1829年に旅行記を自費出版しドイツで翻訳・出版されるほど好評で、1835年に発表した恋愛小説の「即興詩人」は出世作となり有名に、同じ年に童話を発表したが不評でした。1875年8月4日70歳で亡くなるまで数々の童話作品を発表しアンデルセンの童話を総称しアンデルセン童話と呼びます。

「人魚姫」「赤い靴」などと同一の作者

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「人魚姫」はアンデルセンが失恋した気持ちを投影して書かれ、叶わぬ恋を祝福する悲劇が美しく展開されています。恐ろしい話の一つ「赤い靴」の主人公カーレンは異父兄弟の姉の名前で存在を恥じていたようです。テーマは彼の実体験で新調した茶色い靴が嬉しく身につけて参加した堅信礼の最中も靴に気を取られた事、虚栄心が題材になっています。

人魚に興味のある方はこちらも御覧ください。

パンをふんだ娘の原作版のメッセージは?

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「パンをふんだ娘」は貧しい人は死ぬことでしか幸せになれないとのメッセージを含み、その事実を放置して見て見ぬ振りの世の中へ訴えた作品の一つです。アンデルセンは幼い頃、家が貧しかったので、心の貧困や救いようのない生活気になり女性に積極的になれず独身のままでした。

キリスト教の7つの大罪がベース

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大学受験でアンデルセンの勉強を見た神学生から受けた影響でキリスト教の価値観を作品のテーマに据えています。キリストの教え「7つの大罪」で一番重い罪とされる「高慢」を犯したエンゲルが心を入れ替えて神様に許されるまでを描いた物語です。パンをふんだのも大きな罪です。

パンはキリストの身体の象徴

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インゲルがふんだパンは人の手と汗と労働によって作られ、それを食べずに踏むとは倫理に反します。またパンはキリストの肉の象徴と言われ、インゲルの行動は神様キリストをふみつけた事と同じということになるのです。救いようのない罰が続いた理由です。

贖罪のプロセスを描いた

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キリスト教では罪を犯すと許されるのではなく、悔い改めてゆるしを得るという考えがあり、ほどこしはゆるしを得るための王道です。罪を犯してしまったインゲルが鳥になれたのは女の子の願いのおかげなので、まだ罪を償っていないインゲルはさえずる声と美しさを取られています。さえずることもできず他の鳥に何も伝えず餌を与え続けるのです。

アンデルセンの悩み

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靴職人のお父さんが早く亡なり人生を決断するのが15歳、学校をやめてコペンハーゲンへ行きオペラ歌手を目指します。が、挫折し劇作家や歌も認められなかったので、王立バレエ団へ入りダンサーとして転身しましたがこれも上手くはいきませんが、バレエ団の関係で王様や政治家の手助けを受けて大学に行くことになりました。

アンデルセンから恋されると婚約者ができる

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やっと大学へ入学したアンデルセンの初恋は25歳の時、ラテン語の級友の姉で沢山の愛の詩を作りましたが彼女には婚約者がいます。二人目、三人目も・身分・財産・容姿に自身がなく出遅れて他の男に取られます。四人目の令嬢マチルダが送った手紙はすれ違い、届かず、二人の恋が終わります。がすぐに歌姫に恋をしましたが婚約者がいました。

心配性だった

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出かけるときは非常時にすぐ逃げ出せるようロープを持参し、「眠っている間に死んだと思われ埋葬された男」の話を聞いて、ベッドの隣に「ただ眠っているだけで死んでいません。埋葬はしないでください」との内容のメモを必ず置くかポケットの中へ入れていました。

執筆が人生!

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大学に入ると教授に執筆作品を5年間も批判され続け猛勉強しましたが最悪な日々に区切りをつけ旅に出ます。婚約者を気にせず愛の詩をたくさん書くことが文章技術を上げ、失恋すると美しい心が名作へと変わり、旅の経験で旅行記が認められアンデルセンの名前を有名にします。空気が読めず人付き合いは苦労したのに沢山の才能ある友人がいました。

アンデルセンの友人、グリム兄弟も執筆したハーメルンの笛吹きに興味のある方はこちらも御覧ください。

あの影絵劇は誰が作っている?

日本で最初にできた影絵の専門劇団かかし座です。1953年NHK専属劇団になり影絵劇を多数制作、「パンをふんだ娘」を含めたくさんの名作を子供達に届けました。現在は番組「こどもにんぎょう劇場」はありませんが「おはなしのくに」や「みんなの歌」などで再放送されています。

HP NHK For School内こどもにんぎょう劇場 セレクションでいくつかの作品を配信しています。

劇団かかし座

敗戦後1947年鎌倉アカデミア(芸術専門学校1956年財政難で廃校)から演劇サークル「小熊座」の名前で後藤泰隆が設立し影絵の研究を追求します。1953年NHKの専属劇団。1959年に有限会社かかし座へ。以降、放送・舞台・CM・PV用の影絵を世界中で発表、認められ受賞も多数。後藤泰隆死去後、後藤圭が就任しました。

劇団かかし座のHPはこちら

「長靴をはいた猫」など

・マッチ売りの少女・きかんしゃやえもん・宝島などの作品を影絵劇で演じ、テレビ以外にも演劇と影絵の融合「オズの魔法使い」や4人で100種類の手影絵を表現するANIMARE(アニマーレ)は世界中のフェスティバルに毎年参加、他にドキュメンタリー映画・影たちの祭りも制作し影絵や演技の素晴らしさ唯一無二の個性を発信し続けます。

「パンをふんだ娘」は奥が深い

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子供の頃に見てトラウマになったという人が数知れず、あの歌が忘れられないと紹介する芸能人もいるほどです。テレビ放送では「小鳥はどこまでも飛んで光の鳥になったのかもしれないね」と最後まで人の姿には戻れないのも落ち込む展開です。罪は取り消せず、後には大きな代償があり精一杯の施しはゆるしに近づくと人々に訴え続けるのです。

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