バラモン教から、ヒンドゥー教へと変化した際に、取捨選択により大きく変わった部分もありましたが、聖典は「ヴェーダ」のままです。輪廻転生やカーストも、そのままヒンドゥー教へと引き継がれました。
ヒンドゥー教はヴィシュヌやシヴァの神が主神
バラモン教では、「インドラ」「ヴァルナ」「アグニ」などが重要な役割を持った神でしたが、ヒンドゥー教では、「ヴィシュヌ」や「シヴァ」など、バラモン教の頃には脇役だった神が重要な役割を持った神となりました。
バラモン教から受け継がれるカースト制度は抜け出せるのか?
現代のインド国内におけるカーストに対する意識は、都市部では曖昧になってきており、ヒンドゥー教徒の中でも自分のカースト階級を知らない人もいます。しかし、農村部では今でもカーストの意識が根深く残っています。
他の宗教へ改宗する
カーストはヒンドゥー教内の身分を分ける制度なので、他の宗教に改宗することでカーストの枠から解放されます。差別される苦しみから抜け出して自由になるために、イスラム教へ改宗した人がたくさんいます。
インドでは消滅しかけていた仏教も、カーストによって苦しんでいた不可触民の受け皿となり、復活しています。不可触民の指導者であるビームラーオ・アンベードカルが改宗したのを切っ掛けに、約50万人の不可触民が仏教に改宗しました。
カーストと結びつかないIT関連の職業は救いの道
カーストの一部であるジャーティの中でも、固有の職業を持ったジャーティは世襲制なため、ジャーティから抜け出すのが困難です。IT関連の職業は、新しい仕事なのでジャーティ内に区分がありません。身分や区分に関係なく仕事に就けるので、インドでは人気がある職業です。
諦めるしかない
インドでは、憲法(1950年に制定)によって、カーストを理由とした差別を禁止しています。しかし、インド社会では国民の8割がヒンドゥー教徒なため、カーストによる差別が深く根付いています。抜け出す術を見つけられない人は、カーストを作ったヒンドゥー教の教えにある、来世での生まれ変わりに希望を持って生活しています。
仏教と同じ時期に生まれた宗教
紀元前500年頃、インドにはヴェーダの宗教ではない、新しい思想をする思想家や宗教家、修行者がいました。彼らのことを「サマナ(沙門)」といい、お釈迦様もその内の一人でした。この頃、「サマナ(沙門)」からは、新しい宗教や思想がたくさん生まれました。現代に生まれた世界一ふざけた宗教に興味のある方は、こちらもご覧ください。