アンドレイ・チカチーロとは?
ロシアでも最も危険な人物で有名なある殺人鬼がいます。名前をアンドレス・チカチーロといい、彼の所業は近代の社会においてもとてもショッキングな事件でした。
しかも、長い年月に渡って犯行を繰り返し、とても大勢の人を殺害しました。ここでは大まかな詳細について紹介していきます。それでは、戦慄の内容をご覧ください。
旧ソ連の連続殺人鬼
まだ、ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊する前に起きた大事件の渦中の人物です。この事件は、ロシア史上最も凶悪な事件であると当時に、世界でもあまり類を見ないぐらい恐ろしいものでした。
近代の社会において、起きた最も野蛮な事件の一つと言えます。映画や漫画を超えるほどの非現実的に感じられる恐ろしい出来事と言えます。
ロシア全土にて12年間で52人を殺害
なんと、ロシア全域を含んだ場所で、52人にというとても大人数の人々が彼の手にかかりました。また、人数だけでなく、その犯行は10年以上に渡るかなり長い時間継続されていました。
現代の社会では考えられないくらい異常な事態だったと言えます。実際、人数においては世界の人殺しの中でも特に被害者が多い事件でもあります。
文明社会史上最も凶悪な殺人鬼
チカチーロは、これだけ恐ろしい所業をし、人数や年月も含めて桁外れな犯罪を行いました。そのため、別名では、「ロシアの死神」や「赤い切り裂き魔」などおぞましい呼び名で人々に語られることになりました。
中世を終え、法がさらに整備され、より文明的になった世の中においてこのようなモンスターが存在したのは驚愕の事実でもあります。
アンドレイ・チカチーロはなぜ連続殺人鬼になったのか、原因は生い立ち?
果たして、このように人の所業とは思えないような犯罪を犯したチカチーロは、若い時にどのようにして育っていったのでしょうか。ここでは、家族との関係や少年時代の彼に起こった出来事について語っていきます。
彼はさまざまな影響を受けて人格が形成されていきました。しかし、それを通したとしても彼の行いはしょうがないとは言い難いです。
母親の洗脳教育や第2次世界大戦時の心的外傷
人々が飢えで苦しかったため人を食べていたという話や、チカチーロの兄は人に食べられてしまったと母親から何度も聞かされて洗脳されていました。
また、一説にはチカチーロの妹は母親がドイツの兵士に強姦されてできた子供だと言われています。そして、その強姦の現場をチカチーロは目撃してしまったのではないかと言われています。
大学受験の失敗
周りでは知らないものはいない程、勉学において優秀でした。ロシアでとてもハイレベル大学であるモスクワ大学を受験しましたが、不合格になりました。
彼は、試験に対してかなりの手ごたえを感じていました。なので、父親がドイツ軍の捕虜になってしまったことが原因で落とされたと考えました。かなり思い込みが激しい人物とも言えます。
勃起不全への強いコンプレックス
先天的なインポテンツだったと言われています。ある日、彼は自分がうまく勃起できないことに気づいてしまいました。いつのころからか、神の意志によって、自分はインポテンツにされてしまったと勝手に思い込むようになってしまいました。そのような経緯から、彼の歪んだ精神はより拍車がかかっていったのかもしれません。
同僚に自慰行為を目撃される
勃起不全ではありましたが、たびたび無意識に自身の性器をいじる様になりました。そして、一日何度もマスターベーションにふける様になり、仕事中でもたびたび行っていました。
ついに、勤務中に同僚に自慰行為をしているところを目撃されてしまいました。この自慰中毒とも言える行動は、常人の枠を超えているようにも見受けられます。
高いプライドと自身の過大評価
幼少期は秀才と呼ばれていて、プライドもとても高かった彼は、自分なりの解釈をすることによって歪んだ自己解決をして心の均衡をはかっていたとも言えます。
その解釈は思い込みが激しく、危険なものでした。また、数々の心にダメージを与えるようなことがありました。このような要素が殺人鬼になってしまったことに関係してるとも言えます。
アンドレイ・チカチーロは秀才?彼の人物像や家族構成とは
時折、シリアルキラーには高い頭脳を持つようなものが出現します。果たしてチカチーロの学校での成績はどうだったのでしょうか。また、驚異の殺人鬼でもありましたが、彼は家族を作りました。
かたや家庭で生活を、裏側では殺人を繰り返すという二重生活をしていました。ここでは、家族構成や彼の子供はどうなったのかについても触れていきます。
幼少期は地域で秀才と言われた
目が悪かったことや、なで肩だったり、乳首が大きかったことから周りの子供たちからおかまと馬鹿にされていました。またインポテンツというコンプレックスもありました。なので、彼は勉強にとても力を入れてました。
そのおかげもあってか、逆境をバネに切磋琢磨し、その地域では秀才と呼ばれるまでの存在になりました。
結婚してからは妻と子供2人の4人家族
殺人鬼として有名になりましたが、実は自分の家族を持っていました。勃起不全とはいえ、子供を二人ももうけることができました。
しかし、彼にとって性行為は重荷でしかありませんでした。性行為の仕方も妻の中に射精するのは自分の指でしごいてするといった具合でした。最終的には妻との性交をしなくなっていました。
実は息子も殺人鬼となった
父親が凶悪な殺人鬼だったというのが影響しているのか、息子のユーリーも問題行動を多く起こしました。暴力事件に始まり、窃盗などを行いました。
そして、最終的には父親と同じように被害者をめった刺しにしてしまうという殺人事件で逮捕されるに至りました。残念なことに、父親と同じような道を歩んでしまうことになりました。
アンドレイ・チカチーロの犯行の軌跡
実際に、どのような犯行を先駆けに次々と殺人を犯していったのかに迫っていきます。基本的には、女性をターゲットにて犯行を重ねていきましたが、実際に被害者にはどのような人が多かったのでしょうか。
また、最後の被害者はどのような人だったのかについても述べていきます。そして、最終的にどのような状況で逮捕されたのでしょうか。
最初の被害者レーナ・ザコトノワ(9)
わずか9歳の少女を皮切りに殺人が行われました。レーナを連れ出して、強姦を試みたが、勃起することができませんでした。
抵抗する彼女を無力化しましたが、再び息を吹き返したことに驚き、彼女の性器をめった刺しにして殺してしまい、その最中に射精をしたそうです。最終的に、袋に詰めて川に遺棄しました。
冤罪で殺されしまった人も
この事件は、当事者同士以外にも不幸な目にあってしまった人物もいます。「アレクサンドル・クラフチェンコ」という人物が冤罪で逮捕され、民警によって自白を教養され処刑されてしまいました。
当時の捜査の在り方の恐ろしさを物語っています。近代の過渡期には冤罪が多発していましたが、さまざまな犠牲者が生まれていたと言えます。
売春婦やホームレスを次々に殺害
酒やお金を与えることと引き換えに次々と、売春婦やホームレスをだいたいが森の近くに誘い出して殺していきました。しかも、子供に関しては男女関係なく、おもちゃやお菓子をあげるといって誘い出し次々と殺害していきました。
やはり、一定数そのような誘いのってしまう人物は存在してしまうので、味を占めてしまったのかもしれません。
52人目の被害者スヴェータ・コロスティック(22)
最期の犠牲者となったのは、若干22歳のスヴェータ・コロスティックという女性です。彼女の場合は、殺害後、身体をずたずたに切断されました。
この犯行の際に、返り血がついたまま歩行しているところをパトロール中の警官に目撃されました。52人目にしてやっと、目撃されるというのも彼の悪運の強さを物語っています。
返り血を浴びて歩いている所を発見され監視下へ、そして逮捕
警察に捕まることになり、職場での勤務の記録が調べられることになりました。犯行が行われた日時と出張の記録が完全に一致したため、特捜班の監視下に置かれることになりました。
証拠が不十分であったため、すぐに逮捕には至りませんでした。しかし、さらなる犠牲者がでることをことが懸念され、最終的に約2週間後に完全に逮捕されました。
アンドレイ・チカチーロの残虐極まる凶行
なぜ、こんなにも罪を重ねていったのでしょうか。根底にはどのようなものが原動力になっていったかについて掘り下げていきます。
また、どのようにして人を殺害していったかについても述べていきます。とても過激な内容なので、ご不安な方はご注意ください。とても理解しがたい行動で、同じ人間とは思えないぐらいです。
性的興奮を満たすために殺害を繰り返した
ネクロサディストにあたる言われています。それは人の死や死体を傷つけることで、性的な快感を得るという恐ろしいものです。インポテンツではありましたが、死体を損壊することで射精ができたという話もあります。
逮捕後などは、家族のためにもちゃんと自分の機能不全と向き合うべきだったとも語っていました。
ナイフでめった刺しや体の一部を食い千切る
被害者をめった刺しにするのですが、その刺し方も執拗に性器を刺すという残虐ぶりです。そして、その後体を食いちぎったりして、バラバラにしたりします。また、毎度被害者の目をえぐっていたそうです。ロシアの諺には、殺された人間は、殺した人間のことをその瞳に焼き付けるというものがあり、彼はそのためにそのような行為を行っていました。
死体の一部を食べる異常行動も
母親の洗脳の影響なのか、殺害し死体を傷つけるだけでなく、なんと死体の一部分を食べてたり、持ち帰ったりもしていました。
人を人と思わないような、サイコパスにも似た感覚の持ち主だったとも言えます。人を食べる行為をカニバリズムといいます。詳しく書いてある記事がありますので、深く知りたい方はご覧ください。
チカチーロはサイコパス?
前述であがった、殺人なのに関連してよく聞く言葉の一つにサイコパスという言葉がありますが、いったいどのようなことを表すことなのでしょうか。メディアなどでのその言葉の起用のされ方から誤解も生みやすい言葉でもあります。
ここでは、サイコパス、サイコキラーについて少々解説していきます。
サイコパスの誤解
まず、サイコパスとは、よくイメージされがちな殺人を楽しむような人のことを指すわけではありません。まず、精神病質者のことを指すのであって殺人者のことを言うわけではありません。そして、異常ではあるのですが、精神病とはまた違い、だいたいの場合は通常の社会生活を営んでいます。
では、サイコパスとは
表面上は常人のように見えたり、振る舞いができるが、先天的に他者に対して愛情や思いやる心などがなく、善悪に対する考えが欠落しています。なので、社会のルールを犯しても、罪悪感や後悔したりすることがありません。
殺人や暴力事件を犯してないだけで、サイコパスであっても表裏ともに社会に溶け込んでいるといったケースもあります。
人を誘うのがうまい
愛情などを持たないにもかかわらず、他人が考えていることを理解できてしまうとも言われています。ただ、サイコパスが何かを企むときに必要な時だけ、他者の考えを理解する能力が発動します。
しかし、サイコパスが濃厚と診断されたものの中で、他人の気持ちを読み取る能力が低いものほど、暴行罪を犯すものが多いという研究成果もあります。
サイコキラーとは
前述のサイコパスの性質をもったものが、何かのきっかけで殺人などに歯止めが効かなくなったものをサイコキラーと呼びます。
なので、チカチーロは二重生活を行いながら殺人を続けていたし、他者を思いやるような気持ちや善悪の概念がないように見受けられる点からもサイコパスの要素が濃厚にあったと猟奇的な人殺しだととも言えます。
アンドレイ・チカチーロの凶行を止められなかった原因
どうして12年間というとても長い間彼は捕らえられなかったのでしょうか。そこには当時の旧ソ連の社会の在り方が影響していました。それだけでなく、チカチーロは通常の人とは違う、特別な体質を有していました。
そのおかけでより、逮捕に至るまでかなりの年月を要してしまいました。殺人として縦横無尽に行動していた納得の事実が存在します。
ソ連社会に蔓延していた事なかれ主義
当時のロシアでは、政府を批判することはとてもリスクがあることでした。もし、何か不満や意見を述べようものなら、社会主義という社会自体へ反旗を翻すことと捉えられ、弾圧される対象に十分になりえたからです。
人助けですら、厄介事に巻き込まれかねないですし、当時の人々は、何事に関わりたくないという風潮がありました。
同一犯だという判断がかなり遅かった
チカチーロはとても広範囲に渡って犯行が行われていました。また、前述の事なかれ主義もあってか、現場毎での警察の連携もうまく取れていなかったこともあり、なかなか方々で起こる事件が同一人物のものとは推測されづらいという状況がありました。