生きた化石「肺魚」はどんな生物?魚なのに溺れて死ぬって本当?

「生きた化石」と呼ばれる

TheDigitalArtist / Pixabay

生きた化石、それも魚とくれば多くの人がシーラカンスを思い浮かべることでしょう。手足のようなヒレが特徴的なシーラカンスや肺魚は肉鰭類(にくきるい)と呼ばれ、魚類が陸上へ上がって爬虫類へと進化する途中の存在だと言われています。

「古代魚」の区分は?

geralt / Pixabay

ひとくちに「古代魚」と言っても何を持って「古代魚」とするのか?すぐに答えられる人は少ないと思います。この項ではどのような魚が「古代」に当てはまるのかを解説します。生物としての歴史が長いからと言って古代魚に当てはまる訳ではないのです。

硬骨魚類

きちんと定義が決まっている訳ではない「古代魚」という言葉ですが、古くから存在すると言われるサメはこの「古代魚」には当てはまりません。古代魚というのはあくまでも硬骨魚類であることが条件なのです。その中でも特に古い系統で、尚且つ化石が発掘されていて現在も生きながらえている魚が古代魚と呼ばれます。

古代魚①シーラカンス

出典:PhotoAC

肉鰭類であるシーラカンスは肺魚と比較的近い種であると言えるでしょう。絶滅していると思われていただけに、生き残りもほんの僅かです。化石の存在でしか知られていなかったシーラカンスが現存していると知られた時はとても話題になりました。

古代魚②ガー目

出典:PhotoAC

二属七種存在するガー目。アリゲーターガーやスポテッドガーなど、観賞魚として名が知れています。ですが現在、成長すると2mを超える種類もいることで飼い主が近くの川へ捨て、その川で繁殖し、生態系を崩すことが問題視されている魚でもあります。

古代魚③アミア・カルヴァ

出典:Wikipedia

肺魚が誕生したデボン紀よりも後、恐竜が反映した中生代に生きていたアミア目唯一の生き残りがアミア・カルヴァです。古代魚の括りに属す通り、様々な魚類として古い特徴を持っています。飼育下において生餌を食べる際にワニのようなデスロールを行う事もあります。

古代魚の共通点

chachaoriginal / Pixabay

古代魚は肺魚を含め、紹介した上記三種の他にもいますが、共通点として「動きが比較的鈍く、大型で、空気呼吸が可能である」という点などが挙げられます。進化過程らしい名残や肉食であるというのも、古代魚の魅力の一つと言えるでしょう。

デボン紀はどんな時代?

qimono / Pixabay

肺魚という存在が誕生したのは現在からさかのぼること約4億2000万年前。人類誕生は約500万年前と言われており、肺魚は地球に根付く生命としては人間の大先輩と言えるでしょう。肺魚に関する見識を深めるべく、デボン紀について取り上げます。

魚の時代

visavietnam / Pixabay

現存する多くの魚は「硬骨魚類」として分類されます。骨格の大部分を硬骨と呼ばれる硬い骨で形成した魚のことを指し、サメやエイなどはこれに当てはまりません。そんな硬骨魚類もこのデボン紀に大発展を遂げ、出土する多くの化石によって多様な進化と種類が確認されたために「魚の時代」と呼ばれるのです。

シダ植物も繁栄

Pezibear / Pixabay

デボン紀より前の植物はそもそも水中にしか存在しておらず、満を持して地上進出を果たしたのがこの時代です。魚だけでなく植物も大いなる進化を遂げて現在に至ります。植物の繁栄という事実は動物の繁栄にも大きく関係していることでしょう。

NEXT 昆虫・サメもこの時代に