こうして次々に殺人を繰り返す犯人ですが、その数はさらに増えていきます。ここでは実際に認められた殺人事件の最後の犠牲者である女性について、その犯行内容とどういった動機で殺人に踏み切ったのかについて見ていきたいと思います。
アフリカケンネルで働く息子を持つ母は関根元と肉体関係に
殺害された女性は関根元の経営するペットショップで勤務する男性の母親で、さらに彼はこの女性と浮気をし、肉体関係も持っていました。こういった事もあってこの女性は犯人に対して強い信頼を寄せていました。この頃になっても今回の犯人の浮気癖は治っていませんでした。
経営難の打開策?従業員の母に株主になるように持ち掛ける関根元
犯人はこの浮気の関係から生まれた強い信頼関係を利用して女性にビジネスの話を持ち掛けます。それは女性に株主になってほしいという相談で、女性はこの話を承諾して関根元に対して出資金を支払っています。
しかしながらこのビジネスの話は全くの作り話で、犯人の幼い頃からの虚言壁から作られた架空のものでした。信頼していたというのもありますが、うそを簡単に信じ込ませる能力も、この男は持ち合わせていました。
返金を求められる前に従業員の母を殺害
しかし犯人はここでも女性から嘘がばれた際に返金を求められてしまうのではないかと疑心暗鬼に陥りまたもや殺害をする事を決めます。殺害の際にはこれまでと同じように薬品を使っての殺害方法を行いました。
この犯行が他の犯行内容と違う点は妻が共犯したという証拠がないという点で、この殺人事件だけは関根元の単独での犯行だとされています。また、死体を処分する際にもこれまでの共犯者の男性を被害者がしたいになってから初めて合わせるといった相違点も見受けられます。
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“埼玉愛犬家殺人事件”の特徴とは?遺体なき殺人?
この連続殺人事件の大きな特徴の一つとして、完璧なまでに死体を処分するという点が挙げられます。ここでは今回の事件で犯人が行った非常にグロテスクで常軌を逸した死体の存在しない殺人事件とも言われる処理方法について見ていきます。
“ボディを透明にする”?遺体を消滅させようとした関根元
犯人は殺人の際に死体の体を限りなく透明にする、つまり死体が亡くなるまでばらばらに解体するようにしていました。死体の肉を隅々まで切り刻み、骨も粉々に砕くなどその処分方法は徹底していました。
さらに死体が所持していた物品は全て燃やすことで抹消しており、これが原因で捜査をしていた警察各所は物的証拠を中々獲得することが出来ませんでした。ここまでの死体の処分補法によって、これだけの殺人を行ったにもかかわらず逮捕を免れていたのです。
犠牲者は30人?立件されたのは3つの事件と4人の殺害のみ
そしてこの事件をより一層異常に見せているのは犯人が証言した殺害人数です。なんと30人もの人数を殺害したと発言しているのです。しかしながら実際に殺人を起こしたのが判明しているのはこれまでに紹介した4件です。つまりこの犠牲者以外にも殺害された人物が歌可能性もあるという非常に不気味な発言だと感じます。
“埼玉愛犬家殺人事件”発覚のきっかけは大阪で起きた類似事件
完璧ともいえる死体処理によって逮捕を逃れてきた犯人ですが、とうとうこの殺人事件もついに発覚してしまいます。ここではこの連続殺人事件がどのようにして発覚したのか、その詳細について迫っていきます。
大阪愛犬家連続殺人事件をきっかけに発覚した関根元ら犯行
この殺人事件が発覚した要因として、大阪府で勃発した類似する殺人事件がきっかけだとされています。この事件によって埼玉で犯人が起こしていた犯行内容に注目が集まることとなり、マスコミも先行することによって騒動に発展していったのです。
こうしたことによって彼は警察に疑われ始めることとなるのですが、これまでの死体をできる限り透明にしようとするという徹底した証拠隠滅によって証拠を突き付けることができず、時間だけが過ぎていくこととなります。
共犯者の山崎永幸の自供によって明るみに
しかしここで決定的な証拠としてこれまで協力してきた男性が別の事件で逮捕された際に取り調べの中で犯人が起こした事件について自供しだすのです。これによって死体の処分した場所を吐き、見つけることができなかった証拠を手に入れることができたのです。
この証言によってこの異常な連続殺人事件は明るみとなり、とうとう犯人は妻と共に逮捕されることとなりました。事件の発覚が、共犯者の証言というのは、なんとも間抜けな顛末だと感じてしまいます。
“埼玉愛犬家殺人事件”の結末は?それぞれの判決は?
ここまで今回紹介する事件の犯行内容、及び事件が発覚し逮捕されるまでの顛末について見ていきました。ここからは犯人とその共犯者たちが逮捕された後の判決内容について、それぞれ見ていきたいと思います。
共犯者の山崎永幸は懲役3年の実刑判決
今回逮捕された犯人のうち、脅されて共犯者になっていたペットショップの役員男性は懲役三年の判決が下りました。この判決になったのは、犯人夫婦に脅迫されながら強制的に事件に加担させられたからだと判断したからだと考えられます。
この男性の刑が軽かった事には直接的に殺人を行っていない事や脅迫されて遺体を運んでいたことなどしか犯行がなかったことなども原因として挙げられ、また今回の事件の重要な証言を自供したという点も考慮されてのことだったのだと思います。
関根元と風間博子は死刑判決に
そして今回の事件の主犯である夫婦には死刑の判決が下りました。ここまで見た残虐であまりにも利己的な殺害動機などを考慮すれば、この判決内容は納得できる内容だと感じます。今回の判決は夫婦2人が同時に死刑を宣告されるという珍しい裁判内容でもありました。
裁判の中で主犯と妻との間で意見に矛盾した点があったり、裁判中は顔を見合う事がなかったなど、険悪な雰囲気での裁判でした。しかし死刑の判決が下った今、しっかりと死刑のその日まで罪に向き合っていって欲しいと感じます。
その他の死刑囚に関して知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください。
関根元と風間博子は結局どうなった?2人の間の娘の告白も話題に
こうして死刑の判決を受けた今回の主犯二人ですが、結局のところ二人は最終的にはどのような結末を迎えたのでしょうか。ここでは関根元死刑囚と風間博子死刑囚の死刑の宣告後と二人の娘についても触れていきたいと思います。
関根元は2017年に留置所で病死
しかしながら犯人は最終的には死刑になることは在りませんでした。なぜならば獄中で死刑囚が病死してしまったからです。これによって死刑による法の裁きを下す事ができず、後味の残る結末となってしまいました。
こうして最終的に病気によって死亡してしまった関根元ですが、人とは思えない数々の悪行を行い続けたモンスターの最後が病気による死というのは、なんとも人間らしいいたって普通の最後だなと感じてしまいます。
風間博子の詳細は不明とのこと
そして今回の事件の共犯者である風間博子ですが、こちらの詳しい執行に関しての情報は不明といった状況でした。恐らくは未だに獄中で死刑の日が訪れるまで待っている状態なのだと思います。少しでも今回の事件について向き合い、反省してから死刑を執行して欲しいと感じます。
両親が逮捕され死刑囚となった娘のその後
実は夫婦には実の娘がおり、家族が凄惨な事件を起こし、そして逮捕された後の自分自身についてかつて取材した記者のインタビュー内で話していました。どうやら事件後娘には非常に厳しい現実が待っていたようでした。
娘は事件後友人たちから関係を切られてしまうなどされ、そして年齢が上がるにつれ親に対しての憎いという気持ちも増していきました。しかし成人後には母である風間博子とは文通を交わしており、心の中で何かしらの変化が起きています。
しかし母親とは向き合っていったものの、父とは現在まで一度もあっていないとも語っていました。そして事件についての本当のことを、しっかりと話してほしいとも語っています。やはり娘は未だに事件については複雑な思いを持っているようでした。
関根元らによる“埼玉愛犬家殺人事件”をモチーフとした映画作品
こうして様々な遺恨を残したまま結末を迎えたこの事件ですが、実はこの事件をモデルとした映画作品が存在するのをご存知でしょうか。ここでは関根元の起こした事件をもとに製作された映画作品を紹介していきたいと思います。
園子温監督作品『冷たい熱帯魚』
この事件をモデルとして制作された映画は冷たい熱帯魚というタイトルで放映されました。所々事件の内容と変更されている点がありますが、事件の核心的な部分である狂気的な犯行内容に関してしっかり再現されており、非常に猟奇的な場面も存在しています。ですので視聴するさいには注意が必要かと思います。
ペットショップを熱帯魚屋に置き換えたストーリー
この映画では犯人の経営している店がペットショップから映画のタイトルにあるように熱帯魚を取り扱う店に変更されてストーリーが進んでいきます。そしてこの映画のおおまかなあらすじですが、熱帯魚屋の店主が自身の娘が万引きを働き、逮捕されるという状況を同じく熱帯魚屋を経営している男の仲介によって助けてもらいます。
その後この熱帯魚屋同士は親しい間柄になります。しかし真相は娘を助けてくれた男は殺人鬼であり、それに気づいた熱帯魚屋の店主は彼の持つ狂気的な雰囲気に飲み込まれていき、そして後戻りのできない領域にまで足を進めてしまう、といった内容となっています。
この作品内は今回の事件がモデルになっているということもあって非常にグロテスクな犯行の場面が多く登場します。死体を完全に処分するという内容もしっかりと再現されており、人間の狂気ともいえる部分をこれでもかと押し出す内容となっています。
世界にもいた!アメリカの死刑になった連続殺人鬼を紹介
ここまで事件について見ていきましたが、世界を見渡すと異常な犯行を行う連続殺人鬼は多く、彼らに共通するのは狂気的な人格、精神面だと感じます。ここでは世界の連続殺人鬼について紹介していきたいと思います。
14歳から殺人を続けたヘンリー・リー・ルーカス
ではまずは未成年での殺人、そしてその後の殺人人数が異常である連続殺人鬼を紹介していきたいと思います。この人物は性欲的な意味で異常な精神構造を持っており、わずか14歳での殺人からなんと逮捕されるまでに300人以上の殺人を行い、そして死刑となっています。
彼の精神をここまで狂気的に形作ったのは幼少期の経験であると考えられ、親から受けた激しい暴行と、それによる女性に対しての感情が彼をここまでのモンスターにしてしまいました。やはり幼少期に受ける感情というのは、非常に重要な要素であることが分かります。
ヘンリーが持つ異常な性的嗜好
そして彼の暴力的な衝動の中心にあったとされるのは女性、そして性的なものでした。彼は自身について相手を殺害しなければ快感を得られないといった発言もしており、暴力と性的嗜好がリンクしてしまっている異常な精神の持ち主でもありました。
また、彼も関根元と同様に虚言壁の持ち主だったようで犯行について自供した際には3千人以上を殺したと警察官に話しています。殺人鬼と虚言には何かしらの類似した関連性があるのかもしれません。
30人以上の女性を殺害した死刑囚テッド・バンディ
世界の連続殺人鬼について紹介しましたが、次は頭脳明晰でハンサムな容姿でありながら、女性だけを標的に異常な数の殺害を行ったアメリカの連側殺人犯について見ていきたいと思います。この犯人の残虐な犯行内容も、とても人間とは思えない常軌を逸したものでした。
テッド・バンディの異常な犯行内容
彼の犯行内容はサイコパスと言うほかありません。女性だけに対して声をかけ、警戒が解けた瞬間に相手の意識を奪い、強姦といった行為を行う狂気に満ちた犯行を終えた後、殺害するという手口で何十人もの女性を殺害しています。
さらにこの犯人が恐ろしいのは死体に対しても強姦を加え、さらにはそれを楽しんでいたという点です。さらにこの犯人はこれらの犯行に対して何の罪の意識も持ち合わせていないという、とてつもなく邪悪な心の持ち主でした。
1989年に死刑が執行される
今回の犯人ももちろん死刑の宣告を受けました。そして42歳の時に死刑は実行され、アメリカの電気椅子を用いた方法で処刑されました。そして犯人の死について信じることが出来ない市民の為に死体の写真が大きく載った事でも話題になりました。
これだけの数の殺人事件を起こしておきながら、何の罪の意識がないというのは異常としか言いようがありません。彼が死刑執行までの間、ほんのすこしでも罪の意識が芽生えていたことを、切に願うばかりです。
関根元が発端となった“埼玉愛犬家殺人事件”
ここまで関根元、風間博子による連続殺人事件について見ていきましたが、いかがだったでしょうか。犯行内容はもちろんのこと、その残虐性、そして死体を限りなくなくなるまで解体するという衝撃的な行為は、日本の殺人事件の中でも異彩を放っています。
しかし犯人は死刑の宣告後病気によってこの世を去ってしまい、本当に罪の意識はあったのか、その真相は謎のままで終わりを迎えてしまいました。今後このような悲惨で恐ろしい殺人事件が起きないことを、本当に願うばかりです。