春の音「ホーホケキョ!」その正体はウグイスの鳴き声!下手な時期も?

Array

ウグイスはとてもよく間違われやすい鳥がいます。メジロと呼ばれる鳥です。ここではウグイスとメジロがどのように間違われやすいのか、またその見分け方なども踏まえてご紹介させていただきたいと思います。

ウグイスと勘違いされやすいメジロ

ウグイスとメジロがそこまで混同されやすいのには訳があります。花札の絵柄の中に「梅に鶯」という柄があります。それ故にウグイスと梅にはゆかりがあり、梅にとまっているのはウグイスだと思われがちです。しかし実際はウグイスは花の蜜を食しません。

逆にメジロは花の蜜を好んで食すため、実は「梅に鶯」ではなく「梅にメジロ」が正解なのです。街中で梅や椿にいる小さな緑色の鳥を見かけた場合は、ウグイスではなくメジロの可能性の方が高いという事です。

大きさも色もそっくり

ウグイスの色は「ウグイス色」としても登録されているような深い緑と茶色が混ざったような色をしています。一方でメジロという鳥も同じ色をしており、体の大きさも同じような大きさをしているため、鳥類にあまり詳しくない方はパッと見ただけで見分けが付きにくいです。

見た目での判断は両方の鳥をよく見ていないととても困難ですが、綺麗な深緑色のメジロに対して、ウグイスは茶色みががった暗めの緑色をしているため、その色の違いが見分けるポイントとしておすすめです。

他の子でも面倒見の良いホーホケキョ

ウグイスが面倒見がよく、他の鳥の子供も育ててしまうというわけではありません。これは自然界で起こる壮絶な生存戦略の中にウグイスは身を置いているという事です。自分に不利になることは行わない野生の世界でどうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

他の鳥の巣に産み付ける托卵

ulleo / Pixabay

ウグイスが被害にあっているのはホトトギスと呼ばれる鳥です。カッコウ類はほかの鳥の巣に自身の卵を産む「托卵」を行います。大抵の場合は見た目から自分の卵ではないと判断され、巣から卵が取り除かれる場合が多いですが、ホトトギスの卵とウグイスの卵は非常によく似ているため、ウグイスはホトトギスの卵も一緒に育ててしまうのです。

托卵を行う理由にも様々な理由がありますが、一番は子育てにおける負荷を減らしつつ数を増やせるという生存戦略が大きいとされています。子育てには普段よりも多くの栄養を必要とし、雛を守るために戦わなければいけない事も多く、生きて行く上では困難なイベントなのです。

ウグイスの飼育

こんなにキレイに鳴く鳥は是非とも家で飼育がしたい!という方も多いのではないでしょうか。しかしながら残念なことに、現在日本ではウグイスの飼育が禁止されています。ではウグイスはなぜ禁止されているのでしょうか。

昔は大人気愛玩動物として飼育が行われていた

年配の方々の中にはウグイスを昔家で飼っていたという方がおり、実際に1950~1979年まではウグイスの乱獲が起こるほどに愛玩動物として人気の鳥でした。しかし、それ故に野生の数を減らしこのままでは種としての存続が厳しくなる事が懸念され、1980年に飼育が禁止されたのです。

世界には既に絶滅してしまった鳥も多く存在します。「リョコウバト」もその中の1種で、既に絶滅し待っている鳥ですが、なぜリョコウバトは絶滅してしまう事になったのでしょうか、詳しくはこちらの記事でご紹介させていただいています。

現在のウグイス事情

現在でもウグイスの数は減少し、「国際自然保護連合(IUCN)」の基準では「軽度懸念(LC)」という絶滅の恐れはないが、数を減らしている動物として分類されています。日本で野鳥を飼う事は法律として禁止されていますが、もし傷ついて動けなくなったウグイスを見つけた場合は地域の保護団体や、役所へ連絡する事をお勧めします。

珍しい鳥の飼育にご興味がある方は「ハリスホーク」という鳥をご存知でしょうか?鷲のようなかっこいい見た目を持ち、初心者の方でも懐かせることができるハリスホークについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

ホーホケキョを聞いて癒されよう

春にしか聞くことのできないウグイスのきれいな鳴き声ですが、文明が発達した現代では気軽に家でその美声を楽しむことも可能です。この記事を読んでウグイスのさえずりが聞きたくなった方は是非あらためて「ホーホケキョ」を聞いてみてはいかがでしょうか。

YouTubeで聞けるホーホケキョ

こちらではウグイスの可愛らしい姿と共に「ホーホケキョ」を聞くことのできる動画をご紹介させていただきたいと思います。画面越しにマイナスイオンがたっぷりと味わえる動画となっていますので、澄んだ美声で日頃の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。

ホーホケキョの正体とは!?

春の訪れを告げる「ホーホケキョ」、実はオスからメスへの求愛サインでした。さらに昔から親しまれていた「ウグイス」は、様々な鳴き方をしています。また春一番の早い時期にはメスのために練習するオスの「ホーホケキョ」を聞くことも可能です。街中で「ホーホケキョ」が聞こえたら少し目を閉ざしてその美声を味わってみてください。

ハリスホークに関する記事はこちら

リョコウバトに関する記事はこちら