火を通すとふっくら優しい口当たりとふわっとほぐれる食感を堪能することができます。また塩焼きの場合は味付けはとてもシンプルですのでほんのり磯の香りも楽しむことができます。少し辛口寄りの日本酒と合わせてるのもおすすめです。
キュウセンの塩焼き作り方
内臓を取って塩を振ってしまえばあとはグリルにお任せするだけで調理することができるお手軽料理ですが刺身に次いでその魚の味をじっくりと楽しめる調理法ともいえます。シンプルなだけにその味わいはとても奥深いのが塩焼きの特徴です。
材料とワンポイントアドバイス
- キュウセン 1尾
- 塩 適量
(引用:クックパッド)
塩の量はお好みに合わせたもので構いませんが焼いた際に大体は身から出た水分とともに流れていってしまうので、味が薄いと感じた時は醤油を垂らすなどして調節します。付け合わせには大根おろしが一般的ですが、主張の強い身ではないので身の味が負けてしまいがちです。
美味しい作り方
ぬめりやウロコを処理したら肛門から頭に向かって腹を割き内臓を掻き出します。腹の中や体全体を流水でよく洗い水気を拭き取ったら全体に塩をしてグリルで火がしっかり通るまで加熱します。サイズもそこまで大きくないので飾包丁は不要です。詳細なレシピはこちら
Contents
キュウセンのおすすめの食べ方③煮付け
白身魚と煮付け料理は大変相性が良いため、多くの人に愛されているまさに魚料理の定番な調理法です。また調味料を入れて火にかけるだけなので忙しい人にもぴったりともいえます。ぜひ脂もほどよくのった旬ものを煮付けでいただいてみてください。
キュウセンの煮付けの作り方
鍋に入れる前の準備は塩焼きと同じように内臓を取るところまでやれば問題ありません。煮汁の調味料も特別なものもないので常日頃ある調味料で作ることができます。生姜は臭み防止と風味づけの効果があるのでぜひ活用してください。
材料とワンポイントアドバイス
- キュウセン 2〜4尾
- 生姜スライス 適量
- 砂糖 醤油 酒 各1/2カップ
- 水または酒 適量
(引用:クックパッド)
こってりした味付けが好きな人は砂糖を少し多めにします。白砂糖よりもザラメ糖だとコクがしっかり出るのでおすすめです。逆に健康面を機にする人や優しい味付けにしたい人はきび砂糖が適しています。火が通ったら一度冷まし置きし、食べる際に加熱すると味がよく入ります。
美味しい作り方
ぬめりとウロコ、内臓の処理をし、しっかり洗って水気を切ったらあとは鍋に入れて煮るだけのお手軽料理です。磯臭さが苦手な人は一度腹の中に熱湯を湯通しして余計な血合いを掃除すると嫌な匂いが軽減されます。詳細なレシピはこちら
キュウセンのおすすめの食べ方④素揚げ
衣をつけずに豪快に素揚げにしてもおいしくいただけます。小さめの個体に適していますので、捌くのに難儀しそうなサイズのものが多くてに入ったらぜひ試してみてください。骨まで食べられるのでカルシウム満点の料理です。お子さんにも喜ばれます。
キュウセンの素揚げの作り方
3枚おろしとは違って背開きという捌き方を用いて下準備します。背開きに関しては動画を貼りましたので参考にしてください(動画はアジですがやり方は同じです)。あとは粉をまぶすことなく塩だけ振って油に投入するだけです。兵庫県明石に伝わる漁師料理でもあります。
材料とワンポイントアドバイス
- キュウセン 3尾
- サラダ油(揚げ物用) 適量
- 塩 少々
(引用:クックパッド)
火の通りをより良くするために背開きにしていますが、上手に開けなくても大丈夫です。味付けは塩のみですが、お好みでマジックソルトのようなスパイシーなものや、単体でタイムなどのハーブをまぶしてもおいしいです。油の温度は170度が目安。あまり高いと中まで火が通る前に外側だけ焦げてしまうので要注意です。
美味しい作り方
ぬめりとウロコを落としたら背開きにします。よく洗い水気を拭き取ったら全体に塩を振ります。鍋に油を入れて170度に加熱したら静かに投入します。じっくり揚げることで骨まで食べられるようになります。ぜひレモンを絞って食べてみてください。香ばしい骨とほくっと仕上がった白身が癖になります。詳細なレシピはこちら
キュウセンのおすすめの食べ方⑤南蛮漬け
南蛮漬けはアジを用いるのが一般的なのですが、実は西日本ではキュウセンも多くの料理店や家庭で作られています。お酢の酸味の効いた漬けダレを吸った身は冷めたままでもおいしく、夏の暑い日にもぴったりです。
キュウセンの南蛮漬けの作り方
漬ける前の魚の下準備は「素焼き」と「揚げる」の2種類ありますがどちらもおいしくいただけます。揚げた方が衣にもタレが染み込むので口に入れた時の口当たりがジューシーです。一方、素焼きはさっぱり食べることができます。
材料とワンポイントアドバイス
- 青ぎそ(キュウセン) 4尾
- 玉ねぎ(スライス) 1/2個分
- 酢 100cc
- 醤油 100cc
- 和風だしの素 小さじ1杯
- 水(だし用) 50cc
- 砂糖 大さじ4杯
(引用:クックパッド)
ここで紹介したレシピは野菜は玉ねぎのみを用いていますが、他にもニンジンやピーマンなどを入れると彩りも豊かになるので見た目も重視する人は色のある野菜を活用してください。一晩冷蔵庫で寝かせたくらいが丁度いい漬かり具合になります。
美味しい作り方
3枚おろしまでの一連の工程をしたあと、魚は素焼きにします。なお、ここで注意して欲しいのは「皮は取らない」というところです。素焼きすることで香ばしさが出てアクセントにもなるのでぜひ皮はそのままで調理しましょう。玉ねぎはスライスし、一度沸かして冷ました漬けダレに入れて一晩冷蔵庫で寝かせて出来上がりです。詳細なレシピはこちら
キュウセンのおすすめの食べ方⑥一夜干し
旨味が凝縮されるので塩焼きよりも好きという人も多い一夜干しもおすすめの食べ方の1つです。普通の焼き物に飽きた人や、普段から干物が好きな人にはおすすめです。塩味が入った白身は適度に引き締まっていてまた違った発見ができます。
キュウセンの干物の作り方
背開きにしたものを一度塩水に2〜3時間浸けます。水から上げたらしっかり水気を拭き取ってすぐに干さない場合は冷蔵庫で保存します。日が暮れたら風通しの良い場所に専用の干し吊り棚を使に並べて干します。約1日干してみて表面から水分が飛んでいれば完成です。
材料とワンポイントアドバイス
- キュウセン あるだけ
- 塩 大さじ1と1/2
- 水 500ml
(引用:クックパッド)
干す作業がもっとも重要になってきます。夏場であれば高温多湿、直射日光が当たる場所は避け、日陰で風の抜けが良い場所に干します。それでも腐敗が心配な人は大さじ1ほど塩を多めに加え、少し濃い塩水で浸けるという対策もあります。
美味しい作り方
ぬめりやウロコの処理をしたら背開きにして流水に当ててよく洗います。特に内臓の部分は血合いも多いので入念に洗い、水気もしっかり拭き取りましょう。塩水を作り2〜3時間浸けた後、水気を拭き取ってあとは干すだけです。外観からは想像できないほど透明感のある美しい白身に仕上がります。詳細なレシピはこちら
キュウセンをおいしく食べるための裏技
短所があるとすれば「ぬめりが気持ち悪い」ところと「磯臭さ」が他の魚に比べてつよいところなど、この2つが上げられる魚ですが、処理の方法さえ間違わなければ十分おいしく食べることができます。ここでは下処理の方法の裏技を紹介します
ぬめり対策
ぬめりは体を保護するものであり、魚が生きるためには欠かせない組織の一部になっています。がしかし、ぬめりを取り除かないとウロコも取れないし、捌くのも大変です。定番は塩もみですが他にも良い方法がないものかとお悩みの方は以下を参考にしてみてください。
ぬめり対策:氷水
塩もみをするのも嫌だという人は熱湯を全体にまわしかけてから、即座に氷水の中へ投入してみましょう。これはアナゴで使われるぬめり取りの方法です。氷水に入れると表面のぬめりが固まるのであとは包丁でこすれば簡単に取れます。ただし刺身で食す場合にはあまり適しません。
ぬめり対策:米ぬか
タコでよく用いられる方法です。タコは塩で揉むことにより身が固くなる性質があり、それを防ぐために米ぬかが使われます。ボールに魚と米ぬかを入れこすり続けると徐々に泥のように米ぬかがダマになってきます。そしたらこれをきれいに洗い流せば完了です。
ぬめり対策と磯臭さにも使える一石二鳥:酢
一般的な意見として磯臭いと言われる魚です。この匂いを消すために捌いたあとボールに入れ、酢をかける方法がありますが、酢はぬめり取りにも使うことができます。酢をかけて放置するとぬめりが固まり白い膜ができるのでこれを洗い流せばオッケーです。磯臭さ軽減とぬめり取りが同時にできるので合理的でもあります。
キュウセンだけではない!東西で扱いが異なる魚
関西、特に瀬戸内海をはじめとする中国地方の人たちから見たら信じられないほど、関東の人はキュウセンを食べることはありません。都内在住の人が関西のある居酒屋に行った際、キュウセンの南蛮漬けの存在を知って驚いたという話もあるほどです。ここでは東と西で扱いの違う魚をまとめてみました。
マグロ熱は東と西では大違い
正月になるとある寿司屋が本マグロを一頭買いしてニュースにもなるほど日本人にとって切っては切れない身近な魚、マグロ。でも実はこのマグロ西日本の人はあまり食べないのをご存知でしたか?そもそも赤身を好んで食べる文化のない関西ではその分、白身魚が愛される傾向があります。
出汁の取り方が影響の一つ
そもそも関西の人が赤身が嫌いというわけではありません。瀬戸内という漁場が鯛をはじめとした多くの白身魚が獲れる他、出汁などに昆布を多用するという習慣も影響しています。昆布は白身魚との相性も抜群です。昆布じめなど昔から昆布を使った魚の加工が行われおいしく食べられてきた文化が一つ鍵になっています。
タカベは関東では大人気!関西では外道
本州は太平洋側をメインに獲れる魚、タカベは伊豆諸島を中心に水揚げされ、関東圏では高値で取引される高級魚です。塩焼きは評価が高く、旬となる夏は脂ののりも良く多くのファンがいるほどで関東の釣り人は喜んでタカベを狙います。がしかし一方で関西ではまったく相手にされていません。なおタカベについてはこちらもご覧ください。
アイゴは危険な魚と嫌う関東
四国、九州では人気で、釣り人による大会も催されるほどのアイゴは、実は関東の釣り人の間では単なる危険な魚としての認識が高いです。ヒレには毒、内臓も臭みが強いので分かる気もしないでもないのですが、好まれる地域では釣り人は手際よく専用のハサミで処理をして持ち帰るそんな温度差があります。
キュウセンはおいしい魚!食べてみよう!
関西では有名でお馴染みの魚でも関東ではあまり知られていない魚、キュウセン。いかがでしたか。高級魚という点に驚かれた人も多かったのではないでしょうか。夏になると口にできる確率も高くなる魚です。釣り上げた時は嫌な顔せずにぜひその日の夜のうちに調理して食べてみてください。きっとその印象が大きく変わるはずです。