癇癪持ちとは?
昔から耳にする言葉で、人の性格などを表す言葉でもあります。一般的にあまり良い意味で使われる言葉でないです。辛抱強くない精神が未熟な人が持つような印象も受けます。このような気質は、果たして遺伝からくるものなのでしょうか。また、医学的などのように見らているかについても触れていきます。
癇癪持ちの特徴は、気持ちと行動のコントロールが難しい
誰しもが「かっとなる」ということがあるので、どこからが当てはるか線引きが難しいケースもあると思います。環境にもよりますが、感情の制御が著しく難しく、些細なことで怒ったり、怒りが長期化してしまう頻度が多い場合は癇癪持ちの可能性があります。俗に言う短気な人も癇癪持ちいれるのかと言われると微妙なケースもあります。
癇癪持ちは親からの遺伝ではない
基本的には癇癪持ちは親からDNAで受け継いだものではありません。ただし、親の所作を見て影響を受けたりということはあります。また、生活環境による場合もあります。他の遺伝的なものから付随して、結界的に癇癪持ちになっている可能性はあります。根になるものから派生し人格に影響を与えて、癇癪持ちになるというケースもあります。
医学的には
症状や状態が明確に判断はしにくいこともあるのか、診断名としては癇癪持ちという名では存在していません。癇癪持ちは精神疾患として微妙に認識されていませんが、精神疾患と言えばコタール症候群というものをご存知でしょうか。自分は存在していないと感じてしまう不思議な精神疾患です。ご興味ある方は、是非こちらの記事もご覧ください。
癇癪持ちの名前の由来
そもそも癇癪とは何を意味する言葉なのでしょうか。癇癪玉と言う言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。どちらにしても、爆発することをイメージするような言葉のようにも聞こえます。癇癪とは、爆弾のようなものなのでしょうか、それともなんらかの生物を指した単語なのでしょうか。それでは、諸説についてご紹介していきます。
「癇」とは
癇癪は二つの単語からなっています。「癇」とは、神経などが過敏なことを指し、ほんの些細なことでさえイライラしてしまったり、とても興奮するような性質のことを意味します。まさに、癇癪持ちそのものを表すいみです。癲癇(てんかん)、癇性(かんしょう)、癇癖(かんぺき)などどれも前述の意味に由来するような言葉に使います。
「癪」とは虫からきてる?
癪に触るなどでも使われるように、基本的な意味は気に入らないことで腹を立てることを意味します。柳虫(学名ではシロスジカミキリ)というものが疳の虫の薬として販売されていました。癪という漢字は疳と似たようなものなので、子供や怒りっぽい大人に対して、体内に疳の虫がいて悪さをしているせいだとも言われていました。
癇癪玉
実際、癇癪持ちと癇癪玉はどちらが先についた言葉かは定かではありません。癇癪玉とは、壁にぶつけたりして、刺激を与えることで爆発を起こすことができる火薬を使ったおもちゃです。しかも、ちょっとした刺激でも爆発するという点と、癇癪持ちが些細なことで怒りだすという点はとても類似している点と言えます。
大人の癇癪持ちの原因とは?
一見、怒りによって感情を抑えられなくなる点からも子供がもつ特有なものにも感じられるかもしれません。しかし、子供だけでなく成人した人にも癇癪持ちは少なくありません。ここでは、なぜそのようになってしまうのか原因についても迫っていきます。特に実社会に直に触れ合う機会のある成人の場合、より深刻な問題になっていることもあります。
原因①:発達障害
原因としてまっさきに疑われるものの一つに、その人物が発達障害ではないかということがあげられます。発達障害とは、先天的に脳の機能に偏りがある障害のことを言います。なので、得手不得手が著しい場合は、社会生活が困難な場合もあります。そして、その影響が怒りやすいということにつながっていることも少なくありません。
原因②:うつ病
日々憂鬱さに悩まされてしまい、イライラしてしまうことも多くなる可能性があります。そして、そのようなことが続くと自身の感情をコントロールしにくくなり、取るに足らないことでさえ、激しい怒りを頻繁に爆発させてしまうというケースもあります。時には、それが引き金で冗談ではすまされない大事件を引き押してしまうこともあります。
原因③:躁うつ病
前述のうつ病とは、逆の病になります。気分が高揚して、頭の回転も良くなる傾向があります。そのため、周りの人々が自分よりうまく物事を遂行できないことに、いら立ちをおぼえたり、はがゆいおもいをしてしまい、怒りやすくなってしまう場合もあります。周りが無能だと自己完結せずに、自分を見つめなおす機会を作ることをおすすめします。
原因④:セロトニン不足
俗にいう幸せホルモンといわれるものです。こちらが、不足していることによって癇癪を起しやすくなってしまうというケースもあります。不足しているからといって食物などから摂取できるものではありませんが、材料であるトリプトファンなどを摂ることはできます。生活リズムが乱れることによって、セロトニンが不足してしまう場合もあります。
原因⑤:子供の頃の辛い経験
さまざまなネガティブな経験があったり、心に焼き付いている場合、成長してから無意識に怒りがこみあげてきやすい傾向があります。また、逆に幼少期なんでも思い通りになっていたものが、実社会ではままならないという苛立ちが根っこにある場合もあります。いろんな過去に蓋をして、人生を歩んでしまってる場合はなかなか気づきにくいです。
原因⑥:脳に報酬系の回路がある
報酬系回路とは、褒めたりすることでドーパミンの分泌を促し、集中力を高めてくれるものです。しかし、怒ってばかりいる人物に関しては、それが習慣かしてしまうことによって、意のままに行かない時は怒れという回路が出来上がってしまう危険があります。また、そのような回路が出来てしまうと生涯をかけても修復することが容易でないです。
原因⑦:間欠性爆発性障害
文字通り急激に感情を爆発させてしまい、激しい言葉などで対象を攻撃してしまう障害です。このような症状のある人は、前頭辺縁領域の灰白質が少なくて、感情に関わる脳の部分が小さいという可能性があります。なので、感情を抑制するのが難しいです。こちらの場合で、自身で解決することは極めて困難なので、医師などに相談する必要があります。
原因⑧:女性の場合は生理前症候群の可能性も
女性の場合は、生理が関係してくるので、男性よりは情緒不安定になる傾向があります。個人差もありますが、ストレスもとても受けやすく、怒りやすくなる場合も少なくないです。エストロゲンやプロゲステロンの濃度が急激に変化してしまうのも要因の一つです。基本的には、自然なことではあるのですが、あまりにも習慣化してしまうと危険です。
大人になって癇癪持ちになりやすい人の特徴とは?
先ほどは、原因について言及していきましたが、ここでは癇癪持ちになる傾向のある人の特徴について述べていきます。実は、意外な事実が隠されています。特徴にあたるものは、いくつかは一般的には人として素晴らしいと思われる要素も多くあります。しかし、過度というものは何事も禁物で、適度にそのような性格を有しているのが望ましいです。
特徴①:真面目で几帳面
一見、素晴らしいと性格とも言えますが、実は怒りやすい原因にもなりえます。なぜなら、規則正しく生活しているゆえに、日々の生活でちょっとでもイレギュラーなことがおこると、ストレスを受けやすく、怒りとなって爆発してしまう傾向があります。生真面目な人がついかっとなって、大惨事を起こしてしまうというのは珍しいことではないです。
特徴②:我慢強い人
何かで受けたストレスを解消できず、ただ溜め込んでる場合は、一気に怒りを爆発させてしまう場合もあります。そうなると、よくある癇癪持ちの行動や言動に陥ってしまってるケースもあります。頻度は少ないかもしれませんが、ストレスが蓄積されると、ささいなことで怒る可能性も秘めています。人は、適度なガス抜きを行う必要があります。
特徴③:完璧主義者
完璧を求めるということは、他人に対しても同じように厳しい可能性があります。その場合、やはり対象者がうまくできないと怒りが込み上げてきてしまいがちです。自身の描く完璧さを他人に押し付けることにならないように努めましょう。性格と言えば、自己を知る方法の一つに六星占術があります。興味のある方はこちらもご覧ください。
大人が癇癪持ちにならないための対処法とは?
昨今、アンガーマネジメントという言葉を耳にします。怒りの感情に対し、管理していくことを言います。また、心の治療をする専門家にはどのような人々がいるでしょうか。さらに専門家を通さなくても、普段ご自分でできる対処法についてもご紹介していきます。単純で気軽にできるものでも、とても効果的なものもたくさんあります。
心の専門家
作業療法士、精神衛生カウンセラー、薬物カウンセラー、アルコールカウンセラー、ソーシャルワーカー、心理学者、精神科医などになります。自身でアンガーマネジメントができない場合、個人のそれぞれに適した、これらの専門家を頼ってみるのも一理あります。もちろん、なんとなく不安な人も早期発見という点でも良いです。
対処法①:生活習慣を見直す
まずは、生活のサイクルを見直してみるのをおすすめします。先ほど述べたセロトニンは日中に分泌されるのですが、夜は減少していきます。また、日光の光を浴びることも分泌を促すうえではとても効果的です。生活リズムが狂っていると、心も同様に乱れていきます。これは印象的なものだけではなく、生物の体の仕組みとして効果があります。
対処法②:適度に運動する
特に激しい運動というわけではなく、かつ人と競うようなものでもない、ウォーキングなどの一定のリズムで行う運動によって解消されることもあります。やはり、競うようなスポーツの場合は、血が上りやすい人にとってはかなり逆効果になってしまいます。適度な運動はストレスを軽減してくれますし、心に安らぎを与えてもくれます。
対処法③:気分転換を忘れずに
仕事などで休憩もせずにいるともちろんイライラしやすくなります。自転車のチェーンでさえ適度なたわみがないと、そのうち破損してしまいます。人の生活においても、もちろん遊びやゆとりは必要です。適度な気分転換を取り入れることは必要不可欠です。上手な休息をとれる人は、仕事においても優秀な人物である可能性もとても高いです。
対処法④:怒った原因を考える
自分はなぜ怒ってしまったのかの原因を考えることも重要です。同じことを何度も繰り返している場合などは、その根本となるものを解決することが最善のケースもあります。怒りのもとになるものを取り除けるならば、それに越したことはありません。原因を認識しないままでは、いつまでたっても怒っては後悔を繰り返してしまう可能性があります。
対処法⑤:怒る前に深呼吸する
単純な動作ですが、実は何よりも効果がある場合もあります。緊張状態や興奮状態において、ひと呼吸置くことは、古来から行われています。深呼吸は特に気軽にできる心を落ち着かせる方法とも言えます。かっとなったら深呼吸する癖をつけることをおすすめします。血圧が上がった状態では、心身ともにどうしても興奮がなかなか収まりません。
癇癪持ちの大人への対応とは?
ここでは、子供の癇癪持ちというよりは、大人の癇癪持ちの人に対する接し方について述べていきます。一見、会話においても基本的なものとも言えますが、こちらの方を改めて念頭においたり、整理することでよりスムーズに対応できる可能性があります。「基本的には良い人なんだけど、怒りやすいのがね、、」という人が周りにいる方は必見です。