フリッツル事件の概要|24年間監禁されたエリーザベトの現在と壮絶な監禁生活

精神的苦痛、肉体的暴力だけではありません。3日に一度はエリーザベトの元に行き襲うことが日課になっていた父です。繰り返される行為によって蝕まれていくのは身体と心でしょう。その間繰り返された行為でしたが、誰の耳にも届かなかったのです。

18歳の若さで行われていたことから、実娘には当然のように変化があります。性的虐待が彼女の身体や心を蝕んでいくのですが、逃げ場のない中で彼女はどのような生活を余儀なくされたのでしょうか。

レイプにより7人の子供ができた

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行われ続けた残虐な性的行為によって、当然のように起こることは女性ならではのことでしょう。精神的ダメージだけではなく、身体にも異変は付き物です。24年間の間に7人の子供ができましたが、全てヨーゼフのとの間に生まれたからです。あどけない少女はいつの間にか母親になりましたが、恵まれた環境であるはずもありません。

生まれた子供もまた、恐ろしい生活が待ち受けていたことが分かります。では7人の子供はどのような環境で育ったのでしょうか。そして、エリーザベトはどのような生活の中生き延びていたのか、そこには恐ろしい全貌が明らかになるのです。

7人の子どもの行方

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生まれた7人の子供は生まれた順で10週目で流産したことを皮切りに、ケルスティン(1989年生)・シュテファン(1990年生)・リザ(1992年生)そしてモニカ(1994年生)アレクサンダーと双子のミヒャエル(1996年生)・最後にフェリックス(2002年生)です。中でも双子のミヒャエルは、生後3日に医療的措置が行われないまま、実父に焼却されてしまいます。後に肺呼吸疾患と分かりますが、当然葬儀など行われることはありません。

リザとモニカとアレクサンダーの3人は、実娘から離され、ドアの前に置かれた子供として幼児期から養子として育てられたのです。あたかも実娘が置いていった子供ように書かれていた手紙と共に、養子として育てられます。ケルスティン、シュテファン5歳、フェリックスはエリーザベトと共に地下での生活を送るのです。

地下室に住む人間が増えると増築も

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地上と地下での生活が続く中、当然のことながら子供が徐々に増えるので、ヨーゼフは地下の増築を行います。壁の厚さは相当な重さもあり、地下に近付くことすらできません。生活スタイルはテレビにビデオ、またはラジオや冷蔵庫もあり、中では調理もできたほどの状態です。とは言え、薄暗い生活に陽が差すことはないことに変わりはないのが現状だったと言えます。

それもヨーゼフによって、配給が止められたり脅された中でのことなので有意義ではありません。エリーザベトは我が子のために読み書きを教えますが、教育を怠ると実父による過酷な恐怖が子供達にすら及びます。ソーシャルワーカーが家を訪ねてもことば巧みに、特に何気ない光景に誰も地下の様子には気付かないままときは流れて行ったのです。

フリッツル事件の発覚|24年の時を経て発見される

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2008年4月19日のこと、重い病気を患っていた地下にいた長女ケルスティンが意識不明になり、ようやく地上の景色を見て眩しさに驚くも一瞬のこと、すぐに地下に戻されたエリーザベト。病院に搬送され意識不明だったことを告げられる実娘の子供ですが、遺伝的なものであることが判明し、遅れて現れたヨーゼフによって再び隠蔽しようと企てられてしまいます。

長過ぎる月日の中で嘘が長く続いた生活にも、いよいよ解決の日が近付いていましたが、あまりにもときは長すぎたと言えるのではないでしょうか。ただケルスティンが運ばれたことで、そこから崩れていくのがフリッツル事件解決の糸口です。

長女重い病気から事件は解決に向かう

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エリーザベトの子供は、重い病気だったことが判明するのです。危篤状態だった長女は重い腎臓病だったことが分かります。ところが用意周到に持っていた、ケルスティンの母からとされるノートを提示しますが、2008年に投函されたものだと主張するのです。

医師が疑問視するほどの、奇妙なタイミングと内容などだったのでしょう。辻褄が合わないことが明らかになりますが、時間の経過はあまりにも長い時間を経ていました。医師の目は誤魔化すことができません。矛盾点が多いことに違和感を抱いた医師・スタッフによって、その後警察に通報が行きます。

警察が捜査を開始

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医師・スタッフによって話の食い違いを察した警察は、聞き込みなどを開始するのです。ヨーゼフの話に辻褄が合わないことに不審点を抱いた警察も、いよいよ本格的に動き出します。周囲に伺うなどや詳しい人物によって、再び行方不明とされていたエリーザベトの再捜査が始まることになったのです。

カルト宗教に入ったという言葉が事実かどうかも周りによって調べますが、存在しない宗教で入信の記録はどこにもありません。徐々に実父の話に矛盾が出てくることが明らかになっていくのです。一点が崩れると脆くなって行くのが事実ではないでしょうか。

父親が24年ぶりに娘を開放することを決意

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増築によって設置されたテレビを、実娘も当然目にするでしょう。テレビが備わっている地下なので、報道されたニュースは実娘の目にも分かります。父親に懇願するエリーザベトに、24年ぶりに子供達と共に解放することを決意するのヨーゼフです。直ぐに病院に向かいますが、ケルスティンが運ばれてから1週間後のことになります。ロゼマリアに告げたのは、24年ぶりに帰ってくるという話ですが、実際娘は病院の敷地内で連行・保護されたのです。

地下で育てられた子供達も、外の光景を見るのは初めてと言えるでしょう。母親ロゼマリアの心中もまた想像を絶するものといって過言ではありません。そのときの姿を目に浮かべただけで、恐ろしい生活を送っていた地下室生活のエリーザベトと子供達の表情は青ざめていたことも確かなのではないでしょうか。

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