フリッツル事件の概要|24年間監禁されたエリーザベトの現在と壮絶な監禁生活

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ただ精神的にも肉体的も暴力が許されることではないことも明らかでしょう。彼女にとって大切なのは幸せな家庭だったのではないでしょうか。慢性化して行く中でその夢は崩されていってしまうのです。父親の言うことは絶対だった、そんな生活がいつまでも続いたら恐怖は既に始まっていたのかもしれません。

父親ヨーゼフの虐待

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実父から虐待を受けていたことから、計り知れないヨーゼフの行動は後を絶たなかったのです。11歳〜17歳に至るまで家族内でどのように繰り返されていたか、見るに耐えないものがあったことは言えるでしょう。

7人家族の中で耐え忍んだ様子は、想像することもできないと言えるのではないでしょうか。他の家族にはどのように接していたかは明らかにされていません。日常的に始まった虐待に怯える日々は、エリーザベトの精神的、肉体的苦痛に耐えら得るレベルにあったとは言えないのではないでしょうか。

エリーザベトの家出

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繰り返された虐待の中であっても、15歳でウェイトレスになるための訓練を受けたのです。そこには、義務教育が終わった後の健気な姿が見受けられます。ただ、訓練を受けないと職に就けない環境だったことも明らかでしょう。遂に続いていた虐待によって、エリーザベトは遂に家出を試みます。仕事仲間と一緒にウィーンに滞在し、隠れて生活することになったのです。

逃げたくなる環境のもと図った必死の家出だったことが分かります。居ても立っても居られないヨーゼフから受けた虐待は、20歳にも満たない心には大きな衝撃だからです。彼女にとっての新世界は隠れた生活でしたが、その後待ち受けている恐怖は目の前に近近付いています。

家に戻って仕事をするも恐怖は目の前に

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ウィーンでの生活も長くは続きませんでした。密かに隠れ住んでいた生活も、3週間で警察に見つかって家に戻されてしまいます。公然わいせつなどの過去もあったことから、女性への歪んだ行為は遂に18歳になった実娘に向けらたのです。

エリーザベトの自由な時間はあっけなく終わり、恐怖は目の前に潜んでいたことは分からないままではないでしょうか。恐ろしい生活、恐怖は目の前に迫っていたのです。ヨーゼフの行動は再び逃げないための行動だったかもしれませんが、監禁や近親相姦が認められるはずもありません。

エリーザベトの地獄の監禁生活の全貌

エリーザベトはただ監禁されたのではありません。おぞましい体験の始まりから映し出される光景は、見るも無残なものと言えます。そこに待ち受けたのは恐ろしい世界と言えるでしょう。「地下の生活」を送った監禁生活は見るに耐えないことだったことは言うまでもありません。

性的虐待による支配、暴力だけではなく待ち受けていたのは恐ろしい環境だったことも確かだからです。地上の光を見ることもできないだけではなく、そこにあったのは劣悪な環境だったと言えます。地下の生活で美味しい食事や、愛情、空気の綺麗な生活が待っているわけではありません。また精神的に安定した世界だったことがないことも確かです。

満足に与えられない食事

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毎日の食事など与えられていない中、着替えもろくにできない状況だったことからも栄養的・衛生的に大いに問題があったのではないでしょうか。3日に1度だけの配給の中、薄暗い電気の灯りが唯一の世界だったのです。満足に食事することさえ許されない中、エリーザベトは生活をし、2時間毎に電気をつけて夜明けの雰囲気を作る日々です。

まさに闇と汚染された空気の生活、好きなものを食べることはもちろんできず、毎日の食事などない地下の世界です。開きドアの重さは500kgあり、到底開けることはできません。たまの食事に満腹になることは愚か、少量に量を食べることがやっとなことが伺えます。栄養面で衰えていく身体の中、衰弱していく様は無残そのものです。

空調も無くネズミが徘徊する部屋

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肉体的暴力が行われている中、生死をさまようときでも満足に薬も与えられません。空気が動いていない世界なので、地下で蠢くのは虫たちやネズミ達と言えます。地下室には空調も無く、ネズミが徘徊している劣悪な環境の中のエリーザベトです。埃やゴミなども舞う中の食事は「酷い」ことは言うまでもありません。しかも毎日狭い空間で光を浴びることなく24年間は、壮絶極まりありません。

聞いただけでショックを受けてしまいそうな中、エリーザベトは生きていくために必死だったのです。地下室はもはや部屋と呼べるものではありません。まさに監獄よりひどい状態だったことが分かります。監獄では掃除や食事が整っていて、空気も循環しているのでそれ以上の中での生活です。悍ましい生活が24年間続く姿は、誰もが想像を絶することではないでしょうか。

精神的にも追い詰められた生活

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同じ生活が何週間、何ヶ月、何年と続くと壊されていくのは身体だけではありません。精神的に発狂したくなる程追い詰められていたことも確かでしょう。実母が声が聞こえたときには、ガスのボイラーの音とさえごまかすほどの隠されたスペースです。仕事場の裏に隠されたスペースで、出入り口も地上から確認することはできない中叫び声も届かないので、精神的に追い詰められていくことは確かでしょう。そして、1993年にはヨーゼフは秘密の部屋まで作り、地下に出入りすることはできない状況になったのです。ロゼマリアが部屋までコーヒーを持っていくことすら許されません。地下への出入り口はそこに隠されていたからです。

脱出したらガスで殺すと脅しをかけていたこともありましたが、配管は通っていないので脅しには十分だと言えます。徐々に神経は崩壊していくには時間はかかりません。妊娠中は特に劣悪な環境に中病気になったことは数多く、不安感に陥ることはもちろん、妊娠の度に不安定な状態は続き苛まれていきます。精神的に蝕まれていくのは、時間の問題と言えるのではないでしょうか。その中でエリーザベトは恐ろしい生活を余儀なくされたのです。

容赦なく繰り返されたレイプ

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騙され監禁されてから続いたのは肉体的・精神的暴力だけではありません。実父によるレイプは週に何度も繰り返され、24年間で3000回は超えるのではないかとされています。満足な食事もなく、光にない中での劣悪な環境で見える姿は実父のみです。最初の数ヶ月は鎖に繋がれたとされ、器具を使って怪我をしたこともあったとされます。自殺を考えたことは当然のことかもしれない中、治療もされないまま数時間も背的器具を使われたこともあったのです。

悲鳴が地上に届くこともない中、実父によって繰り返される性的虐待は恐怖の他に何もありません。ヨーゼフによって洗脳されいく環境であったことは、想像できる範囲を超えているでしょう。ドアが開く度にその時間が来る、逃げ場がない状況で繰り返されるレイプは恐ろしいと言う言葉では表現できないことではないでしょうか。

フリッツル事件の裁判の行方とエリーザベトの現在

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25年目に明るみにされた恐ろしい生活の終止符ですが、フリッツル事件の被害者にとって終わりはありません。新たにスタートするには長い年月が経ち過ぎたのです。眠ることがままならない状態はどこまで続くのでしょうか。エリーザベトと子供達の生活の本当の始まりはこれからです。

ただその中でもヨーゼフの裁判は始まりを迎えます。裁判の場にいることの恐怖は、誰の目にも明らかなので隠された中で執り行われたのです。そうとは言え、大きなニュースなので多くの人が訪れたことは言うまでもありません。

裁判の様子

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多くのジャーナリストや傍聴人が集まる中行われた裁判ですが、開廷と同時に全ての人が退席させられる緊張感の中、バインダーを下ろしてから始まります。ミヒャエルの殺人と脅迫以外は弁明する展開になった裁判です。隠し続けた犯行を弁明する姿が、弁護士によって語られています。

弁明するといった裁判の行方はどうなるのか、全世界が見守る裁判になったのです。その犯行全てが許されるものでは無く、陪審員へと説明が始ま理を見せるときがきました。

ヨーゼフは終身刑に

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1m74cmの法廷の高さから、地下室は170cmと低くどれだけ低さで、精神的にも追い詰められていたか、じめっている地下室から採ったカビ臭い環境を持ち込み説明したのです。11時間に及ぶエリーザベトと精神科医、警察とのやりとりは陪審員が見ることが耐えないほどの内容です。陪審員が2時間は見ていられなかったとされている内容からも、恐怖が浮き彫りにされて行きます。弁明を繰り返す実父の姿に変化があったのはすぐ後のことだったのです。

犯人である実父は傍聴席の実娘を見て崩れ落ち、全ての罪を認め弁明を撤回します。ヨーゼフに下されたのは15年間仮釈放なしの終身刑であり、控訴しない方向で結審したのです。そして、精神疾患犯罪者のための特別な区域に収監されることになったのでした。彼はもとより精神疾患を患っていたとされてもいます。行動は計画的だったことから、刑が酌量されることはありません。

エリーザベトとその子供は移住し生活

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ここからがエリーザベトと子供達の出発のときです。しばらくは被害者達家族とロゼマリアも含めた、6人の入院が必要とされます。陽の光を浴びていない子供には多くのものが不足していたのです。更にはショックを受けた多くの子供達と、近親相姦によってもたらされた原因が含まれていて未発達だったとされています。2008年6月8日には、ちょうど娘のケルスティンも昏睡状態から回復へと向かっていくのです。

2009年3月には隠れ家が撮影され病院に再び戻ることもありましたが、エリーザベトは後に厳重な警備の中、退院した後はオーストラリアの名の知られない土地に移住し、新生活がスタートします。6人の子供が入院していたのですが、ロゼマリアの元を訪ねながら1人を暮らしているとの話が現状と言えるでしょう。それからさらに日が経っていることから、現在では幸せに暮らしていることを願いつつ、風化させてはいけないフリッツル事件と言えます。

エリーザベトはボディーガードの方と交際

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後の話ではありますが、エリーザベトは自伝を書くため、ヨーゼフの裁判を傍聴したこともあると言います。自伝は繰り返されてはいけない事柄を表す、大切な1ページであり一冊です。更にはボディーガードの男性との交際も噂され、本当の「新たな生活」の訪れもあるでしょう。

本来あるべき姿を取り戻しているといって良いかもしれません。子供達のその後は知らされていませんが、パパラッチに追われて家を公開されたときは荒れたとされているほどです。今後は誰にも追われることのない生活で、新たにスタートすることが必要でしょう。

フリッツル事件を元にした映画『ルーム』が発表

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実際に起こったフリッツル事件を元にした人気小説「部屋」があります。エマ・ドナヒュー原作の作品であり、内容はまさに監禁がメインと言えるでしょう。2015年にアイルランド、カナダ、イギリス、アメリカの共同で作られ、映画化された作品「ルーム」が発表されたのです。

フィクションではありますが、その内容と根拠は実際に起こった事件が主体になっています。それこそフリッツル事件を思い浮かばせる内容だった、と賞賛されている名作と言えるでしょう。実際に書いた筆者もそれは認めていることであり、脚色はされていますが現実です。当時のままでは映画には、表現できないことは言うまでもありません。

アカデミー賞で賞を受賞するほどの人気作

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「ルーム」の内容は2部に分かれていますが、一部も二部もノンフィクションを元に作られたこともあり人気に拍車がかかったのです。かなりの話題作になったことにより、第88回アカデミー賞を受賞します。その他でも、第40回トロント国際映画祭で観客賞を受賞するなど、多くの人に評されています。

評論家だけではなく多くの観客の目を引いた作品であることは間違いありません。「ルーム」の内容もさることながら、実際の話がモチーフにされていることが大きいのでしょう。映画「ルーム」の人気は各国で賞賛されました。涙無くしては観れない程の人気によって選ばれたと言えるでしょう。

ほぼノンフィクションということで話題沸騰

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扉のない「部屋(ルーム)」が主体となった映画ですが、母親と「監禁」と知らずに生活を送っている息子ジャックが主人公です。母親の名前はジョイで「実は外には別の世界がある」と知らされジャックは困惑します。そこから始まるストーリーは、第一部では脱走を試みることから始まり、第二部では父との関係による葛藤や外の世界と向き合う現実が待ち受けている、まさにフリッツル事件を思わせる作品で、ノンフィクションと重わえないほど話題沸騰の作品です。

「本当じゃなかったらいいのに」と誰もが息を飲む作品と言えるでしょう。男の子5歳の子供という設定からも、エリーザベトの子供のシュテファンと被ることでしょう。まさにノンフィクションからなるフィクションです。

残虐な事件はアメリカでもあった

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監禁事件はあとを絶つことを知りません。2002年〜2004年の2年間の間に行われた残酷な事件もあるからです。スペイン系(ヒスパニック系)の犯人によって、3人の女性が魔の手に陥ります。

妊娠が分かると暴力で死産に

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それは「クリーブランド監禁事件」ですが、監禁し5回妊娠するといった事件です。子供できたと分かると暴力で支配し、蹴る、または食事も満足にない状態で死産に追い込まれます。

その年数10年間にもわたり、警察や地域の発見が問題視されたニュースです。犯人の名はアリエル・カストロですが、後に終身刑となり、また禁錮1000年と刑が確定します。発見されたときには、警察や近所の発見の遅さに問題視されたのです。

その他の事件に興味がある方はこちらもご覧ください。

海外だけに捉われない日本でも監禁はある

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それは海外に限ったことでは無く、日本でも記憶に新しい事件があるのです。2016年に起こった「埼玉少女監禁事件」があります。13歳の少女が2年間にわたり監禁されたおぞましい事件です。

後を絶たない事件の動機は「欲」

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2014年3月に「誘拐の願望があった」という理由だけで、監禁された少女の事件。投げない生活を送っていたあどけない少女は、寺内樺風(てらうちかぶ)によって監禁されたのです。犯人自ら自殺をはかりますが、未遂に終わり逮捕されます。

はびこっているのは「欲」といっておかしくありません。この事件は大学生によって行われましたが、事件が後を断つ日は来るのでしょうか。どこにでも蔓延している「欲」が犯罪にいたると、残るのは心と身体の痛みです。

悲惨な監禁事件は他にも世界中で多く起きている

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フリッツル事件はとても切なく悲しいことであり、憤りをも感じますが世界中で悲惨な監禁事件は後を絶ちません。少し前ですが、新潟県でも監禁事件は発生し問題になったといっておかしくありません。1990年の「新潟少女監禁」などがあり、社会問題になったのです。

「クリーブランド監禁事件」では、エリーザベトのように10年間の間に5回妊娠するといった事件もあります。1996年にはベルギーで監禁された後、殺害される痛ましい「マルク・デュトルー事件」も存在します。フリッツル事件では殺害までには至りませんでしたが、24年間の恐怖は心身共に崩壊する恐ろしい事件だったことは言うまでもありません。もちろん他にも多々あり、日本だけでなく海外でも多い監禁事件は、今尚あるのが現状です。

voltamax / Pixabay

繰り返される監禁事件がなくなることを、誰もが願うのみではないでしょうか。どの事件もさることながら、監禁事件も起こってはならない事件の一つであり、恐ろしく残虐と言えるでしょう。事件を起こさないだけでなく、近所の異変に気付くことも大切な事柄かもしれません。悲惨な監禁事件が世界中で多く起きている中、ニュースで知るだけではなく、周りに目を配ることもまた大切なことと言えるのではないでしょうか。

そこには地域の協力なくしてはできないこともまた事実かもしれません。エリーザベトのように失われた時間が無いように、見守って行きつつ、人ごとでは無いことに気を配っていくことが必要でしょう。2度と起きて欲しくない残虐なフリッツル事件のような出来事から、目を背けず風化させないことも必要かもしれません。

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