本来は頭は一度に落とした後に腹を割いて内臓を掻き出す方法を取りますが、肝を刃で傷つけてしまったり、他の臓器が破けることで肝を汚してしまう恐れがあります。
もちろん丁寧に処理すれば防げますが、ここでは以下のような方法をとるのがおすすめです。
捌き方のポイント
胸ビレの付け根に切れ込みを入れ裏側も切れ込みを入れます。次に親指、人差し指でエラをつまみ、そのままゆっくり手前に引き出すと、頭部についた状態で内臓も引き出すことができます。
このようにして引き抜くことにより肝に傷をつけず、そのままの状態で取り出すことが可能です。
注意点
仮に頭を落としてしまったら、腹に刃をごく浅めに入れて割いてから、刃先を使って優しく内臓を出すようにします。そして丁寧に肝だけを避けて残りは処分します。
まな板の上で行うことになるので本格的に捌く前にまな板を一度洗うようにしましょう。
どんこの捌き方③:【鍋・味噌汁用の場合】ぶつ切りにする
代名詞的な調理法ともいえる鍋物や、汁の具として使う場合は最後にぶつ切りにしてすべての作業が完了になります。頭も一緒に煮込むので捨てずに取っておきましょう。
豪快に、そして無駄なく使うといった三陸の漁師料理らしさがここに詰まっています。
捌き方のポイント
内臓を出し腹の中をきれいに洗ったら、もうあとは大胆にぶつ切りにするだけなので特に難しいこともありません。個体の大きさにも左右されますが、大体2〜3センチ幅ほどが目安です。
頭はエラを取り除き軽く中を洗えばオッケーです。
注意点
切る作業には特に注意点はありません。しかし、腹の中に血合いが多く残る場合は生臭さが汁に移ってしまうので霜降りをする必要があります。熱湯にくぐらせてから氷水に入れ優しく血合いを取り除きます。
こうすることで嫌な匂いが減るので苦手な人は必ずやるようにしましょう。
どんこの捌き方④:【刺身・ソテー・フライ用の場合】3枚におろす
鍋ものなどではなく刺身などにする場合は3枚おろしにします。ぶつ切りよりは少々面倒なところや難しさもありますが、特別何かをしなくてはならないわけではありません。
一般的な魚をおろすような要領で進めていきます。その方法については以下で詳しく説明します。
捌き方のポイント
頭を落とした断面を右にします。中骨上部を骨に沿わせながら背に包丁を入れます。魚の向きを変え同様に今度は腹側に包丁を入れ、最後に尾から包丁を入れて切り離します。
次は下身です。中骨を下にして上身と同じく背、腹の順に包丁を入れて、尾から切り離せば3枚おろしの完成になります。
注意点
全体的に非常に柔らかいので捌き辛さがあるので、手つきが慣れない人には余計にやり辛さがあります。しっかり片側の手で固定をして包丁を扱う必要がありますが、思わぬ方向に刃が向かって手を切ってしまう可能性もあるので慎重にやりましょう。
軍手をはめてやると傷をつけてしまった時にダメージを軽減できます。
どんこの捌き方⑤:骨の処理と皮引き
最後の仕上げになります。骨の処理は刺身をはじめフライ、ソテーなどあらゆる調理においても必要になります。一方で皮引きは刺身で食べる場合のみ処理が必要といえます。
火を入れる調理法の場合はそのままで構いませんが、苦手な人は取り除くようにしましょう。
捌き方のポイント
まず腹骨をすき取ります。内臓のあった部分です。ほとんどが皮になるので斜めに刃を入れて切り落とします。次に専用の骨抜きを使って上身、下身の真ん中にある骨を指でさぐりながら抜いていきます。
最後に皮引きです。尾の方を右にして身と皮の間に刃を入れます。左手で身を持ち上げ前後に振りながら右側に引っ張ると皮が引けていきます。
注意点
もっともコツがいるのが皮引きです。コツは包丁はほとんど動かさないことです。包丁を持っている右手は軸であり、あくまでも左手の右に引っ張る力で皮が剥がれていくイメージで行うとうまくいきます。
少しばかりコツがいる作業ですが慣れてしまえば簡単です。
どんこの魚料理レシピ6選を見てみよう!
もともとの素材がいいことは言うまでもありませんが、それゆえにどんな料理でもおいしく食べることができます。手の込んだことも必要ないので家庭でも気軽に食材として扱える魚です。
ここからは定番料理と郷土料理を3つずつ紹介します。
どんこの魚料理レシピ①:鍋
なんといっても鍋は絶対に外せない食べ方です。三陸を有する岩手や宮城では冬の定番料理にもなっていおり濃厚なダシのとれたスープとほくほくした白身は多くの人を魅了しています。
作り方もとても簡単です。寒い日にぜひ作ってみてください。身体の芯まで温まります。
材料とワンポイントアドバイス
材 料(2人分)
どんこ(頭を取って)1尾どんこの肝 3尾分どんこの頭 3尾分ネギ 半本大根 8cmにんじん 3分の1本ごぼう 10cm水 1500ccほんだし 小2みそ 大3酒 大3(引用:楽天レシピ)
せっかく出たダシが風味で喧嘩しないようにカツオではなく昆布でダシをとるようにしましょう。レシピではゴボウも入りますがこちらはなくても構いません。代わりに白菜を使い魚のコクだけを楽しむ食べ方もおすすめです。
美味しい作り方
野菜を切り分けます。どんこは下処理をしてぶつ切りにし、肝はとっておきます。鍋に昆布でダシをとったスープを入れます。次に切り身を入れてアクを取ります。
煮えたら他の野菜を入れ酒と味噌で味を整えます。肝は煮崩れしやすいので最後に入れましょう。詳細なレシピはこちら