オウギワシは猛禽類最強!その理由や生態を徹底解説!繁殖方法や子育ても

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近年、世界を通して自然保護に力を入れていますが、高いところに巣を作る彼らが住める木にまで成長するには長い年月を要します。2年に一度の繁殖なので繁殖力は弱く、一度数が減ってしまうと増やすことが難しいのです。

自然の回復事情

自然保護活動が積極的に行われており、失ってしまった樹木の再生も盛んになっています。日本でも各地で植林イベントが開催されてもいます。

ただ、植林しても鳥や動物たちが休めるまで大きく立派に成長するには多くの年月がかかります。自然を奪うことは簡単でしたが、緑を再生していくのは難しいことなのです。

ヒナを育てられない

木が少なければ、彼らがハンターする動物たちも住み寄らなくなったり、命を落としていなくなります。そのため巣に食事である動物を運ぶこともままならなくなり、ヒナは栄養不足で生きていくことも難しい状態になってしまいます。

そのため彼らは、繁殖サイクルを自然環境に見合うように変えて進化をしていったのです。

数が減っている理由②密猟

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アラブの国の富裕層の中では猛禽類を飼うことがステータスだと言われています。中でも貴重とされるのが彼らなのです。飼育したい資産家はたくさんいますが市場に出回っていないため密猟者が絶えません。

闇ルート取引で500万ともいわれています。

厳しい規制から取引価格が高騰

現在、絶滅危惧種として登録されているためワシントン条約によって守られています。国際取引で厳しい規制がかかっているため市場に堂々と出ることは滅多にありませんし輸出もできません。大金求めての密猟者が後を絶たないのです。

パナマ共和国が対策

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そんな状況に待ったをかけた国が国鳥として認定し、全面的に守る姿勢をとったのです。保護することに力を注ぎ、密猟者を発見すれば厳しい罰を科せることができるようになりました。

人間の手によって数を減らしてしまいましたが、再度人の手によって回復の光がほんの少し見えるようになったのです。

絶滅した巨鳥について詳しく知りたい方は、こちらも良かったらご覧ください

オウギワシは人間を襲うのか?

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人間も哺乳類なので、私たちを見かけたら襲われるでしょうか?ましてや彼らのエサたちを奪い、住みにくくしてしまった原因は人間なので、怒りで襲われてしまうでしょうか?順番にご説明します。

基本は襲わない

彼らのハンターの仕方は地上の肉食動物と異なり、巣に持ち帰ってヒナたちに与えみんなで分け合って食べます。そのため掴めるサイズの獲物を物色するので、ちょっかいを出さなければ襲うことはまずありません。

危害を加えれば話は別

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彼らが繁殖期にテリトリーに入り込んだり、ヒナに危害を加えようとした場合は、凄い勢いで飛行し、めがけて突進してきます。最悪の場合は死に至る可能性もあるため危害を加えないことが安全です。

オウギワシはメスとオスで捕食傾向が異なる

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彼らは夫婦で助け合って食料にありつけるように分担して狩りをします。同じものを狙うのではなく違うターゲットを捕らえ、必ず食べれるように工夫をしているのです。彼らの考えた知恵なのでしょう。

メスは大型のサルやナマケモノを捕食する

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メスの体の方が大きく、10㎏を超えている個体もいるほどです。母は強しと人間界では言われていますが、彼らの世界でも同じようです。大きな動物をターゲットにしより多くの肉が食べれるように狩りをします。

無償の愛

ヒナがお腹を空かせて待っているため、お腹いっぱい食べさせてあげたいと思う無償の愛を感じますね。よりたくさんの肉にありつくには大きな動物が効率よいためヒナたちを想い大物を狙いに狩りに出かけるのです。

オスは小型の獲物を多く捕食する

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オスの体重は6㎏~9kgと言われており、メスに比べて小柄です。そのため小柄な体を生かし動きがすばしっこい小型のイグアナや蛇などのターゲットを担当しているのです。

夫婦で助け合って生きる

彼らは鋭い爪を持ち優れたハンター力から多くの動物たちに恐れられている存在ではありますが、夫婦が助け合いみんなでエサを分け合って食べる光景は、微笑ましいものです。

なぜメスのほうが大きいのか?

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人間界では男性の方が体つきも大きく身長も高い傾向があります。ほとんどの動物でもオスのほうが大きな体をしていますが、彼らはなぜメスのほうが大きいのでしょうか?2つの有力説がありました。

母性本能が関係している?

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メスは巣を作り卵を産み、そして温めて孵化させます。そのためオスからの無用な求愛を防げるように体つきを大きくしたのではないかといった説が出ています。女性の方が強いとされるのは鳥界でもあるのかもしれませんね。

オスは狩りで素早く動くため?

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巣で卵を温めてヒナを育てることから、多くを過ごすのはメスです。そのためオスは狩りに出かけ獲物を運ぶ役目をします。多くの獲物を獲得し家族に食べさせるため体を小さくし軽くすることで、素早く行動できるように進化をしていったのではないかといわれています。

オウギワシの繁殖形態と子育て

彼らの知られざる繁殖形態やヒナを育てる環境についてご紹介します。生態系トップを誇る強くて逞しい猛禽類の王様は一途で子育てにも熱心な姿には感銘を受けます。

オウギワシは一夫一婦制

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夫婦は生涯を共に過ごします。多くの子孫を残すため一度繁殖したらまた違うペアを組むということはしません。生涯を共に過ごし、助け合って狩りをし、ヒナを育てます。とても一途で真面目な鳥なのです。

2~3年ごとに繁殖する

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繁殖機能は弱く多くの動物が毎年繁殖しますが、彼らは2~3年と期間が空きます。主にメスが卵を守る担当をします。その間はオスが狩りをし、獲物を巣まで運んで仲良く分け合って食べます。

1~2個の卵を産み、2つ目は保険の役割を果たす

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以前は3~4個産んで育てていましたが、環境の変化から生き抜くことが難しくなった現在は1~2個を産んでいます。1個目は必ず孵化するかわからない場合が多く、その場合は2個目が必ず孵化します。

最初に産まれた卵に力を注ぐ

メスは最初に生まれた卵を孵化させることに専念し、2つ目の卵はほとんど世話をしません。無事に1つ目が孵化すれば良いのですが、もし1つ目がうまく孵化しなかった場合には2つ目の卵の世話をしてそちらを孵化させます。

繁殖サイクルが長いための知恵

子孫を確実に残すために保険として2個目を産み、再度繁殖期間まで待つことはしないのです。繁殖期間が長い彼らにとって、数を増やしていくために考えられているのです。

孵化後3年は真っ白な羽

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可愛らしいヒナは真っ白でふわふわな羽毛で覆われています。特徴的な黒と白のボーダーラインはなく3年ほどは白いまま成長していくのです。

愛情をたくさん注ぐ

生後5~6ヶ月で一人前になり狩りもできるようになりますが、約10カ月ほどエサを与えてもらって両親からの愛情をたくさんもらって巣立つ準備をします。

一人前になってもしばらくは両親が世話をする

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巣立ちしても一年以上は両親の巣の近くに暮らします。10日に一度程度は両親にエサをもらいに巣に帰ります。彼らは家族という意識が大変強く、そして子育てに熱心でヒナに対する愛情も素晴らしいです。子供も甘え上手ですね。

夫婦の絆が強い他の猛禽類

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夫婦助け合っている姿はロマンティックで、強い絆がうかがえます。そのほかの猛禽類でも夫婦が助け合って一途な永遠の愛を続ける鳥がいました。

ハクトウワシ

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アメリカの国鳥でもあるこの鳥も固く強い絆で結ばれた夫婦愛が特徴です。パートナーとして選んだ相手を生涯共にし、片方が亡くなってしまうまで夫婦として過ごすのです。

夫婦分担して子育てする

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卵を産むとメスが温め、疲れると次はオスが温めてメスを休ませてあげます。そして孵化をするとメスが主にヒナを育てますが、夫婦一緒に狩りに出かけることはなく、どちらか一方がヒナを見守り子供だけにはしません。

助け合いの気持ちが素晴らしい

動物でもこのように相手を思いやって協力する気持ちがあるのだと感心してしまいますが、強くて逞しいだけでなく家族想いの優しい心も持っている鳥なのです。

異例の復活を遂げた

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以前は密漁と森林伐採から絶滅危惧種に指定されていましたが、アメリカの熱心な保護活動の甲斐あって確実に個体数を増やしていき、現在は指定から外されています。

オウギワシはペットにできるのか?

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アラブの国ではペットとして飼っていることが富裕層の間ではステータスでしたね。日本でも同じようにペットとして飼育できるのでしょうか?

オウギワシはペットにできない

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現在絶滅危惧種として保護されているため、ワシントン条約の規制が関わってきます。海外取引は厳しく管理されているため日本のペットショップで見かけることはないでしょう。闇ルートで入手できたとしても厳しい罰則が待っています。

オウギワシの実物を見たい!

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一度でいいから勇ましい姿を生で見たいと思いますね。日本で飼育されている動物園はあるのでしょうか?あるとしたらどこでしょうか?

日本では見ることはできない

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残念なことに、現在日本では見かけることはできないのです。パナマ共和国が熱心な保護活動を行っていることから、飼育環境の整っていない現状では不可能に近いでしょう。

自然環境と同じような設備が必要

高い木の上に巣を作り繁殖もします。動物園では人間に動物を見てもらうことが狙いで保護活動ではないので条約に厳しいため難しいのです。現在では保護活動をしてもらう狙いで海外で飼育されている動物園があります。

海外の動物園では見ることができる!

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アメリカのサンディエゴ動物園で観察することができます。絶滅寸前の為に保護が必要なこと、みんなで協力して保護活動をしていこうと呼びかけるため活躍しています。

最初に展示開始した歴史ある動物園

1940年に最初に展示され現在でも途切れることなく飼育を続け、彼らの飼育について豊富な知識をもっています。ました。繁殖にも成功しており、徐々にではありますが個体数を増やすことに成功を収めています。

オウギワシは猛禽類最強の鳥

猛禽類最強で多くの動物に恐れられている彼らは、飛び抜けたハンター力や握力もさることながら、夫婦助け合ってヒナを育てていく熱心さと家族想いの優しい心も含めて食物連鎖のトップといえるのではないでしょうか。

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