福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件|クマに襲われ続けた恐怖の2日間

まず一つ目のミスは、ヒグマに漁られていたザックを奪い返してしまったことです。ヒグマは独占欲が非常に強いので、ザックを漁っていた時点で、ヒグマにとってそのザックはヒグマの所有物になっていました。それを取り返したことにより所有物を盗られたと判断され、敵として認識されてしまいました。その時点で荷物は諦めましょう。

決定的なミス②ヒグマ遭遇後すぐ下山しなかった

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次のミスは、すぐに下山を決断しなかったことです。既にヒグマに敵として認識されてしまった状態での滞在は非常に危険な判断でした。本来ならば、1回目の遭遇の時点で、荷物を諦めてすぐに下山をしなければなりませんでした。しかし、ヒグマの脅威を知らず甘く見ていた5人はその場に残る判断をしてしまいました。

決定的なミス③固まって行動しなかった

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最期のミスとして、バラバラに逃げてしまったということ。ヒグマは、複数の人間が集まっている時にはあまり襲うことがありません。たとえヒグマと向かい合っている状態だったとしても、バラバラになってしまうのは避けなくてはなりませんでした。しかし5人にはそのような知識もないうえ、恐怖のあまり一目散に散ってしまいました。

福岡大学ワンダーフォーゲル部のその後

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歴史的にも悲惨な事件となってしまった今回の「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」。この事件のあと、北海道におけるヒグマに対しての認識や福岡大学ワンダーフォーゲル同好会などがどうなったのか、その後について紹介していきます。

ヒグマ目撃地域は立ち入り禁止に

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まず、北海道全体でヒグマの目撃情報のあった地域はすべて立ち入り禁止になりました。この「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」が起こったことで、それまでに周知されていた、ヒグマの習性などの一般的な知識に間違いがあったことが判明したため、ヒグマが目撃された場所には絶対入らないようにと警告がされました。

同好会から部へ

福岡大学ワンダーフォーゲル同好会は事件から2年後、福岡大学ワンダーフォーゲル部へと昇格しました。そして現在もなおワンダーフォーゲル部は存在し活動を続けており、ブログやTwitterなどで、その活動状況を確認することが出来ます。

『奇跡体験アンビリーバボー』での特集も

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2013年7月に『奇跡体験アンビリーバボー』でこの「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」が特集されており、タイトルは【知られざる海と山の恐怖大特集】。全員実名で放映されており、再現ドラマまで作成されていました。

ヒグマは人を食べるのか?

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今回「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」のような悲惨な事件を起こし、そしてこの事件以外にも犠牲者を出してきてしまったヒグマですが、はたしてヒグマはなぜ、何のために人を襲ってしまうのでしょうか。人を食べてしまうためなのでしょうか。その疑問にこたえるべく、ここでヒグマの生態系について解説していきましょう。

ヒグマが人を襲うのは危険を感じるから

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基本的にヒグマは臆病で警戒心が強く、人が怖いため人を避けて行動しています。そんなヒグマが人を襲う時は、捕食ではなく防衛が目的です。今回のように自分が漁っていたザックを盗られたことにより、排除しなければ自分の食料が盗られてしまうと判断されてしまったからなのです。

対処を間違えなければ襲われることはほとんどありません。子熊が親とはぐれてしまい、人に保護されるケースもあります。実は軍に保護され、ポーランドで英雄とされたヒグマもいるんです。興味がある方はぜひご覧ください。

福岡大学ワンダーフォーゲル部は食べられた痕跡がない

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ヒグマは敵と判断した人を襲いますが、基本的に人の肉は食べません。事実、今回射殺されたヒグマの体内を調べたところ、福岡大学ワンダーフォーゲル同好会の3人を食べた形跡はありませんでした。なので荷物を盗られたことによって危機感を覚え、敵として認識したため排除しようとしただけだったのです。

人肉を覚えたヒグマは食料として人を襲う

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ただし!なんらかのきっかけによって、人肉を口にして味を覚えてしまったヒグマは例外として執拗に人を襲うようになります。例として「三毛別羆事件」という事件を参考にします。この事件ではヒグマが女性捕食したため味を覚えてしまい、その後ヒグマは民家に襲いかかり、女性を生きたまま捕食しまうという事件が起きてしまいました。

ヒグマは最強!ヒグマのパワーを検証

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今回の「福岡ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」では、若いとはいえ、18~20歳の男子学生がなすすべもなく襲われてしまったことから、ヒグマはかなりの強さを持っていることが分かります。ここで、そんなヒグマの具体的な身体能力について紹介していきます。

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