福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件|クマに襲われ続けた恐怖の2日間

まず、その足の速さに焦点をあてていきます。ヒグマが走るスピードはなんと時速50kmであり、最高で時速60kmにもなります。もはや車と同等の速度で走ることができることがわかります。なので、人間がどれだけ必死で走って逃げたとしても、あっという間に追いつかれてしまうのです。

パンチ力は2t以上!

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次に、ヒグマのパンチの強さについてですが、その威力はなんと2t以上です!2tといわれても、ピンとこない方が多いかと思われますが、そのパンチ一撃で人間の首がもげて即死します。もしくは数メートルほど吹き飛び体中の骨が粉砕骨折してしまうため、一命をとりとめたとしても再起不能になってしまいます。

泳ぎも木登りも得意

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さらに、ヒグマがもっている身体能力として、泳ぎや木登りも得意ということもあげておきます。なので、逃げる時に水辺に逃げる・木に登ってやり過ごすといった方法は完全に無意味です。こちらもあっという間に追いつかれて襲われてしまいます。

ここが怖い!ヒグマの性質

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ここまでで、ヒグマの身体能力の高さについてお分かりいただけたと思います。しかし、ヒグマの怖さはそれだけではありません。その性質をしっかりと理解しておかないと、実際に遭遇してしまった場合に「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」のように対処を間違えてしまう可能性があります。

ヒグマは火を怖がらない!

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ヒグマはクマの中でも珍しく、火を怖がりません。なので焚火を焚いてクマよけをするという対処法は、ヒグマにとっては全くの無意味です。過去の実験によると、ヒグマは火を怖がらないどころかむしろ火に近寄って行くような動作もみせていますので、火を焚いてもむしろ逆効果になり、ヒグマが寄ってきてしまう可能性があります。

ヒグマの執着心はストーカー以上

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ヒグマの執着心は非常に強く、一度狙われたら気がそれることはほとんどなく、とことんまで追いかけられます。事実、今回の「福岡ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」でも、延々と追いかけられています。過去に別のグループのヒグマ事件でも、13時間もの間追われ続けてしまったという記録もあります。

ヒグマに悪天候は関係なし!

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ヒグマは天候にも影響されないため、たとえ悪天候でも変わらず行動することができます。「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」でも、濃霧の中追いかけてきていましたし、「三毛別羆事件」では雪の中襲われました。基本ヒグマは冬ごもりをしますが、まれに冬ごもりをしないヒグマもいますので、冬の間でも注意が必要です。

ヒグマの生活【春夏秋冬】

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では、ヒグマは普段どのような場所で行動することが多いのでしょうか。ヒグマは雑食で、季節ごとに食べるものが変わるので、それに伴って生息する場所や行動範囲が変わってきます。それを知らずに山に入り、ヒグマのここで、ヒグマの生活についてまとめましたので、紹介していきます。

ヒグマの生活【春】3~5月

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春は冬ごもりが終わったあとの、活動期に入ります。冬ごもり中は絶食していたので、柔らかい草(フキ・ミズバショウ・セリ科の草など)やドングリなどを探して食べます。この時期は草を中心に食べているので、山菜取りに出向いた人と目指す場所が同じになってしまいます。なので、山菜取り中にヒグマに遭遇してしまう事故が絶えません。

ヒグマの生活【夏】6~8月

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夏は繁殖期です。雄が雌を探して動き回ったり、子供が親離れして行動範囲を広げる時期でもあるので、広範囲にヒグマが生息している時期です。基本的には蟻や、フキなどの草を食べます。木の実などがまだ実ってない時期なので、ヒグマにとって食べるものが少なくなってしまいますので、農作物を荒らすヒグマも出てきています。

ヒグマの生活【秋】9~11月

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秋は再びの活動期です。冬ごもりを控えているため、脂肪や栄養を蓄えるためにたくさんの食料を食べます。主にドングリなどの木の実や山ブドウなどの果実類、サケやマスなどの魚類もたべます。この時期は、ブドウ狩りやキノコ狩りに出向いた人との遭遇事故が多発しています。

ヒグマの生活【冬】12~2月

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冬はヒグマにとっての餌がなくなるため、冬ごもりをします。冬ごもりは冬眠ともよばれ、穴などにこもり、排せつもせず絶食してすごします。雌は穴の中で出産をし、子グマと冬ごもりします。冬眠とよばれていますが、眠っているわけではなく完全に起きています。冬までに蓄えた脂肪を少しずつ消費しながら冬をすごすのです。

冬でも油断できない!「穴持たず」

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基本的にヒグマの多くは冬ごもりをしますが、まれに穴を用意できなかったなどの理由で冬ごもりをせずに冬でも行動しているヒグマがおり、「穴持たず」といわれています。「穴持たず」のヒグマは周りに食料がないため、飢餓状態で凶暴性が増しており、非所に危険です!「三毛別羆事件」を起こしたヒグマも「穴持たず」でした。

ヒグマの対処法その①「まず出会わないことを心掛ける」

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ここで、ヒグマに対する対処法をいくつか紹介していきましょう。これらを守ることによって、生存率がかなり上がります。まず初めの対処法として、まずヒグマに出会わないことを心掛けましょう。当たり前のように聞こえますが、ヒグマの性質などをしっかり理解することで遭遇率を減らすことが可能です。

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