沖縄にある動植物公園で、やんばる野生生物鳥獣保護センターが併設されており、怪我をしたオオコウモリの保護活動も行われています。展示は大きなネットで囲まれた中に鳥類と共にコウモリが放し飼いにされていて、その中の通路を歩きながら見て回れるような作りになっています。
そもそもコウモリってどんな動物なの?
可愛らしい種類のコウモリをご紹介させていただきましたが、コウモリという種類の動物はどういった特徴を持つ動物なのでしょうか。コウモリの仲間たちが共通して持つ特徴をご紹介させていただきます。
コウモリの特徴①コウモリは哺乳類
飛行する印象の強いコウモリは、よく鳥類と分類が間違われがちです。しかし、身体の構造を見てみると、鳥類とは似ても似つかず、その分類は哺乳綱なのです。鳥類では翼が羽毛で覆われているのに対して、コウモリは伸縮性のある飛膜で覆われているという違いがあります。
コウモリの特徴②実はほとんどが血を吸わない
コウモリは吸血する、といった印象が強く根付いてしまっていますが、実際は吸血を行うコウモリは限られた種類のみです。多くのコウモリは主に果物や昆虫を食べており、一部の吸血コウモリのみが動物の血で生活を行っています。
コウモリの特徴③超音波で位置を特定する
有名な特徴としては超音波を使って視界が悪い場所でも自由自在に飛び回れることです。超音波を出し、その反射した音で壁の場所を特定しているとされています。しかし種類によっては超音波を使わない種類もいるのです。
コウモリは逆さまの動物、どうして?
コウモリと言えば天井からぶら下がっているイメージです。二足歩行は出来ないのでしょうか。コウモリがなぜ不便なイメージのある逆さまの生活をしているのかについてもご紹介させていただきたいと思います。
進化の過程
コウモリは人と同じ哺乳類であり、哺乳動物から進化しています。しかし、4足あるはずの足の前足は翼として進化し、飛行できるようになりました。飛行を可能にするために体を軽くするべく後ろ足の筋肉は退化させてしまったのです。
二足歩行は骨折の基?
前述で後ろ足を退化させた経緯はご紹介させていただきましたが、果たして後ろ足で歩行を行おうとするとどうなってしまうのでしょうか。飛行に特化したコウモリは、後ろ足に筋肉がないため骨だけでは体を支えきれず、骨折すると考えられています。
こんなに違うの?世界のコウモリのイメージ
世界各国共通して怖い印象がある、と思われがちなコウモリですが、実は国によってコウモリから受ける印象は全く違っています。ふたを開けてみると恐怖の対象や悪のイメージを持つ国は少ないのかもしれません。
コウモリのイメージ①ヨーロッパでは不吉
日本人もヨーロッパの神話やおとぎ話の影響を強く受けており、吸血鬼ドラキュラなど不吉な悪のイメージはヨーロッパから入ってきている印象です。バッドマンのようなヒーローも「ダーク」ヒーローとして根付いた闇の印象はぬぐい切れていない事を表しています。
コウモリのイメージ②キューバでは幸運、家族の象徴!
お酒の中にバカルディというラム酒があり、そのラベルにはコウモリが使用されています。19世紀に文字が読めない人が多かったキューバで馴染みのあるモチーフが必要となった際に、幸運や家族の象徴であったコウモリが選ばれたのです。
コウモリのイメージ③中国も幸運の象徴!
漢字を使用する中国では、蝙蝠の蝙という文字は福に繋がるといことから、蝙蝠はとても縁起の良い動物であるとされています。中国陶器にもデザインとして頻繁に使用されており、5匹の蝙蝠は5福を表すとも伝えられています。
コウモリのイメージ③日本でも良いイメージの時があった!
明治中頃までの日本でも中国からの影響を受け、コウモリはとても縁起の良いものとして人々に認識されていたのです。しかし、西洋文化を強く受けるようになり、その印象も西洋風に上書きされて怖い印象がついてしまうようになりました。