アマラとカマラがオオカミに育てられた子というのは嘘!顛末や真相とは

日本でも小学校の教育資料として、この物語は使われました。教育を受けていないと動物と同じようになってしまうといった内容を教える教材になったようです。他にも世界的なニュースになったりと何かと世間を騒がせました。ニュースから書籍化までの経緯を紹介していきます。

1926年ニューヨークタイムズで世界的ニュースに

姉妹の話が世界的に広まったのはニューヨークタイムズで紹介されたからです。当時非常に衝撃を与えた内容に多くの心理学者や教育学者が興味を示しました。この時すでにアマラは亡くなっており、カマラだけ生きていましたが、ジャングルの奥地まで行って確認した記者や専門家はいなかったため残された記録と写真のみが事実として残りました。

アマラとカマラは日本でも小説化された

狼にそだてられた子

Amazonで見る

日本でも1955年に「狼に育てられた子」というタイトルで新教育協会出版から翻訳され小説化しています。この内容は小学校でも教科書に採用されたようです。大学でも道徳や心理学、言語学の教科書にも掲載され授業がされているようです。

心理学者ゲゼルによって書籍化

翻訳の元となった書籍は「狼にそだてられた子」というタイトルで書籍化されました。著者はアメリカの心理学であり小児科医の「アーノルド・ゲゼル」です。なんと彼は一度も姉妹に会いに行かずに本を出版したというのです。にわかには信じられない話ですが、その後さまざまな疑惑が生じるきっかけにもなりました。

アマラとカマラの不可解な点①生物学的側面

ijmaki / Pixabay

日記や本の内容には不可解な点が多く、おかしなところだらけでした。嘘と結論つけられたのも、様々な調査を経て公表された結果によるものです。ここでは公表された内容で有名なものを紹介していきます。今では日本だけで未だに信じられている外国の都市伝説として位置づけられています。

人間の乳児はオオカミの乳では育たない

TaniaVdB / Pixabay

まず狼の乳で人間を育てられるはずがないというのです。狼のメスは積極的に乳を与えないので日記や書籍に記載していたことは信憑性が低いということが分かりました。また狼の乳は人間の母乳と成分が異なり仮に授乳できても消化不良を起こすというのが嘘の判断の決定打になりました。

人間の乳児は自分で乳を探せない

人間の乳児は自分から乳を吸いには行くことが出来ず口元に持っていかないと吸うことは出来ません。また狼も乳を与えないので乳児は満足に食事をすることが出来ず、すぐに餓死してしまいます。したがって狼と人間が一緒に生活をすることは成立しないということに至りました。

群れで動くオオカミの速度に人間はついていけない

darksouls1 / Pixabay

群れで動く狼は広範囲を移動する上に移動速度は時速50kmにもなります。陸上選手でさえ時速36km程度です。幼児が到底ついていける速度ではないことが分かります。もしも移動をするのであれば狼の背中に乗って移動するしかないですが、振り落とされずに移動できるとは考えづらいです。

アマラとカマラの不可解な点②身体的側面

狼と一緒に生活が不可能であること以外にも不可解な点がありました。野性的な一面が記録に残っているのからです。これから紹介する内容はとても人間ではあり得ないことばかりが書いてあります。こちらの内容も狼少女はいなかったという決定的な根拠として扱われています。

NEXT 目が獣のように光る