沙織事件の概要
事件のきっかけとなったアダルトゲームの「沙織・美少女達の館」で名前の由来です。この事件以降、今では規制のある18禁が誕生しました。その当時では過激な性的描写も含まれていたため問題が大きくなってしまいました。
1991年、男子中学生がアダルトゲームを万引きしたのがきっかけ
事件のきっかけは1991年に京都府の男子中学生がアダルトゲーム「沙織・美少女達の館」の万引きするという事件です。万引きした中学生が処分を受けて済めば良かったのですが事態はそれ以上に拡大しました。価格は当時7,800円するので中学生には確かに高額でした。
ゲームソフトの会社・販売責任者が処罰を受けることに
結果的にはゲームの制作会社社長と販売責任者が猥褻図画販売目的所持罪で逮捕されてしましました。なぜこのような結末となったのかこれから詳しくご説明していきます。
なぜ沙織事件は起きたのか?時代背景が大きな要因?
では、どうして沙織事件は起きたのでしょうか。きっかけは分かりましたが事件が起こった背景があるはずです。実は時代背景に大きな要因があると言われています。ここではこの時代に何があったのか解説していきます。
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件に沙織事件も関係?
この事件は現代でもある幼女誘拐事件でも有名です。約1年の間に4歳から7歳の女の子に性的暴行を行った後に野焼きして遺族に送り付ける等、残虐非道な犯行が世間に恐怖を植え付けました。また、犯人の家からは今では有害図書に指定される本や犯行のビデオ等が見つかりました。
パソコン所持者は全員沙織事件を起こしそうなオタク?
沙織事件が起こった1991年のパソコンの普及率は10%程度と今とは考えられないほど低かったこともありパソコンの所持者はオタクという認識と、アダルトゲームを所持している人は犯罪予備軍という見られ方をされました。今よりもずっと偏見があった時代です。
沙織事件の前に起きた刑法177問題
刑法177条は強制性交罪(強姦罪)です。沙織事件の5年前に「177」という強姦をモチーフにしたゲームが発売され、国会で問題視され、有害ソフトとして事実上の販売停止に追いやられた。事件の前からアダルトゲームの性的な表現が問題視されていたことが分かります。
沙織事件で次々と問題に上げられたアダルトゲーム
沙織事件以降、それまで販売されていたアダルトゲームは次々と問題になり発売禁止になったものがあります。この時代は画像にモザイク処理がされていないものが多く、かなり緩い規制であったことが問題になりました。
沙織事件後、発売禁止になった作品とは?
発売禁止になったもので有名なのが、「ドラゴンシティーX指定」、「天使たちの午後3 番外編」、「天使たちの午後Ⅳ ゆう子」です。無修正の画像が問題になりました。特に天使たちシリーズは多くジャストという会社から発売されており現在では修正版として再販されています。
「沙織・美少女達の館」のあらすじ
主人公は沙織という女の子(中学生か高校生)がトイレで放尿しているシーンからスタートし野外プレイをしているのを見て家でオナニーをしてしまいます。かなり刺激の強い内容になっています。その後、仮面をつけた男に館まで連れ去られてしまうという超展開です。館では同姓愛者や先生と生徒の関係、警察官同士のセックスが行われています。
ドラゴンシティーX指定の内容
まずストーリーは別世界からやってきた真理子が登場して自分の世界を救って欲しいと頼まれるところからスタートします。別世界とは男の欲望が作り出した幻想の世界で選ばれたものしか入れない所です。世界の入口で男に興味を示さない子がいるので原因を突き止めて欲しいと言われます。そして出会った女と次々にセックスしていきます。
天使たちの午後3 番外編の内容
前年に発売された「天使たちの午後Ⅲ・リボン」の続編です。主人公は同級生の恭子と付き合っている高校生です。しかし、他校の通う瑠璃という女の子に一目惚れしてしまします。そして彼女の情報を得る過程で色んな女の子と関係をもってしまいます。最後は瑠璃と関係をもって終了です。アダルトゲームでは良くある展開です。
天使たちの午後Ⅳ ゆう子の内容
天使たちシリーズ第4弾ですが過去の作品との関係はないストーリーになっています。主人公は校長の甥で事件の調査で女子高に紛れ込みます。なんと主人公に婚約者がいるという設定で、ヒロインと関係を持つとゲームオーバーになります。ストーリー性よりもキャラクターの可愛さや画質の向上が評価されている内容になっています。
沙織事件がきっかけで生まれた「ギャルゲ史上最悪の鬱ゲー」
皆さんは「狂った果実」というアダルトゲームをご存知でしょうか。10歳のヒロインが一目惚れした男性に近づく女性を次々に虐殺していくストーリーで転落死、毒殺、焼死体等のシーンが出てきます。今も語り継がれる鬱ゲーで、元々ヒロインたちとのセックスシーンの描写を沙織事件を重く受け止めた開発陣が修正をかけました。
最後のシーンが鬱と呼ばれる所以
エンディングが衝撃的です。ヒロインが男性に振り向いてもらうために恋人を溺死させ愛犬を使い男性の右目を失明に追い込みラストシーンに向かいます。ヒロインがフランスに旅立つときに男性から「いつか必ず殺してやるからな」という言葉をもらい微笑むシーンでストーリーが終わります。憎悪ですら愛情と思えるヒロインにゾッとします。
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アニメにもなった鬱アダルトゲーム
最近ではアダルトゲームのストーリーをアニメにする作品も増えています。鬱アダルトゲームがアニメになったものがあります。男女の恋愛の縺れが最悪の結果を招く教訓になっているようです。今回は他にも存在している鬱の要素が入ったアニメを紹介していきます。
School Days
主人公の男子高校生「伊藤誠」が他校に通う「言葉」に一目惚れし誠のクラスの「世界」という女の子が二人の仲を取り持つという所からストーリーが始まります。「言葉」と付き合ったは良いものの、なかなか先には進めない誠に世界が喝を入れ、誠に好意を寄せていた世界が関係を持ってしまいます。
誠がダメになる
その後「世界」上手くいかなくなったら「言葉」に行き更に上手くいかなくなったら他の女に手を出す「誠」のダメ男のシーンが流れます。裏切られてたと思い嫉妬する「世界」とショックを受けながらも「誠」に振り向いて欲しい「言葉」の三角関係に展開していきます。そして物語はラストシーンへむかっていきます。
物語は最悪の結末へ
その後ようやく「言葉」の愛情に気づき寄りを戻すことになりましたが「世界」が二人のもとに現れて誠を殺してしまいます。悲しみに暮れる「言葉」が取った行動がまさに死闘です。ラストは一言では表せないシーンとなっています。愛情が憎しみに変わる時、悲しみが殺意に変わる瞬間の二人の表情は視聴者を氷つかせます。
このアニメについて
沙織事件はレイティング規制のきっかけに
沙織事件はアダルトゲーム業界に良い意味で大きな影響を及ぼしました。この事件をきっかけに規制が入るようになったからです。現代のネットの社会で規制がない状態であればもっと性犯罪が増えていたはずです。
レイティング規制とは
レイティング規制とは購入や鑑賞が出来る年齢制限のことです。今でいうとR18やR15などが該当します。これによりアダルトゲームも有害図書の仲間入りをしました。今では、描写の激しいゲームや動画や映画に対しても規制が入るようになりました。