「ネオ麦茶事件」こと西鉄バスジャック事件とは
平成12年に17歳の男が起こした人質騒動です。突然刃物を出し、「おまえたちの行き先は地獄だ」と恐怖の言葉をいいバスを乗っ取りました。2ちゃんねるにネオ麦茶の名前で騒動の知らせを書き込みしていたことで、事件の名前にもなっています。
どうしてバスを狙ったのか、乗っ取らなければいけなかったのかを解明していきます。
ネオ麦茶事件とは17才の少年が起こしたバスジャック事件
ゴールデンウィーク中でほのぼのとした車内の乗客は21人ほどでした。ドライバー真後ろに着席していた少年が、起立し「バスを乗っ取ります」と冷静な態度で主従していくのです。15時間半の悪夢の始まりでした。
佐賀駅から出発した車両は福岡の天神目指して走る予定でしたが、逆方向を支持したのです。男性を後ろに女性を前に席替えさせます。力の強い男性を少年から遠ざけるためでした。
乗客のうち1人が死亡し4人が重軽傷を負ったネオ麦茶事件
恐怖を洗脳させるため、眠っていて事の状況を知らない女性の首に刃を突き立て、人質に恐怖心を植えつけ抵抗させないようにしたのです。トイレを訴えた女性には、「必ず戻って来い。さもないと残りを刺す」と告げ外へ出しますが、戻りませんでした。
逆行した少年は行動に移すのです。結果、一人の命が絶たれました。事の詳細は後ほど詳しくご説明していきます。
西鉄バスジャック事件の「ネオ麦茶」とは少年が使用していたハンドルネーム
一風変わった名ですが、これは本名を使わなくてもメッセージのやり取りが可能な2ちゃんねるのニックネームとして使っていました。まずは少年がなぜ、この名を閃いたのかをご紹介していきます。
2ちゃんねるの常連「むぎ茶」からきているといわれている
両親にパソコンを与えてもらい、無我夢中で画面に食いついたといいます。一日中ずっとパソコンの前に座っていたといいます。姿見えないネット仲間と繋がっていたかったのでしょう。
2ちゃんねるのおもしろさにはまり、開設時の常連の「むぎ茶」を参考にして自分のニックネームにしただろうといわれています。飲む麦茶ではなく、ネット語で「パソコンに詳しい人」を例えた慣用語です。
最初はキャットキラーと名乗っていた少年!その後ネオ麦茶に
キャットキラーで始めた掲示板ですが、顔の見えない世界では容赦なく暴言が書き込まれます。現実世界でも居場所がなくネット界でやっと居所を探せたと思った矢先、標的となってしまいます。
少年は名を変えたのです。これがネオ麦茶の恐ろしい幕開けでした。
西鉄バスジャック事件を起こしたネオ麦茶の生い立ちとは
なぜ一日中ネットにしがみついていたのでしょうか?中学生であれば学校へ行き勉学に励んだでしょう。部活も熱中していたかもしれません。ですが彼は違ったのです。半生に迫ります。
活気溢れる家庭に生まれた少年!成績優秀だった
サラリーマンの父と保健婦の母と妹のごく一般的な家庭で育ちます。父親は学校行事にも積極的に参加をするアクティブな性格で、小学校と中学校の成績は常にトップクラスで優れていました。
これは勉強をしていて負けまいと努力の成果であり、からかいのターゲットとなっていた少年は、勉学で勝ればクラスの子にからかわれなくて済むの一心で打ち込みます。長くは続かず中学3年生で張りつめた糸は切れていくのです。
いじめられ大怪我?学校を休みがちになる少年
クラスの子らに、筆箱を取り上げられ返してほしかったら飛び降りてみろと言われ、階段踊り場からジャンプし腰椎骨折をします。一歩間違えれば半身不随になる大けがでした。
高校受験は入院先で特別に受け、合格するも勉強についていけなくなり休みがちになります。レベルの1つ下を受験したことがプライドとして気に入らなったのです。彼の中で不満が募っていきます。
自主退学した少年は母と妹に暴力をふるうように
志望校ではなかったため行く気も失せ、勉強にも熱が入らなくなり10日ほどで自主退学をしてしまうのでした。何かのスイッチが押されたかのように性格も変わってしまいます。
母親に貴様と言いながら殴り掛かり、妹にも暴力で支配するのです。引きこもりながら荒れた生活が始まったとされます。学校を辞め社会とのつながりを失った少年の心の叫びを唯一受け止めた家族がいたのです。
唯一の救い?父とのドライブを好んでいた少年
父は、時間の許す限り息子の願いを聞き入れます。幼いころから、ワガママを我慢していたことが溢れ出たのか京都や名古屋といった遠方を要求することもあったといいます。
息子の願いをなるべく受け入れようと懸命な父の姿は、少年にとっての唯一の救いだったのでしょう。ドライブの思い出が後の騒動のルートになろうとは知る由もないでしょう。
部屋で犯行声明文とナイフを発見?精神科病棟へ
息子が外出している隙に、母は部屋にこっそりと入り込み驚きの光景を目の当たりにします。目にしたこともないほど大きな包丁がそこにはあったのです。
そして「別の誰かが人を殺すよう命じている」と書かれ紙も発見します。恐怖のあまり動かなくなった母は、精神科病院に入院を懇願するのでした。息子と真正面から向き合おうとした父、自分の手ではなく機関に頼った母。この両極端な対応は息子を益々歪んだ性格へと導いていくのです。
精神科病棟でのネオ麦茶とは?西鉄バスジャック事件を起こすまで
必死の願いの甲斐あり、保護入院という形で入ることができました。少年にとっては親から裏切られたという思いしかなく、ふつふつと湧き出る怒りを必死で隠し、密かに悍ましい計画を練るのです。
国立肥前療養所に入院した少年!態度が一変?
自宅では荒れ狂い家族を主従していた態度が一変し、人が変わったかのような態度になります。一時的に外出許可がおり自宅へ帰ります。
昼間は自宅でゲームをして過ごし、夜は療養所に戻るという生活を送るようになります。精神は不安定のままで日によっては母親に失言を吐いていました。
少年は殺人事件を褒め称えてるような手記を書き残していた
自宅ではメモ用紙に、荒れた心を吐き出しています。騒動の2日前に愛知県で、同じ17歳が女性を切り付け殺めた事件を目にし、「殺害、素晴らしい」と褒めたたえた文字が見つかります。
残虐な殺傷悪人を神と尊敬の念も示しています。人の命を絶つことで、自分の存在を見つけ出そうとする歪んだ思考が浮き彫りとなっています。もしくは心の助けだったのでしょうか。
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西鉄バスジャック事件前にネオ麦茶が2ちゃんねるに立てたスレッドとは
事の発端は、無料掲示板の書き込みからといわれ自由に誰もが書くことができた場所に規制されるきっかけともなりました。初めは何気ない言葉を綴っていましたが後に攻撃的に豹変し爆弾発言を吐いては、荒らしていたのです。
2000年5月3日12時18分に立てられたスレッド
彼は自宅にいた際、一人で森林の公園に行くといいナップサックを背負い、出かけます。外に出ると「佐賀県佐賀市17歳・・・。」とスレッドを立てます。
これから起こる悍ましい出来事を予告するかのように静かに幕があけるのです。
ネオ麦茶というハンドルネームで「ヒヒヒヒヒ」
今では不気味ともとれる意味不明な書き込みを最後に途絶えます。ちゃんねる内では、これがバスジャックと関係あったらと怪しむ書きこみ者もいます。彼はこの文字に何をアピールしたかったのでしょうか。
まるで自分が主役になれる前触れかのようにも感じられます。穏やかな連休の最中に悪夢が起こります。
西鉄バスジャック事件のネオ麦茶の犯行動機とは一体何だったのか
彼の見え隠れする心の影は、最悪な結果として人々、世間を賑わす形で姿を現してしまいます。怒りは両親に向けられていたものが次第に関係のない人々へ向けられました、一体なぜだったのでしょうか?
全ての発端はいじめられたことだった?
中学時代は良い思い出がなかったようです。身体が小さく運動も苦手だった彼は、からかいの対象となり後に大けがをすることになります。結果、受験も思うように挑むことが出来ず希望した高校へ通えませんでした。
すべては中学時代にあり、いじめをきちんとした形で対処できていたら彼の今後の人生も違っていたのかもしれません。
いじめを受けた中学校で無差別殺人事件を起こす予定だった
ナップサックを背負った彼は、自分の人生を狂わせた中学校をターゲットにします。自分を変えてしまった嫌な思いでしかない学校を痛みつけることにしたのです。
すでにいじめていたクラスメートも卒業しているため、実行したとしても無関係な生徒たちを殺めることになります。身勝手である少年の思いはあっさりと打ち切られます。
中学校はゴールデンウィークで休みだったためバスジャックに
幸いなことに連休期間中だったため休校でした。ただ同じ学校に通っているだけの罪のない生徒たちは逃れたのです。このままでは終わりませんでした。