現代に復活したバーバリーライオン!再発見されるまでの歴史と今に迫る

頭胴長3.25m、尻尾75cmのを持ち合わせた個体が存在したという記録が残されています。
アトラスライオンは、ディズニー映画「ライオンキング」の悪役スカーのモデルともなっています。その迫力は同じライオンですら圧倒する勢いなのです。

バーバリライオンの悲しき歴史

神の名を持ち、他を圧倒する存在感で王者の風格を放つバーバリライオンですが、人間に翻弄され続けた悲しい歴史がありました。なぜ、絶滅したとされてしまったのでしょうか?その歴史は、ローマ時代まで遡ります。

ローマ帝国時代の戦利品

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ローマ帝国が栄えていた時代、北アフリカを征服すべく進出してきたローマ軍によって、大量のバーバリライオンが捕獲されました。珍しさもあり、戦利品として皇帝たちにとても気に入られたようです。かの有名なカエサルは400頭、ポンペイウスは600頭を持ち帰ったとされています。

コロッセオでの剣闘士とのデスマッチの役者でもあった

バーバリライオンはコロッセオで剣闘士と戦うこともありました。他にも相手は奴隷や罪人、戦争捕虜の場合もあり、餓えたライオンと人間がデスマッチを繰り広げていたといいます。他にも、当時弾圧されていたキリスト教徒の処刑にバーバリライオンが使われていました。

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フランスの画家ジャン=レオン・ジェローム作「キリスト殉教者の最後の祈り」という絵画には、コロッセオの中でもキリスト殉教者をじっと見据えるバーバリライオンが描かれ、残酷な歴史を物語っています。

娯楽としてハンティングの標的になった

ローマ帝国が滅亡したあとも、バーバリライオンが安心して過ごすことのできる時代は訪れませんでした。 最後の砦として逃げ込んだアトラス山脈でさえも、欧州が進出、銃が普及し始めたことで、バーバリライオンは次々と乱獲されてしまいます。

人の身勝手により綴られたバーバリーライオンの絶滅

アフリカの森林地帯に生息していた野生のバーバリライオンは、アトラス山脈に逃げ込んだものの、そこでも住みかを奪われ狩猟により数を減らしていきました。いよいよ、絶滅の危機を迎えることになります。

原因は続くハンティング行為

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文明が発展し銃を手にした人間は、趣味として野性動物たちをハンティングし、殺していきました。バーバリライオンも例外ではなく、容赦のない狩猟が続きました。生きた個体も、動物園での観賞用に捕獲していたといいます。

姿を消したバーバリーライオン

1981年、アルジェリア、チュニジアに生息していたバーバリライオンたちは姿を消しました。その後ついに、フランス人によって射殺された個体を最後に、バーバリライオンは滅びてしまったと言われています。1992年のことでした。

地球上には、残念ながら絶滅してしまった動物たちがたくさんいます。詳しくはこちらをご覧下さい。

奇跡の再発見!バーバリライオンはモロッコで生きていた!

ついに絶滅してしまったとされていたバーバリライオンですが、なんと2012年にモロッコにて純血種が発見されたのです。奇跡の再発見と、その後の各国での繁殖の様子ををご紹介します。

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