菖蒲の花言葉は色で異なる!ショウブやカキツバタとの違いや名所も!

国語辞典で「アヤメ」と「ショウブ」を別々に引いてみるとどちらも「菖蒲」という漢字が出てきます。昔はショウブを「アヤメ」と呼び葉は似ているけれど花の目立つアヤメは「花アヤメ」と呼んでいたそうです。

ショウブとは?

ショウブはサトイモ科(ショウブ科と分類されることもある)ショウブ属の植物で池や川などの湿地に生育します。黄緑色の筒型の肉穂花序(にくすいかじょ:花の軸)に一面に小さな花を付けますが、小さくて目立たずアヤメの艶やかな花とは全く異なります。

ショウブの花言葉

ショウブの花言葉は「優しい心」「あきらめ」「適合」「忍耐」「あなたを信じます」などがあります。同じ漢字のアヤメの華やかさとは対照的で目立たない控えめな花の様子からそういった花言葉が付けられたのでしょう。

ショウブ湯や漢方に利用

日本には5月5日の端午の節句に菖蒲湯に入るという昔からの習わしがあります。ショウブ特有の香りで邪気を祓うのと同時に血行促進や疲労回復などの薬効を期待し健康を願います。ショウブの根茎を乾燥させたものは「菖蒲根」という生薬で鎮静、鎮痛、健胃、利尿作用などがあります。

見た目が似ている菖蒲(アヤメ)と杜若(カキツバタ)

杜若(カキツバタ)は菖蒲(アヤメ)とよく似ている紫色の花を付けるので「アヤメ」と呼ぶことも多く日本人には馴染みの深い花です。しかし実際にはアヤメとカキツバタの違いをよく知らない人は意外と多いのではないでしょうか。

カキツバタについて

杜若(カキツバタ)は菖蒲(アヤメ)と同じアヤメ科アヤメ属の植物で原産地は日本、シベリア東部から中国で背丈は50cm~80cmほどです。菖蒲(アヤメ)と同じように直径8cmほどの花を付けます。アヤメに似ていますがアヤメと違って湿地に生育します。江戸時代の画家尾形光琳が描いた国宝「燕子花図屏風」の杜若の絵は有名です。

カキツバタの花言葉

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カキツバタには「幸せは必ず来る」、「幸せはあなたの物」、「贈り物」といった花言葉が付けられています。またカキツバタは漢字で「燕子花」とも表記されますが、カキツバタの花の姿が羽を広げている燕に似ていることから付けられたと言われています。花言葉も幸せを運んで来る燕が由来となっているようです。

ことわざの元になっている

古くからののことわざに「何れ菖蒲(アヤメ)か杜若」というものがあります。「菖蒲(アヤメ)も杜若も姿形がよく似てどちらも美しいので優劣がつけられない」という意味ですが、そのことわざは日本の古典文学「太平記」の中の話が基となっています。

源頼政が伝説の生き物「鵺(うね)」を退治した時に褒美として菖蒲前(あやめのまえ)という頼政が想いを寄せていた女性を賜ることになります。その条件として12人の美女の中から菖蒲前を見つけ出すように言われて詠んだ歌からこのことわざが生まれたそうです。

菖蒲(アヤメ)の花と花菖蒲(ハナショウブ)は別物?

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あやめ祭りや菖蒲園に出かけると花菖蒲(ハナショウブ)を多く見かけます。そのため菖蒲(アヤメ)と呼び方は違うけれど同じ花なのかと疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。花菖蒲(ハナショウブ)とはどのような花なのでしょう。

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