巣鴨子供置き去り事件!事件内容や長男・母親のその後【誰も知らない】

Array

Amazonで見る

この映画は2004年に作成されました。15年という構想の末に生み出され、世に発表された是枝裕和監督の社会派作品です。実話を元にしているだけにかなりリアルな状況が描かれていました。これが実際に起こった話だと言うのはとても信じがたいです。主演の柳楽優弥の迫真迫った演技も話題となりました。

国内のみならず国外からも注目を集めた『誰も知らない』

被害者加害者双方の立場となってしまった長男の視点で映画のストーリは進みます。国内ではもちろん話題を集めることになりました。しかし、この映画は日本に留まらず国外にも話題になることとなります。監督の意向で予め台本を渡さずに演じてもらい、その効果か映画の中心となる子役たちの演技がより現実味のあるものとなりました。

特に当時14歳だった長男の明を演じた主演の柳楽優弥の演技は特に高く評価され、カンヌ国際映画祭にて主演男優賞を受賞します。史上最年少での賞の受賞となり、さらに日本人初の受賞となる快挙でした。

平成のネグレクト事件①大阪2児餓死事件

Skitterphoto / Pixabay

大阪2児餓死事件(おおさかにじがしじけん)とは、2010年に発生した大阪府大阪市で当時3歳女児と1歳9ヶ月男児が母親の育児放棄を受けた結果、2人の幼い命は餓死という死因にて命を落としてしまった事件です。昭和の巣鴨子供置き去り事件に次いで平成のネグレクト事件として有名です。

事件の概要

RyanMcGuire / Pixabay

2010年7月30日に部屋から異臭がすると近隣住民より通報を受けて警察官が駆けつけます。マンションの一室に手2人の幼児の遺体が発見されます。遺体は既に死後1カ月は経過していました。同日風俗店で働く母親が逮捕されました。

事件発覚前には、近隣住民によって子供の泣き声がすると虐待を疑い、何度も児童相談所に通報されていました。しかし、幼い2児は保護されることもなくそのままなくなる事態になってしまいました。

事件の発覚

picjumbo_com / Pixabay

2010年6月9日頃、母親によって居間の扉に粘着テープを張った上に玄関に鍵をかけて2児を自宅に閉じ込めて放置しました。同月下旬ごろに2児は餓死してしまいます。母親は子どもを自宅に閉じ込めた後地元に帰るも、自宅へは帰らず交際相手と遊びまわっていたとされています。

同年7月29日、勤務先の上司から「異臭がする」との連絡を受けた母親は、50日ぶりに帰宅しました。この際に子供の死亡を確認しました。しかし、この後交際相手と出かけホテルで宿泊しています。警察によって子どもが発見されていた際にはすでに子どもが亡くなっていたと母親は知っていたことになります。

母親の生い立ち

逮捕された母親は中学生時代に両親の離婚などで何度も家出を繰り返す少女であったそうです。2006年12月に同時大学生だった男性と結婚します。母親が20歳になった2007年に長女を、翌年2008年には長男を出産します。

しかし、2009年には2児の父親と離婚し、事件の舞台となるマンションに子どもと共に引っ越しします。だんだん育児を放棄し、遂には交際相手と過ごすために長期間時間を空けるようになってしまいます。

裁判

mohamed_hassan / Pixabay

母親は逮捕されたのちに約5ヵ月間の鑑定機関にて精神鑑定を受けることになりました。セ新官邸の結果は刑事責任能力には問題ないとの結果。大阪地検に殺人罪の罪で起訴されました。裁判は最高裁まで争われることになりました。2013年3月に母親には懲役30年の刑が言い渡されました。

子宮に沈める

大阪2児餓死事件をモチーフにした映画『子宮に沈める』が2013年に緒方貴臣が監督した虐待、育児放棄が増えている日本に警告する内容になっています。離婚した若い母親が、2人の幼い子供を必死に育てようと奮闘しますが、シングルマザーであるが故にだんだんと余裕をなくしていきます。

交際相手ができると幼い子どもが足かせに感じてしまう母親。ついには交際相手の元へ行き、2人の子どもを置いて家を出て行ってしまいます。それでも愛する母親の帰りを待ちますが、先に弟が亡くなり、姉はマヨネーズを飲み懸命に生きます。しかし帰ってきた母親に姉さえも殺されます。実話が基になっているためリアルな映画となっています。

平成ネグレクト事件②愛知県武豊町3歳児餓死事件

2000年12月11日大手製薬会社の子会社の社宅内で3歳の女児の遺体が段ボールの箱の中で発見されました。司法解剖の結果死因は飢えによる餓死とされました。女児の遺体が発見されたと同時に女児の両親である当時会社員の男と専業主婦の女が逮捕されました。この夫婦には男児もいます。なぜ、女児だけがネグレクトを受けたのでしょうか。

事件の概要

geralt / Pixabay

父親により長女が部屋で死んでいると警察へ通報があり、段ボールの中で餓死している女児が見つかりました。両親は女児が発見される1カ月前より十分な食事を与えず、亡くなる4日前から食事は一切女児の口に入ることはありませんでした。3歳児の平均体重は12~15kgとされているが、女児の体重は5kgと平均体重の半分以下でした。

発達の遅れがみられていた女児

geralt / Pixabay

女児が10カ月の時父親により激しく揺さぶられたことによって頭部損傷による発達の遅れがみられていたという女児。保健師により発達の遅れがみられる長女のために市が運営していたことばの教室を勧めます。

しかし、父親の手取りは13万円程。市の運営する教室へ連れて行きたいと母親は思いましたが、わずか50円のおやつ代が惜しく結局参加することはありませんでした。女児の下に男児が生まれると発達良好な男児をかわいがるようになります。

誰にも頼ることができない母親

Clard / Pixabay

男は仕事、女は家事育児という強固な考えをもつ父親。母親はそんな考えの夫にはもちろん実母、義母との関係が悪かったため育児の相談ができない環境にいました。発達が遅い女児の今後が不安でもどうすることもできませんでした。

経済的に追い詰められる母親

geralt / Pixabay

夫の給料ではとても4人で生活するには足りません。育児のことも家庭のことも誰にも相談ができない母親は判断力が低下し、買い物依存症となってしまいます。訪問販売の高級布団をローンで購入してしまい、ついには消費者金融への支払いも滞ってしまうようになります。

この借金の支払いの遅延により夫婦は大喧嘩をします。母親はこの喧嘩をきっかけに生活への意欲も失せてしまい家の中はゴミだらけになります。父親はそんな家庭から目をそらすように仕事と職場の人間関係に依存するようになり、自宅ではゲームに没頭する日々を過ごします。

そして怒りの矛先は女児へ

WenPhotos / Pixabay

そんな鬱憤のたまっていた夫婦は女児が少しでも思い通りにならないと女児の行動を制限し、少しでも女児が逆らうと段ボールに閉じ込めるようになります。女児が段ボールから出ようとすると両親は女児を折檻しました。

段ボールの中で絶命

elianemey / Pixabay

女児は親への関心を失ってしまい、段ボールから出ようとする事もなくなり、食事すら口にしないようになってしまいます。わずか3歳で親からの愛情を受けられず、なぜ暴力を振るわれるのか、閉じ込められるのかもわからないまま小さな段ボールの中で亡くなってしまいました。

平成ネグレクト事件③厚木白骨死体事件

2014年5月30日神奈川県厚木市のアパートの一室にてゴミに囲まれた男児の白骨化遺体が発見されました。男児が亡くなってから7年4カ月という長い年月が経過していた。男児の父親は保護責任者遺棄致死罪にて逮捕されました。

事件の概要

DarkWorkX / Pixabay

37歳の父親によって育児放棄された5歳男児が衰弱したのちに命を落とします。男児の死後遺体をアパートに放置する父親。長い時間が経ち、男児の遺体は白骨化します。男児が亡くなった翌年小学校の就学の案内が届きますが、亡くなっているため男児は入学せず、その6年後には中学校への入学案内がアパートに届きます。

しかし7年前にすでになくなっているので中学校への入学もできません。不審に思った厚木市の児童相談所が入学してくるべき児童が入学してこないとして警察に通報し、白骨化している男児の遺体が警察官により発見され事件が発覚します。

父親の生い立ち

Tumisu / Pixabay

軽い知的障害があった父親。高校卒業後専門学校へ入学するも片道3時間もかかることから専門学校を中退した後アルバイトをはじめます。手に職をつけようと転職しますが、収入は安定しません。知的障害があったことから父親の実家からの協力も得られません。

そんな時に当時17歳の母親に出会います。母親もまた家族関係が悪く父親の家に転がり込みます。やがて男児が生まれます。しかし経済的に厳しく双方の実家や消費者金融に借金をする日々。そして実家との関係もさらに悪化。絶縁状態になります。

出て行った母親

Tumisu / Pixabay

どうにかして長距離トラックの運転手として働き始める父親。手取り23~25万の安定した収入を得るようになります。しかし、借金の返済に追われるばかりか週6日のトラックドライバーの仕事は長時間の勤務であり育児を母親と共に行うこともできません。夫婦関係に亀裂が入ることとなります。

そして母親も生活に足りないお金を補おうと、はじめのうちは子どもをおいてコンビニにバイトへ行っていました。しかしコンビニよりも給料の高い風俗で働くようになります。そして、ある日買い物へ行くと言い出かけたっきり自宅へ帰ってくることはありませんでした。

父と子だけの生活

ambermb / Pixabay

母親が出て行ってしまったため、父親は男児を一生懸命育てようとします。しかし、仕事を休むとただでさえ厳しい経済状況であったため有給も取らずに働き続けました。そして父親に交際相手の女性ができると男児の育児をしなくなります。

週に1、2回しか帰らなくなり、だんだんと男児は衰弱していきます。父親と交際していた女性はアパートに行ったことがないため男児がいることも知らなかったと事件発覚した後に話していました。

男児の絶命

MabelAmber / Pixabay

男児は亡くなる直前にはコンビニのおにぎりの封さえも開けられず、立ち上がることすらできなくなるほど衰弱していたと言います。男児がかよわい声で「パパ」と父親を呼ぶ姿に耐えられず部屋を出てしまったと父親は逮捕後に供述しています。

男児の白骨化遺体を発見

geralt / Pixabay

6状の部屋には大量のごみありそのゴミの上に布が引かれ、その上に横たわっていた男児の遺体。遺体が発見された時には窓には目張りがされていた。ずっと長い間遺体が放置されていたため、死因が餓死なのか病死なのかもわかりませんでした。父親は12年の実刑が下されました。

事件発覚後、男児の母親と連絡をとった警察。取り調べの中で母親は「息子が死んでいるなんて知らなかった」と動揺した面持ちで話していたと言います。母親が家を出た理由は当時の父親の暴力に耐えられなかったためと話していたそうです。

昭和のおわりに起こった凶悪事件

Gellinger / Pixabay

昭和を生きてきた人にとって昭和という響きは、大変懐かしいものです。64年と長い昭和ですが、巣鴨子供置き去り事件に並び、惨い事件が昭和の終わりに起こっているのをご存知でしょうか。昭和の末期に起こった凶悪事件を2つ紹介します。

豊田商事会長刺殺事件

lekhwiya / Pixabay

1985年6月18日豊田商事の会長が大勢のマスコミに囲まれる中、刃物を持つ2人の男が会長のいる部屋へ侵入し、刃渡り40cmもの刃物でめった刺しにされるというショッキングな映像が生中継されてしまうと言う事件が起こりました。

悪徳商法で有名だった豊田商事

geralt / Pixabay

昭和60年当時、豊田商事は詐欺を行う悪徳商法会社として有名でした。被害総額は2000億円ともいわれており、恨んでいる被害者の数は、数万人もいたとされています。消費者センターに豊田商事に騙されたと多くの人々から通報や相談が寄せられていたといいます。

豊田商事の会長である永野氏は、逮捕間近ということもあり事件が起こる当日マスコミにより永野会長のいるマンションに詰め寄っているところでした。そんな中、被害者の元上司という自称右翼の2人の男性により豊田商事の会長は殺害されます。テレビの画面で残酷な映像をあまり見ることがない日本国民には衝撃的な事件でした。

女子高生コンクリート詰め事件

女子高生コンクリート詰め事件とは、昭和がいよいよ終わるという1988年11月から1989年1月に起きた東京都足立区で起きた残虐な事件です。被害にあった女子高生はもちろん加害者である6人もみんな未成年というとんでもない事件です。少年たちは少女を監禁、強姦、暴行の末殺害します。

少年たちは殺害したのちにドラム缶へ少女の遺体を詰め、コンクリートを流し込み東京都江東区の埋め立て地に遺棄したとされています。監禁していたとされている少年の家には驚く事に両親や兄も住んでおり、事件当時少年の両親は異様な気配に気づいていながらも知らないふりをしていたことも日本中に衝撃を与えました。

裁判で判決を受ける少年たち

Pavlofox / Pixabay

1989年3月に別の婦女暴行容疑で逮捕された少年A。この逮捕により、少年A達が女子高生を仲間の自宅に監禁し強姦、殺害した後、コンクリート詰めにしたという自白しました。この供述によって少年Aが自白した場所で、変わり果てた女子高生の遺体が発見されました。

裁判の結果、主犯格の少年Aには懲役20年、準主犯格の少年Bには懲役5年以上10年以下、少年Cは懲役5年以上9年以下、少年Dには懲役5年以上7年以下と東京地裁にて量刑が確定しました。

再犯する少年たち

KlausHausmann / Pixabay

4人の少年にはそれぞれ実刑を受けます。しかし、4人中3人が再犯を犯すという状況。更生を期待していた人々を裏切る結果となりました。主犯格のAは出所後詐欺事件を起こします。準主犯格のBは出所後暴力団の構成員となり自分の女をとっただろうと知人を母親が経営するスナックに5時間もの間監禁し暴行します。

さらにCが2018年8月に32歳の男性の肩を警棒で殴った上、首をナイフで刺したとして45歳の男が殺人未遂の疑いで緊急逮捕されました。Dは1996年に出所した後母親と共に暮らしていたが引きこもりとなっていることが分かっています。現在Dは消息不明とされています。

平成のおわりに起こった凶悪事件

Mysticsartdesign / Pixabay

2019年4月30日、31年にわたる平成が終わりました。昭和の半分にも満たない平成の時代でしたが、昭和にも負けない凶悪な事件が数多く引き起こされました。平成のおわりに起こった事件について紹介します。

座間9遺体事件

Free-Photos / Pixabay

2017年10月31日に若い女性8人と男性1人の計9人とみられる複数人の遺体が、神奈川県座間市のアパートの一室に発見されました。9つの遺体が発見された部屋は、犯人である白石隆浩が住むアパートでした。

SNSを利用した犯行

ijmaki / Pixabay

2017年8月から10月にかけて白石被告はSNSであるツイッターを利用し、最終的に9人の若い男女を殺害します。手口は自殺願望のある女性と交流し、一緒に死のうと自宅へ連れ込み首を絞め殺害していきました。遺体は風呂場で解体し頭部以外の遺体の一部は密閉容器に入れアパートから離れた2カ所のゴミ捨て場に捨てたとされています。

白石被告は強盗・強制性交等殺人罪、強盗殺人罪、死体損壊・死体遺棄罪で起訴されました。この事件は日本だけでなく海外でも注目される事件となり、犯罪に利用されたツイッターは利用規約の変更がされました。

宮崎民家6人殺害事件

2018年11月26日に宮崎県の高千穂町の民家で男女6名の遺体が発見されました。6つの遺体が発見されたのは被害者である飯干保生さんの自宅でした。被害者は飯干さん夫婦と次男の妻、次男の子ども2人と知人の男性です。

次男が行方不明

GDJ / Pixabay

事件当初次男である飯干昌大さんの行方が分からず、警察関係者は次男が犯人ではないかと捜査を行っていました。しかし事件当日夕方4時ころ、近所の川で亡くなっている飯干昌大さんが発見されます。

事件の真相は解明されていない

shpoks / Pixabay

次男である飯干昌大さんが一家5人と知人男性の全員を殺害し、橋の上から飛び降りて自殺したのではないかと言われていました。しかし真相は未だにわかっておらず、今現在も捜査が続けられています。

育児放棄が原因で起こった巣鴨子供置き去り事件

Bessi / Pixabay

母親に置き去りにして幽霊児となってしまった長男。映画では明とされています。母親が出て行ってしまってから妹の世話をする明。学校にも行けず、近所の目にも、行政にも見つかることなく過ごしますが、生活がどんどん貧しくなり、三女を遺棄するところまでが映画では描かれています。

『誰も知らない』が公開されてすでに15年が経ちます。今もなおこの映画は考えさせる内容であり、語り継がれるべき映画です。育児放棄が現在でも問題となっています。今も日本のどこかで戸籍のない幽霊児が存在しているかもしれません。

フリッツル事件に関する記事はこちら

てるくはのる事件に関する記事はこちら