小野悦男が無罪釈放の理由とは?冤罪のヒーローから転落した疑惑の殺人犯

セックス依存症の怖さは「人に知られたくない気持ち」が誰にでもあることです。その事から治療に至るまでの人が少なく周りの人間関係も崩れ、場合によっては自傷行為に及ぶ人も少なくありません。その衝動の強さから、性犯罪に手を出してしまう人もいるでしょう。

小野の場合はどうなのでしょうか。立て続けに起きた殺人事件はほとんどの被害者が暴行をされた女性達でした。結びつけるまでには、至りませんが動機が分かることで犯罪が防げることもあります。依存症に苦しめられていた可能性も否めません。

小野悦男は放火癖がある?

もう一つ、考え深い話があります。小野の前科には放火がありました。首都圏連続女性殺人事件も放火が絡んでいたものがとても多く、最後に起こした足立区首なし女性殺人事件も火が絡んでいます。なにか関係性はあるのでしょうか。

小野悦男の前科からひも解く放火癖とは

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「病的放火」と言う言葉は聞いたことはありませんか?放火癖とも言うのですが、火を見ることに以上に興奮し、放火前には緊張感や、感情的興奮、が味わえます。人によっては性的興奮を覚える人もいるようです。

それにより何度も放火行為を繰り返したり、計画する障害です。原因として考えられるのは、心理的要因が関係しているとされます。放火癖の特徴として、権力や名声を異常に欲しがる傾向もあると言いわれます。

小野悦男がかかっていた?放火癖と「性」の意外なつながりとは?

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一見関係のないように思えるセックス依存症と放火癖、実は特徴で少し関わってきます。精神分析者であり精神科のジークムント・フロイトは火を性の象徴と話します。火の動きや形は揺れ動くため男性器を示しているというものです。

また、火の暖かさは性的興奮状態と同様の気分に陥ることの危険性を説きました。両方の要素を兼ね揃える小野ですが、今回起きた事件を病気や過去の環境のせいにして片付けるには、納得がいくものではないでしょう。

小野悦男と同様な冤罪の罪を被せられた人達

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逆転無罪を勝ち取った小野ですが、この後彼の人生はまた大きく変わります。それとは別に、警察の過酷な取り調べで見に覚えのない罪を着せられ、無罪を勝ち取った事件もありました。概要だけお話しましょう。

これから概要だけ話す事件は長い間、裁判、警察などと関わってきた有名な事件です。ほかにも冤罪事件で有名な事件も日本は残念ながらあるのです。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

足利事件

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足利事件とは、1990年に女児が翌日にパチンコ店近くで死体となって発見された事件です。この時に容疑者として浮上したのが菅家利和さんでした。当時、犯人が残したものに体液が含まれていた下着も見つかっており、DNA鑑定では菅家利和さんであるとされていました。

物証価値は高く、大きく事件の結果を狂わす結果となり無期懲役を言い渡されました。2002年再審を請求し東京高裁はこれを受け、再度DNA鑑定に望みます。結果は同一人物ではないとし、晴れて無罪となり17年半の戦いに幕を閉じました。残念ながら事件そのものは公訴時効が成立し未解決事件となっています。

袴田事件

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袴田事件とは1966年に静岡県で起きた強盗放火殺人事件です。県名ではなく、容疑者として逮捕されていた袴田巌(はかまだいわお)から事件の名が付きました。過酷な取り調べがやはり論点となり、DNA鑑定の精密さも信憑性がなかった事で、何回も再審請求していました。

釈放されたのは2014年、すでに45年以上に渡り死刑囚として拘束されていました。残念ながら2018年6月に静岡地検の再審請求を棄却されています。すでに病院で生活を送っている袴田巌、生きているうちに再審請求が認められ真実が明らかになることを願います。

冤罪の補償の額

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冤罪の時に支払われる金額はご存知ですか?日本では、無罪判決を言い渡されると1日1000円~1250円を国が支給します。最高額の12500円でも24時間で時給換算すると500円。足利事件で無罪になった菅家利和さんは約8000万円、小野は約3500万円受けとったとされます。

失った時間は戻ってこず、それにより得をした人間はいないのです。なんとか冤罪をなくしたいと思うと同様に、きちんとした犯人を検挙するために命を犠牲にする警察官がいることも思うとなんとも言えない心境になります。犯罪が起きないのが一番良いのですが、叶わぬ願いなのでしょう。

小野悦男の関わった事件内容の再犯者率

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小野の人生の中で、犯した罪の多さには本当に驚きます。詐欺、窃盗、強姦、放火、殺人多岐に渡ります。刑務所での環境は想像もつかないくらい良くないと聞きます。逮捕14回、服役も13回も経験していても、同じ事を繰り返すのはなぜなんでしょう。

出所してからの受刑者の受け入れ体制が整っていないことも、原因の一つとして挙げられます。何度も犯罪を繰り返す小野悦男の人生をみてきて「再犯者率」がどのくらいのものか興味はわきませんか?

再犯者率

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日本の犯罪にとって、再犯者率はとても頭を悩ませるものになります。それは事件の件数に紐付いているからです。初めて捕まった人たちの殆どが一件の事件を起こすのに対し、再犯を犯した人は何件もの事件を犯している可能性が非常に大きいからです。

調べた結果、捕まった人数で考えると再犯率は28.9%に留まるのに対し、全体の件数で考えると57.7%の件数が再犯を行った人たちによって起きているのです。結果を見れば分かる通り、再犯を防ぐ事がいかに大変がわかる調べでした。今は、再犯率を防ぐために矯正施設における就労支援や更生保護に力を入れて対策に力を入れているようです。

5年後に事件を起こしたわけ

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一つ首都圏女性連続殺人事件で、一件だけ年数が離れた事件が合ったのをおぼえているでしょうか。そもそも最初に起こったのは1968年でした。2回目の事件とされるのは1973年です。どうしてこの5年間を空けたのか、もしかしたら度々刑務所に入っていた小野悦男のは累犯の罪について詳しく知っていたのかも知れません。

累犯について

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専門的な話になるため概要だけお話しましょう。累犯(るいはん)とは1回目の懲役の終わり、または執行の免除を得た後、5年以内に更に2回目の犯罪を繰り返すことで罪が重くなると言う法律です。

また、繰り返し犯罪をする場合にも使われるため、一概には知っていたとしても役に立たない場合は多いです。2016年度の再犯者率は48%を超えるなど日本の犯罪は深刻な状況と言えるでしょう。

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