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小野悦男が釈放されたその後は?
「17年間とても苦しかった」と語る小野が釈放されてからどんな生活を送っていたのか、気になりませんか。周りの助けがあり、無罪をなんとか勝ち取ってもそれが真実なのかはすでにわかりません。この後の小野の人生が事件の真実を語っているような感じもします。
小野悦男に対してマスコミ各社が謝罪記事を掲載
東京地裁が上告を諦めたことにより、小野の無罪は確定となりました。誇張した報道をしたとして新聞やマスコミ各社が謝罪記事を掲載しました。これにより一層首都圏女性連続殺人事件は有名となり、「歩けなくなっている母親の面倒をみたい」と語る姿勢に涙を誘い、世間を騒がせました。
またしても、マスメディアにより「冤罪のヒーロー」として世の中に名前が知れ渡ることになりました。この事件をきっかけに、今まで呼び捨てで被疑者を報道する流れを「容疑者」と呼ぶきっかけとなります。
小野悦男は今回の件を活かして講演会開催
自由になってからは、自身の経験を活かし裁判の論点ともなった代用監獄や、過酷な取り調べを批判などについて語るために講演に積極的に参加します。東京都内の集会では同じく無罪の判決を受けた経験がある3人で獄中体験を辛辣に話しました。
これまでにも何度も犯罪を犯し逮捕されていた時とは、打って変わって世間は良いイメージが定着しました。後の記者の対談で、東京足立区に6畳の部屋を借り、母親のそばで生活の基盤を作っていたことがわかります。
小野悦男は国からの謝罪のお金で豪遊
小野は別件の婦女暴行の疑いで逮捕されており、懲役6年の判決が下されています。事件が無罪になり、裁判が終わるまで約16年半勾留されていたのです。最後の判決では逮捕時に公表された写真にはないしわができました。
実質、刑に服したのは一日もなく勾留された日数から6年の懲役分を差し引いた約3800日分の費用を国に請求し、約3600万円を手にします。お金は人の人生を狂わすと言いますが、小野もその一人でしょう。国から金をもらったから何年でも飲んでいられると飲み屋で話している姿も目撃されていました。
小野悦男が殺人事件でまた逮捕!?冤罪からの転落!
16年かけて勝ち取った無罪は、翌年には何の意味もないものに変わってしまいます。冤罪でもなく、彼自信が起こした紛れもない事件で再び逮捕されたのです。前の事件から何年も経っており、警察や証拠類を確定付けるものが大分改正されてきました。
16年も時が止まっている状態の小野は、自分の今の立場なら何をやっても誰かが助けてくれる、そんな気持ちになってしまったのかもしれません。しかし起こした事件は世間を唖然と言わせ、「冤罪」の意味を深く考えさせる事件となります。
小野悦男の再犯①無罪判決の翌年に窃盗で逮捕
1992年に窃盗罪で再び逮捕される事になったため2年間、服役することになります。前科もあるため実刑は免れなかったのでしょう。しかし、わずか一年語の出来事。国から手に入れた補償額はとても使い切れる金額ではありません。元々の窃盗癖が招いた結果だったのでしょうか。
小野悦男の再犯②出所後に首なし遺体が発見
更に恐れていた事件が起こります。1996年1月9日近所の人の通報があり「駐車場にマネキンのような黒い物がある」事がわかります。首のない女性の焼殺遺体でした。容疑者として、放火も絡んでいる事から、近くに住居を構えていた小野が捜査の中で浮かんでくるのも無理ないことでした。
しかし、実際に逮捕に至った最初の理由は、首なし女性遺体が見つかった後に起きた「少女殺人未遂」でした。概要は、同年4月21日、都内で遊ぶ女の子に声をかけ、移動しいたずらした後に首を絞め、る所を目撃され逃げだしたというものでした。
小野悦男の再犯③逃れようのない物的証拠、裏切られた救援会
焼殺遺体の事件も慎重に捜査をすすめ、遺留品に残った体液のDNAと小野のDNAが一致しました。小野の住居の周りを警察犬を使い捜査、布にくるまれた女性の首と切断に使用されたのこぎりも発見されます。言い逃れの出来ない証拠を突きつけられ、逃げ道がなくなりやっと殺害を認めました。
最終的には「救護会」は裏切られ、当時、首都圏連続女性殺人事件を担当した弁護士の告白も波紋を呼びました。裁判の時から小野を疑っていたと発言し、「小野悦男を弁護した」理由ではなく事件を担当時に「疑っていた」と言う不適切な発言で弁護士会から懲戒処分を受けました。
小野悦男の再犯④無期懲役の判決
今回の事件は東京地裁に持ち込まれ、無期懲役の判決が下ります。あまりに物的証拠が多く、判決は覆ることは今度こそありませんでした。上記の事件をきっかけに首都圏女性連続殺人事件の小野の関与に関して疑いを持つ人が増え、冤罪のヒーロは一気に殺人者に転落したのです。
小野悦男の起こした足立区首なし女性焼殺事件の概要
簡単に説明した足立区首なし女性焼殺事件の概要を見ていきます。実際に無罪の判決を言い渡された松戸OL殺人事件とは手口は似ており、焼殺するか穴に埋めるかの殺害方法では首都圏連続女性殺人事件と共通部分があります。
小野悦男の再犯概要①足立区で首と陰部が切り取られた遺体発見
1996年1月9日の事件の発覚については先述したとおりです。被害者は41歳の女性、首と陰部が切り取られ、布団にくるまれた状態で焼かれた状態で発見されます。想像を絶する残酷さなのですが、前回の事件と違うのは証拠がすぐに見つかり、DNA鑑定などの精密度も信頼度も上がっていたことです。
また被害者の身元がすぐ判明したのも犯人を小野と断定するのに役立ちました。近所の人からの情報や被害者の母親や親族の協力もあり身元もDNA鑑定で確認が取れています。警察が小野の家に訪問した時に事件に使われた布団と同じ柄だったのも見逃しませんでした。
小野悦男の再犯概要②被害者は犯人と同居していた
小野と被害者の41歳女性が同居していたのは、近くに住む誰もが知っている事実だったと言います。被害者が失踪した時には「最近、小野さんと一緒に同居する人を見ない」と皆口々に心配していたそうです。
もちろん、冤罪のヒーローとして有名であることから、もうすでに殺されているのではないかと思う人も多々いました。近所に住む女性は直接、「あんたが殺したんでしょ?」と問いかけるも小野は黙って笑顔をうかべただけだったと言います。
小野悦男の再犯概要③警察は救援会を刺激しないよう慎重に捜査した
この時の警察の捜査は大変なものでした。一度冤罪のヒーローとして有名になった彼を、二度と同じ冤罪で逮捕するわけにいかなかったのです。後ろ盾には救援会が控えています。刺激を与えないように捜査をする必要性に迫られました。表立って捜査が出来ず難航していた時、幼女の誘拐事件が発生し、小野が逮捕されました。
現場から50m離れた講演に布団が残っており、そこには物証となる体液と血が付いていました。DNA鑑定の結果、血は被害者の物、体液は小野の「たん」と一致しました。女性の頭部の発見には聞き込み時に「畑をよく耕している」との証言もあり、時間は掛かりませんでした。
逮捕後の小田悦男の様子
逮捕直後は全く覚えがないと否認するも、物証が揃うと逃げられない事を悟り、覚悟を決めたようでした。担当弁護士には、事件に関わっていることも、口喧嘩が原因で頭を殴打した事も話していたそうです。
遺体を運ぶのにリアカーを使ったことや、本来は全身を焼却するつもりだった、頭部は骨になったら被害者の家族に渡すつもりだった等、自分勝手な供述もみられます。最終的には救援会を裏切るのが怖かったのだそうです。
小野悦男がやはり関与?首都圏連続殺人事件の真相は?
今までの事件を見てきてどう思いますか?もう、小野を前の罪で起訴することは出来ず、調べることもできません。色んな議論を呼んだ一連の事件の真相について、今現在分かっていることをお伝えしましょう。
小野悦男が関与疑惑の事件の真相①一件のみ犯人が逮捕!
首都圏連続女性殺人事件で、一つだけ小野以外に真犯人が捕まった事件があります。葛飾区で起こった経営者の女性58歳と手伝いの女性48歳が暴行の上放火された事件です。事件内容は似ていますが、小野の犯行ではないことが裏付けられています。
小野悦男が関与疑惑の事件の真相②そのほかの事件は時効成立
長い間、一連の犯人として勾留されている間に、その他の事件は時効が成立していまいました。現在は法律が改正され時効の期間は異なっています。改正されたのは2004年12月、残念ながらその時点で時効が決まっており、法律改正後の期間には適用されませんでした。
小野悦男が関与疑惑の事件の真相③真相は闇の中
時効が過ぎた刑事事件の場合、どんなに法的な証拠が見つかっても、捜査が再開されることはありません。刑事裁判で犯人を有罪にするために捜査して、起訴に持ち込むのです。警察官も公務員の為、税金で勝手に動くことは許されません。
起訴をすることが不可能な、時効をを迎えた事件は真犯人はずっと未解決のまま闇の中です。小野以外に犯人がいて、罪を告白するような機会に恵まれない限り、被害者や被害者家族は無念のまま過ごすのです。
小野悦男はセックス依存症?
ここからは、どうして小野が何度も犯罪に手を染めたのかを一緒に考えて見たいと思います。真犯人は分からずじまいですが、事件前にも小野は強姦などの事件を度々起こしています。その関連上に浮かび上がってくるのが「セックス依存症」です。
ここからは小野とセックス依存症との関係性について考えてみます。セックス依存症に関わらず、依存症で身を滅ぼした人いるくらい怖いものです。現在は、セックスの低年齢化についてが話題になっています。詳しく知りたい方はぜひこちらもご覧ください。
小野悦男セックス依存症疑惑について
「依存症」という言葉は今は大分浸透してきました。しかし、アルコールや買い物、ギャンブルのイメージが根強く残ることでしょう。なぜならセックス依存症こそ、表に出ることがあまりないセンシティブな病気だからです。
原理は他の依存症とさして変わりません。自分の心がコントロール出来ずに衝動的に行動してしまう事が特徴とされています。また、他の依存症と違うのが正式に病気として認定されていないことが挙げられます。
小野悦男がかかっていたかも?セックス依存症の怖さ
セックス依存症の怖さは「人に知られたくない気持ち」が誰にでもあることです。その事から治療に至るまでの人が少なく周りの人間関係も崩れ、場合によっては自傷行為に及ぶ人も少なくありません。その衝動の強さから、性犯罪に手を出してしまう人もいるでしょう。
小野の場合はどうなのでしょうか。立て続けに起きた殺人事件はほとんどの被害者が暴行をされた女性達でした。結びつけるまでには、至りませんが動機が分かることで犯罪が防げることもあります。依存症に苦しめられていた可能性も否めません。
小野悦男は放火癖がある?
もう一つ、考え深い話があります。小野の前科には放火がありました。首都圏連続女性殺人事件も放火が絡んでいたものがとても多く、最後に起こした足立区首なし女性殺人事件も火が絡んでいます。なにか関係性はあるのでしょうか。
小野悦男の前科からひも解く放火癖とは
「病的放火」と言う言葉は聞いたことはありませんか?放火癖とも言うのですが、火を見ることに以上に興奮し、放火前には緊張感や、感情的興奮、が味わえます。人によっては性的興奮を覚える人もいるようです。
それにより何度も放火行為を繰り返したり、計画する障害です。原因として考えられるのは、心理的要因が関係しているとされます。放火癖の特徴として、権力や名声を異常に欲しがる傾向もあると言いわれます。
小野悦男がかかっていた?放火癖と「性」の意外なつながりとは?
一見関係のないように思えるセックス依存症と放火癖、実は特徴で少し関わってきます。精神分析者であり精神科のジークムント・フロイトは火を性の象徴と話します。火の動きや形は揺れ動くため男性器を示しているというものです。
また、火の暖かさは性的興奮状態と同様の気分に陥ることの危険性を説きました。両方の要素を兼ね揃える小野ですが、今回起きた事件を病気や過去の環境のせいにして片付けるには、納得がいくものではないでしょう。
小野悦男と同様な冤罪の罪を被せられた人達
逆転無罪を勝ち取った小野ですが、この後彼の人生はまた大きく変わります。それとは別に、警察の過酷な取り調べで見に覚えのない罪を着せられ、無罪を勝ち取った事件もありました。概要だけお話しましょう。
これから概要だけ話す事件は長い間、裁判、警察などと関わってきた有名な事件です。ほかにも冤罪事件で有名な事件も日本は残念ながらあるのです。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
足利事件
足利事件とは、1990年に女児が翌日にパチンコ店近くで死体となって発見された事件です。この時に容疑者として浮上したのが菅家利和さんでした。当時、犯人が残したものに体液が含まれていた下着も見つかっており、DNA鑑定では菅家利和さんであるとされていました。
物証価値は高く、大きく事件の結果を狂わす結果となり無期懲役を言い渡されました。2002年再審を請求し東京高裁はこれを受け、再度DNA鑑定に望みます。結果は同一人物ではないとし、晴れて無罪となり17年半の戦いに幕を閉じました。残念ながら事件そのものは公訴時効が成立し未解決事件となっています。
袴田事件
袴田事件とは1966年に静岡県で起きた強盗放火殺人事件です。県名ではなく、容疑者として逮捕されていた袴田巌(はかまだいわお)から事件の名が付きました。過酷な取り調べがやはり論点となり、DNA鑑定の精密さも信憑性がなかった事で、何回も再審請求していました。
釈放されたのは2014年、すでに45年以上に渡り死刑囚として拘束されていました。残念ながら2018年6月に静岡地検の再審請求を棄却されています。すでに病院で生活を送っている袴田巌、生きているうちに再審請求が認められ真実が明らかになることを願います。
冤罪の補償の額
冤罪の時に支払われる金額はご存知ですか?日本では、無罪判決を言い渡されると1日1000円~1250円を国が支給します。最高額の12500円でも24時間で時給換算すると500円。足利事件で無罪になった菅家利和さんは約8000万円、小野は約3500万円受けとったとされます。
失った時間は戻ってこず、それにより得をした人間はいないのです。なんとか冤罪をなくしたいと思うと同様に、きちんとした犯人を検挙するために命を犠牲にする警察官がいることも思うとなんとも言えない心境になります。犯罪が起きないのが一番良いのですが、叶わぬ願いなのでしょう。
小野悦男の関わった事件内容の再犯者率
小野の人生の中で、犯した罪の多さには本当に驚きます。詐欺、窃盗、強姦、放火、殺人多岐に渡ります。刑務所での環境は想像もつかないくらい良くないと聞きます。逮捕14回、服役も13回も経験していても、同じ事を繰り返すのはなぜなんでしょう。
出所してからの受刑者の受け入れ体制が整っていないことも、原因の一つとして挙げられます。何度も犯罪を繰り返す小野悦男の人生をみてきて「再犯者率」がどのくらいのものか興味はわきませんか?
再犯者率
日本の犯罪にとって、再犯者率はとても頭を悩ませるものになります。それは事件の件数に紐付いているからです。初めて捕まった人たちの殆どが一件の事件を起こすのに対し、再犯を犯した人は何件もの事件を犯している可能性が非常に大きいからです。
調べた結果、捕まった人数で考えると再犯率は28.9%に留まるのに対し、全体の件数で考えると57.7%の件数が再犯を行った人たちによって起きているのです。結果を見れば分かる通り、再犯を防ぐ事がいかに大変がわかる調べでした。今は、再犯率を防ぐために矯正施設における就労支援や更生保護に力を入れて対策に力を入れているようです。
5年後に事件を起こしたわけ
一つ首都圏女性連続殺人事件で、一件だけ年数が離れた事件が合ったのをおぼえているでしょうか。そもそも最初に起こったのは1968年でした。2回目の事件とされるのは1973年です。どうしてこの5年間を空けたのか、もしかしたら度々刑務所に入っていた小野悦男のは累犯の罪について詳しく知っていたのかも知れません。
累犯について
専門的な話になるため概要だけお話しましょう。累犯(るいはん)とは1回目の懲役の終わり、または執行の免除を得た後、5年以内に更に2回目の犯罪を繰り返すことで罪が重くなると言う法律です。
また、繰り返し犯罪をする場合にも使われるため、一概には知っていたとしても役に立たない場合は多いです。2016年度の再犯者率は48%を超えるなど日本の犯罪は深刻な状況と言えるでしょう。
小野悦男は未だ冤罪か大量殺人犯か分からない疑惑の男
ここまで数多くの事件とその結末、小野の人生についても触れてきました。残念なのは、首都圏連続女性殺人事件の犯人は分からないということです。本来であれば起こってほしくない凶悪事件、そして出来うることであれば未解決の事件がない事を祈りたいものです。
ここまでの長い道のりの中で彼が関わったとされる可能性はどれくらいあるのでしょう。時効についても見直され、どんどんと進化する警察。今後はこのような悲しい結末に至らないよう世の中を見守っていくしかないのでしょう。
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