小野悦男が無罪釈放の理由とは?冤罪のヒーローから転落した疑惑の殺人犯

度々、目撃される彼は一体何を考えていたのでしょうか。その場所で犯行を繰り返せは自分の首を絞めることは、今までの経験で学んできたことです。それでも止められない「何か」が彼を動かしていたのでしょうか。

小野悦男が逮捕の事件⑨同年、足立区で女性が暴行焼殺される

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8月6日には綾瀬で火事があり、遺体から強姦殺人と判断、胸と腹に刃物の傷があることも判明しています。21歳の女性が被害者でした。残留物から加害者はO型かB型と絞り込みました。まだまだ、当時は焼かれた後の物証は取ることが難しかったのです。

小野悦男が逮捕の事件⑩同年、埼玉県で女性が暴行焼殺される

8月9日、草加市で火事が発生、21歳の被害者女性も強姦された後が残っていました。加害者はA型かAB型といわれ小野の血液型とは一致しておりません。共通しているのは暴行して放火する、暴行して穴に埋める、2通りに絞られました。

いかがでしょう。この時点で全ての事件に関連性はみられたでしょうか。当時の警察も次から次へと起こる犯行、犯行現場の市民の声を無視は出来ません。また、マスメディアが報道を過剰に行った為、色んな視点での見方も出来なかったのかもしれません。

小野悦男に対して、別件で逮捕から一連の事件への追求が始まった

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小野が逮捕されたのは1974年9月のことでした。松戸市内で起きた盗みの件で、警察へ連れて行かれます。カラーテレビ、ネックレスをマンションから、書店で1万円程の本を盗んだとされ、この逮捕は後に小野を捕まえる為の手段であることが判明します。

事件の名がついたのは、件数の多さと県をまたいでの犯行であること、またマスメディアがすべてを同一犯の犯行と関連付けて報道した事により広まりました。この事件によって過剰な報道も自粛を余儀なくされます。

火をつけるのは証拠隠滅のため?

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10件の中で8件も火に関わる犯行です。なぜ、火にこだわったのでしょう。当時の捜査は焼かれると証拠が燃えてしまうため、限りなく証拠がなくなる状態に等しかったといいます。そこに目をつけた卑劣な行為といえるでしょう。

残忍な殺し方でも唯一立件が難しく、次々に起こる事を予測する為にプロファイリングを取り入れたことで、全部が同じ見解になってしまったのが原因かもしれません。現在は、焼けた家や死体からも色んな証拠が発見出来るようになりました。

小野悦男逮捕の決め手は?

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首都圏女性連続殺害事件の犯人と決め手になったものが、いくつかあります。何も関係がないとは考えられません。6年前に起きた事件も含めて、全てを結びつけたのには何か事情がありそうです。実は捕まえてからから裁判まで、半年ほどの年月を警察は費やしていました。

小野悦男逮捕の理由①放火、窃盗の前科がある

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疑われる理由として一番に上がるのは前科があった事です。小野は今回捕まるまでに14件事件で逮捕、13回、刑務所で過ごしています。それが捜査の目をくらませた原因とも言えます。この当時は他にも、要注意として追っていた犯人は7~8名いたと言われます。

今になるとバラバラに見える事件も、放火や強姦の前科者が目の前にいれば全てが線でつながった様な錯覚を起こしたのかもしれません。前科があると警察も一層疑心も強くなり、1つの事件の詳細を捜査しない事に繋がったのでしょう。

小野悦男逮捕の理由②加害者との血液型が一致

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該当しない事件もありますが、松戸OL殺人事件の犯人と小野の血液型が一致しました。今でこそDNA鑑定が主流ですが、当時はそこまでの技術もなく、血液が一致するかは大きな決定打になっていました。A型、B型、O型、AB型しかない血液の種類、それでも当時は貴重な証拠だったのです。

今現在ではDNA鑑定が主流になり、事件の関与についての信憑性も、捜査が発達したことで裏付けることも簡単になりました。それを思うと今回の事件がもどかしく感じます。今、起きていれば全く違う結末を迎えていたでしょう。

小野悦男逮捕の理由③現場近くで職務質問

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犯人は現場に帰ってくると言われるくらい、犯人は犯行現場を気にします。その犯行現場で何度も職務質問を受けて自ら疑惑の目を向けたのも原因となりました。6月から8月にかけて、足立区の工事現場で働いています。

足で動くのが基本と言われていた警官たちは、目撃情報が非常にありすぎてかなり翻弄されたといいます。中でも信憑性のあったのが彼の目撃証言だったのです。確かに顔に特徴もあります。一回見たら印象に残ります。

小野悦男逮捕の理由④未遂現場の足跡が一致

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松戸で2件の事件を起こしていますが、犯行が未遂に終わった事件の足跡が、小野と一緒でした。未遂に終わらなければ、被害者になる可能性の高い事件として、足跡が同じだった事は犯人断定の後押しになりました。

小野悦男逮捕の理由⑤事件現場の地理に詳しい

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小野は事件現場近くで出入りすることが多く、広範囲に渡る事件でも地理に詳しかったそうです。もともと、清掃員も建築現場の仕事も、場所が点々と変わる作業のため、土地勘に詳しくなるのは職業病と言えるでしょう。しかし、あらゆる点の共通点を見つける中で、地理に詳しいことも彼に的を絞った原因となるのです。

小野悦男逮捕の理由⑥はしごの扱いに慣れているのが犯人と一致

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建設業者で働いていた小野にとっては、はしごの扱いに慣れていて当然です。窃盗の時も存分にいかしてきたのでしょう。彼を犯人とするには一つ一つの要素はとても低いものです。それが合わさった時に確信に変わっていきます。実際に起訴されたのは足跡の痕跡と、血液型の一致から松戸OL殺人事件で起訴されました。

小野が全部の事件の犯人とは考えにくいものの、全ての事件に関与していないとはいえません。実際に小野を犯人とする電話もあり、事件現場付近で職務質問後に逮捕されることもありました。今度は小野悦男とはどんな人物なのか気になります。

小野悦男とはどんな人物?

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逮捕されるまでの流れを説明してきましたが、実際に小野と言う人物はどの様な人なのでしょう。事件から想像するには残酷で卑劣極まりない人物に見えます。しかし、無罪を勝ち取った時には、味方をつけるほどの魅力をかかえています。今までの生き方からどんな人物か想像してみてください。

小野悦男の生い立ち①6人兄弟の次男

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小野悦男は6人兄弟の次男として1963年茨城県で生まれました。両親も含めると8人で暮らしていました。兄弟が多いと、それだけ生活にも金銭面での苦労がかかります。大家族に恵まれるも、普通の家庭とは少し違う環境で育った小野は想像を絶する生活ぶりだったのかもしれません。

小野悦男の生い立ち②家庭環境は複雑

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実は、それぞれの兄弟の父親は違う人という、複雑な環境も抱えていました。小野の小さい時に本物の父親は亡くなったと聞いており、顔も覚えていないと後に本人が語っています。義父と本当の母親、良い環境下でないことは容易に想像つきますが環境はどうであれまっすぐに育つ人はたくさんいます。小野の場合はどうだったのでしょう。

小野悦男の生い立ち③16歳の逮捕を皮切りに犯罪に手を染める

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初めて犯罪に手を染めたのが16歳。無免許運転でした。免許がないと言うことは同時に、誰の車、もしくはバイク等を運転していたのか?と言う問題もあります。これで反省をして、犯罪に手を染めないのが一番だったのですが、うまくはいきませんでした。そして、中学2年生で学校は中退しています。

小野悦男の生い立ち④あらゆる犯罪を繰り返す

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その後も犯罪に手を染めます。詐欺、窃盗、放火、強姦と14回も逮捕、そのうち13回も服役しています。放火や、窃盗、性犯罪に関しては再販率が高い事でも有名です。どこかで更生することは出来なかったんでしょうか。

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