今後のことを口にしだします。まるで新しい門出を祝うかのように純白な服装を身に纏っていたと言います。自分の身に何かあったとしても、生きていけるように協力して暮らすことを告げたのです。
16歳という若さの愛人であった瞳と名乗る少女のアパートに妻は身を潜めて暮らす生活が始まります。
鳴海清の最期③持て余されて身内に消された
潜伏していた部屋は、彼が尊敬していた会長とは義兄弟の関係でありました。義理人情の厚い世界ですから、しぶしぶ請け負ったのでしょう。
考えれば、身を隠したことで部屋の温存にも関わってくる重要な役です。ですから受ける側も静かに潜伏してくれていることを想定して了解をしたことでしょう。彼は違いました。
匿ってもらっている立場でありながら、新聞社へ挑戦状を郵送したり、居場所が発覚してしまうような動きをとっています。トップを狙えた英雄のように浸っていたのでしょう。
手紙の指紋から彼が生きていることが知れ渡るのです。それまでは居所不明で死んだのではないかとまで囁かれていたものが一変します。そして敵陣の激しい怒りは無差別に向けられます。
匿っている者らは、次第に彼に対し殺意を持つようになります。一緒にいたら自分も危ないことを悟ったのでしょう。3人が共謀して暴行を加え痛みつけ抹消したとされます。人生の幕引きは身内に裏切られる形で閉じました。
権力も位も気にすることなく自分の意のまま、仇をとるために行動した彼は、一部で男の中の鏡だと評され恐れなかった根性を称えています。
Contents
鳴海清殺害の組員が無罪!?
壮絶な乱暴の果てに、命尽きた男でありましたが多くの謎を残すはっきりとしない事件となっています。
生前は自分よりも身分が上である幹部にも抵抗し、同じ部屋の仲間でありましたが争いが絶えなかったようです。そのため敵や恨みを持っていた人間が多かったとされます。後に自首した者たちがおりました。
鳴海清を殺害の罪で3人の組員が逮捕
自分たちが殺したと言い、逮捕されました。山口組の激しさを増す抗争に、持てあます存在になったから片付けたという理由からでした。不明な点は、それぞれの供述する内容が合致しなかったことです。
そのために、裏で握っている存在がいるのではないかと囁かれますが、亡骸となった本人には聞くこともできず証拠も残っていないため、正確な真相が未だわかっていない状態であります。
判決は無罪!?
バラバラな経緯を話すので、調書もまとまらず裁判となっても証拠不十分といったことから断定できないので、無罪となりました。その後は新しい発見もなく歳月だけが過ぎ去っていき時効を迎えています。
完全犯罪のような捜査の線が繋がらず、誰も犯人が分からないまま闇の中に葬られました。
鳴海清の仇相手山口組組長が語る真実
彼が危険を冒してまで消したかった男である田岡三代目は、命はあったものの首を貫通している大けがを負っているにも関わらず、他人を気遣います。
トップである心の器でしょうか。組を取り仕切るボスであるため、強く優しくが感じとることができる言葉を残しています。
「自分が助かる気で撃つから失敗するんや」
狙われた後に病院へ運ばれた際に語ったとされます。多くの抗争を見てきた貫禄でしょうか。自分も死ぬ気にならなければ相手なぞ倒せるわけがないと残しています。そして遠目で狙ったから外れたと分析もしています。
自分が大けがをしていたにも関わらず、自分はいいからと一般客で負傷した人たちを優先して手当てをするように命じたといいます。
トップに君臨する以上、弱い者は守ること、自身の命を奪われることは常日頃から意識していたものとされ、すでに腹をくくって日本の山口組としての波紋を掲げ過ごしてきたのでしょう。そんな心理がうかがえます。
鳴海清の子供は今どこに?
結婚をして妻もいましたし、愛人もいました。実は腹巻の中に子供の写真をしまっていて、これが死体の身元を確認する資料となったようです。
逃走中は頻繁に自宅へ電話をかけ、安否を心配したようです。子供が彼を家族に引き合わせたのでしょうか?彼の家族、子供について現在はどうしているのかを検証していきます。
鳴海清の子供は本妻・愛人の間にいた!
男の子と女の子が一人づついます。愛人の出産に関しては本妻が準備をしたり手伝ったりして助けています。複雑な関係ではありますが、愛する人の子供として可愛がっていたようです。
彼の背中には大きな天女の入れ墨が彫ってあるのですが、これが子供の顔とよく似ているようです。最初に産まれた子供を思っていれたのでしょうか。
子煩悩な若いお父さんは命尽きてしまいましたが、愛情は子供たちにきっと残されて心の中で生きていることでしょう。
現在については、一般人として生活をしている可能性が高く彼の子供だということを隠して過ごしていることが想定されます。
妻に対しては、自分がいなくなった余生を心配し、再婚はしてもいいけれどヤクザはやめてくれと遺言のような言葉を残しています。
鳴海清の愛人は別のやくざの女に?
少女だった愛人は、新しいパートナーを見つけます。相手はまたヤクザでした。男は梅川昭美と呼び凶悪な人物で知られています。小さなころから極貧だったため異常なお金の執着心がありました。
銀行強盗に入り、人質を2人殺し金を奪おうとしますが警察に取り囲まれ2日間の立てこもりをしたのち、射殺されています。のちに週刊誌に梅川について語っています。
犯行まで一緒に住んでいた女性がこの愛人だとされています。30年という短さでありましたが破天荒な人生は映画の題材とされ、その中には鳴海をモデルとした男も登場しました。
鳴海清はまさにヤクザ界の忠臣蔵!?彼を題材にした作品たち
長期間も昔に起こったトラブルではありますが、今も作品として色褪せなく残って多くの人が目を通し、存在をアピールしています。若くしてこの世を去ってしまいましたが、魅力ある人物だったことがうかがえます。
題材とされた作品概要をご紹介していきます。
鳴海清を題材にした作品①書籍
新聞記者だった作者が綴る中身は、リアルそのもので傍で取材を続けてきたから書ける内容がうかがえます。映画のようなノンフィクションではない衝撃な展開が、待ち受けます。
裏社会として普段は知ることのない一つの王国を築いたストーリーがあります。
鳴海清を題材にした作品②映画
梅川昭美を主人公にした物語です。30歳までに大きく注目されることを成しとげたいと秘めた思いは、現実となります。大阪を舞台に次々と起こった闇組織のケンカ騒動を描きながら、仁義な男になろうと奮闘していく作品です。
動画で当時の事件一連が観覧できるので、わかりやすく俳優さんたちの名演技で世界に引きこまれていきます。
鳴海清が山口組組長を襲撃した「ベラミ」の現在は?
一躍有名なスポットとなってしまったお店は現在どうしているのかと言いますと、ママが死去したことをきっかけに継ぐ人もいなかったことから、お店自体がなくなっています。
それまでは一切危険なトラブルもなく盛況だったようです。これには田岡三代目が素敵な気遣いをみせたのです。退院した彼は、お店のママ率いる従業員全員を料亭に招待します。
謝罪をして、迷惑をかけたことと一般のお客にもケガを負わせてしまったことを詫びたと言います。そして今後は一切、お店に入らないし暴力団関係者も寄せ付けないことを約束したようです。
自分が起こした騒動ではなく、鳴海でしたが代わって頭を下げ、よい環境に導こうとする心意気を受けたママは、安心したことでしょう。
鳴海清以外にも!伝説のアウトローと呼ばれる男たち
彼らが身を置く世界では、他にも逸話を作った人物がおりました。命と変えてでも何かを残そうとする意志は想像を絶する者でありますが、武勇伝として残っているエピソードをご紹介します。
鳴海清以外にも伝説と呼ばれた男①夜桜銀次
本名ではなく、全身に彫られた入れ墨が夜の桜が咲き乱れるデザインだったためニックネームとしてついています。まるで役者のような名を残していますが本当の名前は平尾国人と言いました。
エピソードも豪快です。大分県に生誕した彼は、多くの極道同士の抗争の頭として暴れます。指名手配され逃走する日々を送りますが、様々な地で襲撃をして命を奪っていきます。
最期は金銭トラブルで撃たれ絶命しています。この騒動で彼の入所組が誤って違う派閥に構成員を派遣し250人もの人間が動いています。
鳴海清以外にも伝説と呼ばれた男②石川力男
現在も彼を題材とした作品が映画化されるほど破天荒な半生でした。自分の入っている関東の組の親分を日本刀で切りつけて重傷を負わせます。
この背景から10年間は関東に近づくなというルールを決められてしまうのです。切られた人物は足を切られていたため一生涯不自由でした。
それでも彼の悪口を言わず死の一報を聞いたときも、親不孝な人間だとポツリ呟いたといいます。
鳴海清以外にも伝説と呼ばれた男③大西政寛
悪魔のキューピーという異名を持つ若頭でした。幼いころに両親が離別し祖母に育てられます。身寄りがなくなると再婚した母親の元に引き取られますが、複雑な環境だったようです。
徴兵を経験しており帰国後は、悪の道に突き進み抗争も中心人物となって襲撃しました。警部補の自宅に忍び込み乱闘騒ぎとなった後、27歳の若さで射殺されました。
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ヤクザはなぜ入れ墨するの?
鳴海の背中には天女が彫られていましたが、極道のドラマや映画をみると全身に入れ墨が施されている姿が見受けられます。現在はファッションで入れる若者も多く、身近なものとなっています。
なぜヤクザは入れ墨を入れているのでしょうか?理由やかかる費用についてご紹介します。
自分の意思の表れ
自分の体に染料を入れ込む手法ですから、痛みを伴います。一度彫れば簡単には消すことは難しいです。現在は医学の進歩で消せますが他の部分からの皮膚移植であったりレーザーをあてる方法で高額です。
極道世界で生きていくという意思の表れであり、2度と一般人にはならないという契約書のようなものなのです。また昔ではかなりの痛みだったため根性を試す意味もあったとされます。
実際に裏組織へ入れば、入れ墨以上に怖い思いをするでしょうし、撃たれたり刺される可能性もゼロとは言い切れないでしょう。
全身に入れるのは200万かかる
主に和掘りといわれる日本の代表的な和風のデザインを描いていくのですが、江戸時代では手作業で全て施していたため、非常に強い痛みを我慢しなければいけなかったようです。
現代のファッションで入れる見た目とは違って墨の濃さやぼかしなどの細やかなデザインが特徴です。まずは輪郭を彫っていくことからスタートし、内部を色塗りしてきます。
全て完成するのに200万ものお金がかかるといわれています。刑務所内では途中作品のままであろう姿をしたヤクザで溢れていた時代もあったようです。
作品として立派に完成するのには長い月日がかかり、施術中に逮捕されてしまえば中断となるため、綺麗な体となるには忍耐も必要でした。
現代のヤクザの風潮
昔は組が出してくれたようですが、現在は肌に入れない構成員も多く見た目がバレバレなヤクザは少なくなっているようです。
現に、山口組の司組長は一切何も施していないといわれています。服を着ても透けたり、はみ出したりするためハンデとなることが多いため風潮は変わってきています。
鳴海清のお墓の存在
生前、本妻には自分がこの世から魂がいなくなっても葬式はいらないと伝えていたようです。ただ一つお願いはしていました。それは自分の親のような存在であった会長と一緒にいることでした。
遺灰を一緒に撒いてほしいと、どこまでも尊敬し一緒に添い遂げたい思いは強かったようです。これが男社会の絆というものでしょうか。彼のお墓について、ご紹介します。
奈良の法隆寺にあった
生前の彼の願いとは違いますが、お墓は奈良県にある法隆寺に存在しており静かに眠っています。億さんが守っているのではなく、実のお父さんが守っていたようです。
四季の移り変わりが綺麗な絶景の地で、生前は感じることのなかった静かなひと時と、自然の素晴らしさを眺めていることでしょう。
鳴海清は忠義を尽くした男
自分の可能性を信じて、突進していくパワーは人一倍あったことでしょう。慎重派の彼が大胆な行動をとった背景には、ただ仇をとりたい一心がエネルギーになったことでしょう。
心酔していたボスの無念を晴らすため立ち向かった度胸を違う方面で生かすことができていたら、未来は変わっていたでしょうか?
最期は家族にも迷惑かけることなく一人息絶えた姿は、物悲しさを感じますが家族の胸には生き続けていることでしょう。そして男社会を忠実に生きた勲章として現在も名を残しているのです。
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